レンタル店で借りて観た映画『20歳のソウル』の感想です。千葉県船橋市立船橋高校の吹奏楽部でトロンボーンを担当していた音楽が大好きな男子生徒浅野大義さんの実話を基にした映画です。この映画の前半では、特に親しかった斗真(佐野晶哉さん)、秋田豪(前田航基さん)、田崎洋一(若林時英さん)、他の吹奏楽部の仲間たちとともに、吹奏楽部の顧問の高橋健一先生(佐藤浩市さん)の厳しいけれど温かく部員たちを見守る先生に導かれながら毎日青春を謳歌していた姿が描かれていました。吹奏楽部の練習でよさこい踊りとコラボした練習で大義(神尾楓珠さん)が重そうなフラッグを大きく降っていたシーンは印象的でした。また、高橋先生の方針で高校生という二度とやってこない時期を精一杯頑張ることが大切なんだと3年生のすべての部員が全国大会に出場するという目標を掲げて叱咤激励されながら大義や三年生の部員たちがもがき苦しみ練習に励んでいた姿はまさしく青春だなあと思いましたし、若いっていいなあと思った眩しいシーンがたくさん出てきてました。そんな中、大義は野球部のために後に受け継がれて行く伝説の「市船soul」というオリジナルの応援歌を作りました。「市船soul」は勝利を導く応援歌として後々受け継がれて行きました。吹奏楽の全国大会には出場できなかった吹奏楽部でしたが、高橋先生の今という高校時代にしかできないことを全力で楽しんだ大義は高校を卒業し、いつも大義たちに今を精一杯生きることの大切さを教わった尊敬する高橋先生のような「いい音楽」を作ることができる音楽の先生になろうと大学に進学します。大学で学んでいた矢先、大義の身体には病魔が襲ってきました。映画の後半では、高橋先生から常に投げ掛けられていた数々の温かい言葉を思い出しながらも辛い治療に耐えて何度も入退院を繰り返していた大義の姿が描かれていました。生きようと頑張り続けていたけれど、病魔は何度も彼に試練を与えました。大義の悲しさや辛さ、映画の中で描かれていた以上のものだったと思いました。そして、大義は20歳の若さで亡くなってしまいます。大義の人生はたった20年になってしまったけれど、その20年を懸命に生き切り、いい音楽をたくさん作るのに時間はなかったけれど、人々の心に響くいい音楽を遺した大義の短い人生がどれだけ尊いものだったか、仲間たちとの絆が素晴らしかったのがよく伝わり涙なくしては観賞できなかった映画でした。大義の葬儀で164人の仲間や先生、家族、恋人たちに見守られながら大義を真心が籠った演奏で送り出されていた最後のシーンは大義が生き切った証と仲間とともに分かち合ってきたいろいろな絆が凝縮されていたシーンでした。
映画『20歳のソウル』劇場用本予告30秒Ver