レンタルDVDで映画『バンクーバーの朝日』を鑑賞しました。19世紀末から戦前にかけて日系カナダ移民2世を中心とした、実在の野球チーム、朝日のお話でした。最初は、体の大きいカナダ人の野球チームに全く歯が立たない弱小チームでしたが、バントや盗塁、スクイズなどの作戦を駆使しながら点を取り、勝利を重ねるチームに成長していきます。一生懸命野球に打ち込む選手たちでしたが、カナダ人の賃金の半分しかもらえない仕事をし、それを終えてから野球の試合をしていました。なぜそこまでして、野球の試合をしなければならないのか、一体何のために、誰のために試合をしなければならないのかと本心を打ち明けるシーンがありました。彼らが野球に打ち込む理由は彼ら自身にとっても、その試合を観戦する、カナダ移民の日本人たちにとっても意味があるものだったのです。カナダという異国の実社会で起きていたさまざまな差別を乗り越える勇気や希望を野球の試合を通して彼らは実感できたのです。そして、朝日の活躍は、日系日本人とカナダ人の心をも融合させる一端となったのです。当時の日系日本人の人々の切なく辛くても生き続けなければいけないという事実が、どの時代に生きる人々の共通の真実であるということを教えてくれている映画でした。1941年の真珠湾攻撃で、日系日本人は強制収容所に入れられてしまい、朝日のチームが二度と再結成されることはありませんでした。戦争はすべての人々の心を暗くし、いろいろなものを壊すものだとも教えてくれた映画でした。見ごたえがある映画のひとつになりました。
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