ポツドールという劇団の「おしまいのとき」という舞台を観に行きました。
以前より興味があった劇団で
今回、新作が上演されるということで
嫌いな街、下北沢に赴きました。
劇場はザ・スズナリという200人も入れないような小さな劇場で
繁華街の外れにあります。
300円ケチってB席を買って
一番前のほぼ真ん中で、両隣もいなかったので
すごくいい席でしたが
いかんせん、背もたれのない座布団のみの鑑賞で
上映時間、2時間30分はさすがに身体が痛くなりました。
というのもこの公演があると知ったときには
既に普通の指定席はあまり残っていなくて
窮余の策でした。
席の上に舞台案内やアンケートが置いてありましたが
こういう舞台では当たり前のフライヤー(チラシ)が
全く混じっていなくて、開演までの時間をつぶすのに苦労しました。
この一点からも今までのお芝居とは違うのだろう、と想像していましたが
中身も中々のものでした。
簡単なあらすじとしては、子供を事故で亡くした主婦の橋本智子が
それから立ち直る為に、エアコンの修理に来た菅原と
肉体関係をもち、覚せい剤にハマり
旦那を殺すという文字にするととんでもない内容ですが
お芝居を観ているときは、こうなっても仕方ないかなぁ、
と思えるのが不思議です。
子供を亡くすというあまりにもひどいショックから立ち直るには
真面目な人ほどこういう今までの人生とは無縁だった
非常識なことに逃げ込まないと普通の精神でいられないのかもしれません。
立ち直る為に、これだけのことをするのは必然であるという
他人から見たらとんでもないことも
自分では疑いなく受け入れられる。
なぜか智子のことが小向美奈子と加護ちゃんに
ダブって仕方なかったです。
むしろ理解できなかったのは
この智子をよく演じたなぁということでした。
キスなんかはむしゃぶりつくようなものですが
そんなのが生易しく感じるほど
SEXシーンがまた生々しく本当に下着を下ろしちゃっているし
最初の半強姦シーンでは
最後に菅原から頬にビンタされるんですが
一番前だからしっかり見えて
これがマジで殴っていて、かなりショッキングで
そこまで身体はらんでもいいじゃんって。
自分の恋人や身内がこの役やっていたら
絶対止めますよ。
今まで何個も舞台を観てきましたが
この劇団だけは絶対入団したくないです、
肉体的にも精神的にもものすごく追い詰められそうです。
個人的には智子を破滅に導く菅原は
死刑にしてもいい位に思っています。
自己中心的でDVで救いようのない男ですが
こういう男を好きな女性ってある程度の割合でいるのは
間違いないんでしょうね。
先ほどの加護ちゃんが重なったというのはこの部分です。
菅原はエアコンの修理の仕事をしているのですが
劇中で「こんな底辺な仕事」と罵られる場面があって
この仕事をしている人が見たら怒られるぞ、と
近所に今井という夫婦がいて
智子が立ち直るように手助けしに来るんですが
これが善意の押し売りで、
手助けするふりしていい人ぶるという
こちらもよくいるようなタイプの人物で
中々むかつくんですけど
智子の旦那と今井の奥さんが不倫しているのが終盤にバレて
一悶着あるんですが、いい気味でした。
旦那を殺してしまった智子が菅原に電話して拒絶され
言った「私を支えていた理屈が崩壊した」というセリフが
とても印象に残りました。
このお話ほど極端ではありませんが
何か行動するときに自分なりの理屈を根拠にしている部分は
当然あるでしょうが
それはあくまで自分を納得させる為に作り上げただけで
それが違っていることに気づいたときに
人は愕然とするし、何かがぽっかり空いてしまうような感覚に陥る
ものだと思います。
そんな全てが崩壊したように思えた智子が
ご飯をかき込むシーンで終わっていくわけですが
これも一つの真理でしょう。
いくら精神が破綻しても、お腹は減るし排泄もしなきゃならないし
人間は所詮一動物でしかないということが分かります。
ご飯をかき込んでいるところで髪にご飯つぶがいっぱいついてしまい
最後の挨拶のときにこのご飯つぶ取りきれるのかしらと心配していると
照明が明るくなってそのまま終わってしまいました。
カーテンコールがない舞台ははじめてだったので
結構びっくりしました。
まぁ考えようによってはあれがあるとそれまでの
非現実性から現実に戻されることもあるから
むしろいいのかもしれませんが。
劇中でテレビがついている場面が何回かあって
それが「韓流ドラマ」「アメトーク」「ピカルの定理」「スッキリ」と
このチョイスに何か悪意を感じました、
こんなのどこが面白いんだ、と。
あとテレビとかで有名な俳優を使っていないので
ここまでの過激な演出ができるのは間違いないと思います。
最近の本谷さんの舞台に物足りなさを感じるのは
この部分が大きいのでしょう。
映像化はとても無理のような気がしたけど
カメラ撮影が20日に入っているみたいだから
