福岡県豊前市の豊前岩戸神楽。10月13日に現地にうかがってきました。この日は山内神楽講が地元山内地区の嘯吹(うそぶき)八幡神社で神楽を舞うとのことで、駈仙(みさき)や湯立が見られればいいかなと思い、深夜までの奉納には立ち会えませんでしたが、夕方まで拝見させていただきました。写真は、綱駈仙(つなみさき)。山内神楽講では綱御先と表記するようです。鬼面をつけた御先と幣方が舞いますが、幣方が藁製の蛇を扱い、御先と蛇のかけあいがユーモラスな演目でもあります。「みさき」という呼称にも非常に興味深いものがあります。中四国では神楽で鬼面をつけるのは「だいば」とか「だいばん」と呼ばれることが多いのですが、豊前地方では「みさき」。鬼イコール「みさき」。その解釈については諸説あるようですが、神楽の歴史を紐解く上では重要なキーワードです。あと、藁製の蛇についても、中四国の神楽との比較で興味深いものがあります。蛇といってもヤマタノオロチではありません。これも興味深いものです。あと、豊前岩戸神楽では湯立の際に10メートル程の竹を斎庭の中央に立てて、これに蜘蛛舞のごとく登るという場面もありました。柱松との関連を彷彿とさせます。愛媛の神楽と比較する上で、いろんな要素が対照しやすいという印象を持ちました。つまり、全く種別の違う神楽というより、一見、異なるように見えますが各所に類似性が多く見られるということです。愛媛の神楽を考える上では非常に参考になる豊前岩戸神楽でした。
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