愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

会津民俗館

2011年04月02日 | 災害の歴史・伝承

ふくしま歴史資料保存ネットワークのブログに福島県会津地方の被害状況が掲載されていた。
http://blog.ap.teacup.com/fukushimanet/22.html


私は、平成19年7月に福島県立博物館(会津若松)で行われた樹と竹の民具展の関連シンポジウムを聞きに行ったのだが、赤坂憲雄館長にお会いし、夜はシンポパネラーだった学芸員佐々木長生さん、鹿児島の川野和昭さんと懇親。この懇親が旅の一番の目的だったのだが、もうひとつの目的は福島県の猪苗代町の登録博物館でもある「会津民俗館」での資料閲覧・撮影だった。本当は時間があれば只見町の民具も見たかったのだが、その頃、自分が企画した特別展開催中だったので、何せ時間がなかった。取材や講座の予定が詰まっていて、愛媛にトンボがえりだった。でも会津民俗館には行くことができた。

会津民俗館のホームページはこちら。

http://www8.ocn.ne.jp/~afm1/


閲覧・撮影したのは福島県有形民俗文化財の会津の仕事着コレクションと国指定有形民俗文化財の製蝋用具。仕事着も製蝋も愛媛でも共通する民具コレクションがあり、その比較のため閲覧・撮影させていただいた。

この会津民俗館には、民具コレクションだけではない。旧馬場家住宅や旧佐々木家住宅などの移築民家も指定文化財となっており、民俗・民具に関わるものにとっては見どころ満載の博物館である。

この会津民俗館。今回の東日本大震災で大きな被害が出ている。ホームページには以下の文章が掲載されている。内陸部の会津地域でもこの被害なのだから、東日本各地の文化財被害の規模ははかりしれない。

「今回の大地震で、館内の民家2棟に大きな被害が確認されました。国指定重要文化財の【旧馬場家住宅】と県指定重要文化財【旧佐々木家住宅】は、震度6弱に耐えきれず、柱は傾き、床は抜け、戸は外れ、壁は一部落下しております。」【3月13日】

「当館の民家は、旧馬場家住宅(国重文)と旧佐々木家(県重文)が移築復元されています。どちらも大がかりな修繕が必要ですが、管理行為の中で職員が補修工事を始めました。国、県の手続きには、相当な時間が見込まれるため、仮復旧を進めています。」【3月31日】

建物、仕事着コレクション、製蝋用具、そして数多くの展示されている会津地方の民具も含めて、会津民俗館の一日でも早い復旧を、心よりお祈り申し上げます。




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