愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

東祖谷山村の落合

2008年07月25日 | 民俗その他
東祖谷山村の落合に到着。この写真は落合の向かいにある中上集落から撮影したもの。落合は、平成17年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、地元では保存会も結成され、集落保全の活動が進みつつある。今回は、保存会の会長さん宅にお邪魔させていただき、お話をうかがったり、落合を案内していただきました。

落合の集落は、一番高い民家から一番低い民家までの高低差は250メートルもあるという。この高低差で一集落を成しているのは驚きだった。愛媛のいろんな集落と比較を頭の中でしてみたが、これほどまでの高低差はないのではないか。

民家の構造も興味深かった。前便所に、ヒシャギ竹、そして屋敷の間取りなど、祖谷地方の特徴が随所に見られて、民家の変遷・歴史を整理する上でも非常に参考になった。ちなみに保存会長さんのご自宅は安永9年に建っている。棟札も拝見させていただきました。

なお、東祖谷山村の集落や民家については、『阿波学会紀要』第53号(総合学術調査報告 三好市旧東祖谷山村 2007年3月発行)に収録されている「三好市『旧東祖谷山村』の民家」に詳しい。この報告を執筆した建築士さんとは、なんと落合の「そば道場」で昼食にそばを食べていたら、偶然ばったり対面することができた。落合の明治34年建築の民家修復で現地に来られていたのだ。偶然とは恐ろしい。そしてありがたい。



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