南伊勢町の臨時職員Aさんは、職場でパワハラを受け適応障害のため出勤できなくなりました。Aさんは南勢ユニオンに加入して、役場と話し合いを求めましたが、役場は誠意ある態度を示さないので、6月29日津地方裁判所伊勢支部に損害賠償、慰謝料などの支払いを要求して提訴しました。
Aさんは、地域起こし協力隊員として、昨年7月から臨時職員に採用され、地域の伝統文化の保存や高齢者の生活支援などに従事しました。地域起こし協力隊は大都市部から過疎地域へ移住して、地域起こしの活動を行う総務省が創設した制度です。このため移住しなければなりませんが、町が用意した住宅は10年も使用されていない雨漏りがする教員住宅で、やむなく伊勢市から通勤していました。しかし、町の幹部や職員から「雨漏りしても住めるはずだ」「悪質な違法行為だ」などの嫌がらせ行為を受けました。昨年11月には、Aさんらが所属課に活動報告を発表する場で「引っ越しをしないので聞く気がない」などと言って、報告を無視されました。
また、就任3か月なのに、「地域起こし協力隊の成果を上げていない」、「臨時職員としての雇用契約をなしにする」、「信頼がないから無理」等々、数々のパワハラを受けました。
地域起こし協力隊員へのパワハラということもあり、Aさんの提訴は注目をあつめ、全国紙が社会面で大きく報道しました。
Aさんが提起した裁判の第1回公判は、9月7日(木)午前10時30分から、津地方裁判所(津市中央3-1)で行われます。できるかぎりの傍聴を呼び掛けます。