愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

西村泊春展

2008年07月11日 | 日々雑記
来週から、西村泊春展が八幡浜市民図書館で開催されます。西村泊春は、南予三俳人の一人(あと二人は、富澤赤黄男に芝不器男)。明治35年に現八幡浜市の神山生まれ。大正期に飯田蛇笏の『雲母』に加わる。中央の俳壇でも注目されていた若手俳人だったが、昭和4年に27歳で夭折。句集に『佐田岬』がある。八代の公民館に泊春の句碑が立っている。「麦秋や佐田岬の何十里」、この句からは段畑での芋・麦中心の景観など、当時の佐田岬の情景が頭に浮かんでくる。展示の案内は以下のとおりです。

開催日 平成20年7月15日(火)~7月21日(月・祝)
時 間 10時~18時(21日17時まで)
会 場 八幡浜市民図書館 2階郷土資料室
住 所 八幡浜市本町1  
電 話 0894-22-0917  
主 催 西村泊春展実行委員会
参加料 入場無料


おたふくかぜ

2008年07月10日 | 口頭伝承
今「おたふくかぜ」がはやっている。下の娘の通う園では、今日は、なんと三分の一近くが耳下腺炎。そろそろウチも発症するか?と様子を見ているが、今のところ元気。この「おたふくかぜ」(流行性耳下腺炎)は、耳下腺が腫れて「おたふく」のような顔になることに由来するのは間違いないが、いつも悩むのが「お多福」と「おかめ」と「乙御前(おとごぜ)」の関係。同一なのか、違うのか、芸能の仮面等を見ていて、すっきりしない。谷崎潤一郎の『卍』に「お多福風にかかった」という記述があるが、これが発表されたのが昭和3年。それ以前に「お多福風」「阿多福風」「阿多福風邪」等の記述は見つけていない。注目しているのは幸田露伴の『五重塔』(明治24年発表)の「顔は子供の福笑戯に眼を付け歪めた多福面(オカメ)の如き」という記述。「多福面」と表記してルビをふって「オカメ」と読ませている。「おかめ」は江戸時代、『東海道中膝栗毛』など数多くの文献に出てくる。「お亀」と表記されるが、『日本国語大辞典』に掲載される語源説では「両頬の張り出した形がカメ(瓶)に似るところから〔俗語考〕」となっていて、「亀」は当て字のようだ。同じく『日本国語大辞典』によると、文化・文政年間に、江戸の飯倉片町で「お亀団子」という名物団子があって、店の女房が「おかめ」に似ていたことが理由らしい。となれば、大まかにいえば「お多福」は近代以降に定着し、それ以前は「おかめ」が一般的だったと推察できるのではないか。ただし、狂言の女面である「乙御前」との関係性はよく調べていないので、まだまだ頭の中がすっきりしない。


夏本番

2008年07月10日 | 日々雑記
今日は、午前中から宇和島に出かけたが、昼に急遽、子供のプールの監視役が必要となったとの連絡が携帯電話にあったのだが、カミさんは外出中。一家に一台しかない携帯を運悪く自分が持っていたので、連絡不能。対応不可。仕方なく、自分が4時までプール監視の役回り。日差しも強くて暑かったので、プールに飛び込みたい衝動にかられたが、保護者として監視役に徹した。おかげで?王子神社の練り行列を見学することができた。今夜は町づくりの会合。これから出発だが、少し日光を浴びただけでも肌が痛い。

城川の棚田

2008年07月07日 | 生産生業
城川には日本棚田百選の一つ「堂の坂の棚田」がある。昨日、城川を通った際に、眺めてみた。この「堂の坂」はまたいずれ紹介したい。

この写真も城川の棚田。場所は遊子川。撮影は、平成18年5月27日。田植えの直後で、棚田の水面が美しい。今の時期(7月)になると、水面が見えなくなるほど株が成長しているので、なかなか棚田の写真は撮りづらい。

芭蕉2

2008年07月07日 | 自然と文化
この芭蕉の葉っぱ。葉っぱではなく、茎からは繊維がとれる。沖縄の芭蕉布は有名だが、かつては南予各地でも芭蕉から糸をとっていたらしい。葉を取って茎を撮影しようかと思ったが、自生ではなく、地元の人がお盆に使うものなので、あきらめた。いずれ、芭蕉の茎から繊維をとってみたい思いに駆られる。

芭蕉1

2008年07月07日 | 自然と文化
南予地方の山間部では芭蕉が自生しているのをよく見かける。正確に言うと、自生ではなく、ある目的で使用するため植えられたもの。使用目的は、お盆の精霊棚。棚に敷いて、それを「仏さまの青畳」だという。確かに、寺院の近くに多いし、この写真は、城川町田穂の大池のそば。この脇には、城川の有名な年中行事「実盛送り」の実盛人形を最初に安置する石仏がある。バナナに似ているが、バナナの実はならない。しかし、小さいバナナのような形の実が成るが、八幡浜の山間地で聞いた話では、実際、食べたらまずかった、ということだ。

蕎麦の花と実

2008年07月07日 | 生産生業
城川にあった小さな蕎麦畑で撮った花の写真。7月上旬の今、実もなっている。周りは棚田に囲まれている。この夏蕎麦、おそらく7月中には収穫するのだろうが、蕎麦畑は、ある程度、栽培面積がないと商品にならない。乾燥や粉ひきなど、手間がかかる。これだけの小規模面積で蕎麦を栽培するのは、休耕田を蕎麦畑としたのだろうかと思ったが、先の予定を急いでいて、地元の人の話を聞くことはできなかった。

お遍路さん再訪

2008年07月07日 | 信仰・宗教
今朝、7時過ぎに玄関でチャイムがなったので、出てみると、一人のお遍路さんが立っていた。我が家は、遍路道沿いにあるので、時々、お遍路さんが来くることがあって、その際には、少しばかりお接待をする。今朝来られたお遍路さんは、前にも一度、ウチに来たとのこと。30回は88ヶ所をまわっているそうで、銀色の納め札をいただいた。住所を見れば、北海道からのお遍路さん。近所のお店にも以前お世話になったそうで、そのお店の分の納め札も預かった。近くの旅館に宿泊して、7時に出発したのだろう。今日は、天気は良いが、猛暑となりそうで、お遍路さんの無事を祈念しています。南無大師遍照金剛、南無大師遍照金剛、南無大師遍照金剛。(7:48記)