つらねのため息

写真や少し長い文章を掲載していく予定。

四月になれば彼女は

2007-12-17 22:28:44 | Musik
将棋界の女流独立問題に関して、嵐の中で凛と咲く花の様な独立派女流棋士の美しさを描いた素敵な記事の中でSimon & GarfunkelのApril Come She Willをはじめて知った。

「松本博文ブログ」「April Come She Will」

1966年発表の彼等の2作目、Sounds of Silenceに収められていたこの曲は4月に現れて8月には消えていってしまうはかない恋を描いた小品だ。いかにもポールらしい美しい詩、そして、アートのボーカリストとしての才能を再確認させてくれる澄み切った歌声、すべてがすばらしい。

Sounds of Silenceというアルバムは、1stに納められていた表題作が、本人たちの知らないところで(ディランのLike A Rolling Stoneをアレンジしたのと同じメンツによって)フォークロック調のアレンジを施され、意図せぬ(物質社会の虚無性を告発した歌が時流におもねったヒット狙いのものに仕上げられたのだから、ポールのショックはいかばかりか)ヒットとなったのを受けて急遽製作されたものである。そしてこのアルバムのヒットをきっかけに、彼等はその黄金時代を築き上げていく。

しかし、この曲が何よりもそれを象徴していると思うが、彼等の音楽はむしろあの激動の時代の中で「人々の心を代弁し、癒す時代の良心の声(湯川れい子さんのライナーノーツより)」として受け入れられていったように思う。

なんとも清々しい気持ちにさせてくれる素敵な曲である。

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