これが私の生きる道

こむずかしいことやきれいごとは
書いてありません。
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読んでみてください!!

ショート・ショート「月面着陸」

2010年10月20日 17時25分37秒 | 読書
「もうちょっと遅かったら我々もあぶないところでしたね」
「○国が玉砕覚悟で核爆弾を発射するという情報が
入ってきたときはまさかと思いましたよ」
「でもあそこからの情報が今まで間違いだったことはなかったので
あの後、発射されたことは確実でしょう。
予測では核による汚染によって1年以内に人類は全滅するものと思われます。」
「こういうときの為に秘密裏に非常脱出ロケットを
用意しておいてよかったですね、
地球からの映像も途切れてしまいましたし、おそらく壊滅したのでしょうね」
「宇宙開発を行ってきましたが、本当にこんな日が来るとはね・・・」
「いやむしろこういう形になってよかったのかもしれませんよ、
最近の国民はすっかり堕落していましたから、
自分達の権利ばかりかざして、大して税金も払ってないくせに。
我々のような優秀な遺伝子を持った人間たちによって優生学を実現し
新たな人類の歴史をつくっていくことに、実は期待しているんですよ。」
「そうですね、その為に容姿端麗な女性たちも連れてきましたしね、
私たちももう一頑張りしないといけませんな、ガハハハハ」



「この前から我々の星に奇妙な生物がおるがあれは何だ」
「何でも自分たちの星で争いが起きて、ここまで逃げてきたみたいです。」
「地球とかいうひまつぶしに遊びに行くあの星か」
「えぇ、奴らを一度捕まえて食べたこともあるんですが
これがひどい獣臭がして、肉は硬いし途中で吐き出してしまいましたよ。
地球でも他の生物はほとんど美味しいんですがね、
よりによって奴らじゃ食料にもなりません」
「何だそうなのか、我が物顔で居座りやがって、ミサイルで破壊してしまえ」
「それじゃ、この前開発したばかりのあれを使っていいですか?
それなら1発で十分です。」
「まぁいいけど威力が強すぎないか、また地表に穴あいちゃうぞ」
「今更1個や2個増えても変わらないですよ、
新しいものって使ってみたくなるのが(宇宙)人情じゃないですか。
それじゃいきますね、ポチっとな」



「いやぁ~一時はどうなるかと思ったけどな、
ギリギリで発射踏みとどまってくれて良かったなぁ」
「あぁ発射されたら完全にお陀仏だっただろうな」
「それにしても自分たちだけ月に行った奴ら、どうなっているんだろうな」
「散々、国民の為だなんだ言って結局自分たちだけで逃げちゃうんだもんな~
裏切った罰として地球からの通信は完全に断ってやったから
壊滅したと勘違いしているんじゃねえの」
「だけどあいつらがいなくなって、政治も風通しがよくなって
むしろ良かったんじゃねえの、
議決とかすごく早く決まるようになった気がするし」
「あぁ、それに奴らの財産を恵まれない地域の人たちに分配したら
餓死する人が半減したって話だぜ」
「何だ結局あいつらが一番いらなかったわけか、
この先の人類の未来は案外明るいかもなぁ」

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