鍵に瓢箪図鐔 古正阿弥
これも、何気なく瓢箪が組み込まれている図柄。角形の構成は鍵と見られることがあるも、本当のところは判らない。構成の面白さであろう。鉄味も良い。
鍵に瓢箪図鐔 古正阿弥
これも、何気なく瓢箪が組み込まれている図柄。角形の構成は鍵と見られることがあるも、本当のところは判らない。構成の面白さであろう。鉄味も良い。
瓢図鐔 古正阿弥
瓢箪を意匠していることは良く判る。さて、この中にいくつの瓢箪が隠れているだろうか。陽の瓢箪が上下に二個。大きく意匠された小柄櫃も瓢箪だ。笄櫃も良く見ると工夫の痕跡が窺える。洒落ているというか、作者の感性に興味を覚える。
網図鐔 古正阿弥
単純な方形の連続。角形鐔独特のすっきりとした構成。鉄味がいい。格好もいい。角鐔は転げ難いため暗い所でも手にし易いが、角ばっているために障りがある。江戸時代前期には角鐔の禁止令が出たそうだから、実用性は高かったのだろう。
海鼠透かし図鐔 古正阿弥
これも古くから海鼠透と呼ばれている図柄。海鼠のような形状からだろうが、ここでは曲線の組み合わせだから、中に蕨手のようなものが構成されていて単純に海鼠透という以上に興味深い。古正阿弥の基礎にある品の良さが窺える。
左右海鼠に桐図鐔 古正阿弥
面白い図柄だ。桐は五三の桐でも五七の桐でもない。海鼠透かしと言われているも、海鼠を意匠したものではない。このように、古正阿弥には様々な意匠がある。
鍵蕨手図鐔 古正阿弥
蕨手は古くからの文様の一つ。これに角形を組み合わせているだけの図。この角形を鍵とは言ってみたものの、本当のところは判らない。だが風格のある鐔となっていることは確か。耳や透かしの線がやや太めであるところが力強さを生み出しているのだろう。
葦雁金図鐔 古正阿弥
水辺の景色を文様表現したものに違いない。葦の叢立つ合間に雁。良く詰んだ鉄地にすっきりと彫り表わされている。簡潔で品の良さが際立っている。
瓢図鐔 古正阿弥
鉄地に古寂な風情の漂う作。デザインが心地良い。天地に配されているのも、切羽台と組み合わせて瓢だろう。小柄櫃の大きな空間は何だろう。切羽台にわずかに斬り込まれたところから盃にも見えるがどうだろう・・・
唐花に糸巻図鐔 古正阿弥
細い線で品よく唐花を配し、切羽台と耳を繋ぐように糸巻状に、七宝模様を組み合わせている。いずれも古くからの文様の一つで、衣服などにも採られている。とても形がいい。
琴柱に丁子図鐔 古正阿弥
琴柱が文様の題材に採られている。武具とは直接かかわるものではないのだが、良く見かける図である。これに組み合わされているのが巴か丁子か、何とも良く判らない文様。古い作品には、このような、意味が探り出せない図が多い。これも面白さであることは以前から述べている。
丁子沢瀉図鐔 古正阿弥
これも鉄味の優れた作。天地左右対称風のデザインもいい。小柄古うがいの櫃穴に沢瀉の葉を意匠している。丁子に葉であろうか、勝虫に見えるのは意図してのものか。
杜若図鐔 古正阿弥
デザインが優れている。鉄味も優れている。正阿弥と汎称される鉄地の地透鐔の中には、時代に上がるものに古調で雅な風合いを漂わせる作がある。この鐔はその良い例だ。
正阿弥派というと、江戸時代に各地で隆盛した事、そのため様々な風合いの作品が製作されたために大きな特徴が見出せないこと、また多く職人がいたことから作例が多いことなどの理由で、比較的安価である。安価である点はありがたいのだが、所持者からすれば、もっと高い評価を得てもいいのではないだろうかという思いもある。
波に杜若図鐔 正阿弥
波の様子も、杜若の構成も優れている。時代の上がる古正阿弥の風合いを受け継ぐ、洒落た味わいのある作。正阿弥派は、江戸時代に各地で活躍したことから作品が比較的多いため、また作風も幅広いために特徴も見出しにくいところがある。そのためか、出来が優れているにもかかわらず少し低く評価される傾向にある。これも、先人が定着させてしまった評価基準による悪弊だと思う。良いものは良いと評価すべきだ。