もし機会があったらぜひおススメです。
以前より興味があった劇団で
今回、新作が上演されるということで
嫌いな街、下北沢に赴きました。
劇場はザ・スズナリという200人も入れないような小さな劇場で
繁華街の外れにあります。
300円ケチってB席を買って
一番前のほぼ真ん中で、両隣もいなかったので
すごくいい席でしたが
いかんせん、背もたれのない座布団のみの鑑賞で
上映時間、2時間30分はさすがに身体が痛くなりました。
というのもこの公演があると知ったときには
既に普通の指定席はあまり残っていなくて
窮余の策でした。
席の上に舞台案内やアンケートが置いてありましたが
こういう舞台では当たり前のフライヤー(チラシ)が
全く混じっていなくて、開演までの時間をつぶすのに苦労しました。
この一点からも今までのお芝居とは違うのだろう、と想像していましたが
中身も中々のものでした。
簡単なあらすじとしては、子供を事故で亡くした主婦の橋本智子が
それから立ち直る為に、エアコンの修理に来た菅原と
肉体関係をもち、覚せい剤にハマり
旦那を殺すという文字にするととんでもない内容ですが
お芝居を観ているときは、こうなっても仕方ないかなぁ、
と思えるのが不思議です。
子供を亡くすというあまりにもひどいショックから立ち直るには
真面目な人ほどこういう今までの人生とは無縁だった
非常識なことに逃げ込まないと普通の精神でいられないのかもしれません。
立ち直る為に、これだけのことをするのは必然であるという
他人から見たらとんでもないことも
自分では疑いなく受け入れられる。
なぜか智子のことが小向美奈子と加護ちゃんに
ダブって仕方なかったです。
むしろ理解できなかったのは
この智子をよく演じたなぁということでした。
キスなんかはむしゃぶりつくようなものですが
そんなのが生易しく感じるほど
SEXシーンがまた生々しく本当に下着を下ろしちゃっているし
最初の半強姦シーンでは
最後に菅原から頬にビンタされるんですが
一番前だからしっかり見えて
これがマジで殴っていて、かなりショッキングで
そこまで身体はらんでもいいじゃんって。
自分の恋人や身内がこの役やっていたら
絶対止めますよ。
今まで何個も舞台を観てきましたが
この劇団だけは絶対入団したくないです、
肉体的にも精神的にもものすごく追い詰められそうです。
個人的には智子を破滅に導く菅原は
死刑にしてもいい位に思っています。
自己中心的でDVで救いようのない男ですが
こういう男を好きな女性ってある程度の割合でいるのは
間違いないんでしょうね。
先ほどの加護ちゃんが重なったというのはこの部分です。
菅原はエアコンの修理の仕事をしているのですが
劇中で「こんな底辺な仕事」と罵られる場面があって
この仕事をしている人が見たら怒られるぞ、と
近所に今井という夫婦がいて
智子が立ち直るように手助けしに来るんですが
これが善意の押し売りで、
手助けするふりしていい人ぶるという
こちらもよくいるようなタイプの人物で
中々むかつくんですけど
智子の旦那と今井の奥さんが不倫しているのが終盤にバレて
一悶着あるんですが、いい気味でした。
旦那を殺してしまった智子が菅原に電話して拒絶され
言った「私を支えていた理屈が崩壊した」というセリフが
とても印象に残りました。
このお話ほど極端ではありませんが
何か行動するときに自分なりの理屈を根拠にしている部分は
当然あるでしょうが
それはあくまで自分を納得させる為に作り上げただけで
それが違っていることに気づいたときに
人は愕然とするし、何かがぽっかり空いてしまうような感覚に陥る
ものだと思います。
そんな全てが崩壊したように思えた智子が
ご飯をかき込むシーンで終わっていくわけですが
これも一つの真理でしょう。
いくら精神が破綻しても、お腹は減るし排泄もしなきゃならないし
人間は所詮一動物でしかないということが分かります。
ご飯をかき込んでいるところで髪にご飯つぶがいっぱいついてしまい
最後の挨拶のときにこのご飯つぶ取りきれるのかしらと心配していると
照明が明るくなってそのまま終わってしまいました。
カーテンコールがない舞台ははじめてだったので
結構びっくりしました。
まぁ考えようによってはあれがあるとそれまでの
非現実性から現実に戻されることもあるから
むしろいいのかもしれませんが。
劇中でテレビがついている場面が何回かあって
それが「韓流ドラマ」「アメトーク」「ピカルの定理」「スッキリ」と
このチョイスに何か悪意を感じました、
こんなのどこが面白いんだ、と。
あとテレビとかで有名な俳優を使っていないので
ここまでの過激な演出ができるのは間違いないと思います。
最近の本谷さんの舞台に物足りなさを感じるのは
この部分が大きいのでしょう。
映像化はとても無理のような気がしたけど
カメラ撮影が20日に入っているみたいだから
もし機会があったらぜひおススメです。