龍虎図鐔 文子
龍虎図鐔 文子
先の赤文の鐔と同じ図柄を片切彫のみで表現している。元来絵画には絵筆を走らせる墨絵がある。この筆描のような風合いを金工で再現したのが片切彫。高彫とは違った印象で面白い。先の作品はいずれも高彫に強弱変化に富んだ片切彫を加えたもの。特に虎の縞模様を片切彫で表す。この鐔は造形が奇抜で、虫食いを施しているところを考えると、虎の古画を鐔に再現した、と考えてよさそうだ。文子は赤文の弟子で、表の銘は赤文のそれであり、本作はいわば子弟の合作。この点も面白い。□
龍虎図鐔 文子
先の赤文の鐔と同じ図柄を片切彫のみで表現している。元来絵画には絵筆を走らせる墨絵がある。この筆描のような風合いを金工で再現したのが片切彫。高彫とは違った印象で面白い。先の作品はいずれも高彫に強弱変化に富んだ片切彫を加えたもの。特に虎の縞模様を片切彫で表す。この鐔は造形が奇抜で、虫食いを施しているところを考えると、虎の古画を鐔に再現した、と考えてよさそうだ。文子は赤文の弟子で、表の銘は赤文のそれであり、本作はいわば子弟の合作。この点も面白い。□