雲龍図鐔 若芝
雲龍図鐔 若芝
若芝もまた布目象嵌の技法を独特の描写方法で突き詰め、若芝一門の特質とした。布目象嵌とは、地面に細かな鑢目のような切り込みを施し、ここに薄い金銀の板を叩き込む手法だ。だが、若芝の布目象嵌は、表面に皺や地模様のような切り込みを設け、ここに擦り込むように金を象嵌している。甚吾のぼかしによる龍神の描写とはちょっと違って、龍は鏨を効かせた高彫で、周囲の雲をおぼろに表すことにより、龍を際立たせている。地鉄の鍛え肌をも鮮明にして、本来見えることのない空気の流動する様子(あるいは激しく波立つ海原)を表現している。
雲龍図鐔 若芝
若芝もまた布目象嵌の技法を独特の描写方法で突き詰め、若芝一門の特質とした。布目象嵌とは、地面に細かな鑢目のような切り込みを施し、ここに薄い金銀の板を叩き込む手法だ。だが、若芝の布目象嵌は、表面に皺や地模様のような切り込みを設け、ここに擦り込むように金を象嵌している。甚吾のぼかしによる龍神の描写とはちょっと違って、龍は鏨を効かせた高彫で、周囲の雲をおぼろに表すことにより、龍を際立たせている。地鉄の鍛え肌をも鮮明にして、本来見えることのない空気の流動する様子(あるいは激しく波立つ海原)を表現している。