urauranus(ゆり)のあけてびっくりおもちゃ箱

「枡野浩一のかんたん短歌blog」にトラックバックで投稿するためのblogでしたが…??? 日々の記録……記憶。

6/11の日記(その2)

2005-06-12 13:11:41 | Weblog
このことは、本が出てから、本を見てから書こうと思っていましたが、今日書きます。
(とても長いです。)

去年十月、雑誌「公募ガイド」を見て「第2回 五行歌でつづる恋の歌」募集に応募しました。
十一月、応募先の日本文学館から連絡がありました。七千余りの応募があり、一次通過したと。一次通過者を対象に「歌日和」に掲載する作品を募集するので四作品応募して下さいと。「五行歌でつづる恋の歌」の優秀作は来春刊行予定です。……等々。
一次通過者ってどれくらいなんだろう? と思いながら、応募しました。
十二月、「恋の歌」に掲載してくれると連絡が来ました。でも、素直に喜べませんでした。
自費出版ではないと謳っているものの、でもこれって自費出版なんじゃないの? と思えなくもない「ノベル倶楽部・特別案内」が一緒に入っていたからです。
その時わたしは「〇〇神宮物語」(新風舎)という自費出版の本を図書館で借りて読んだばかりでした。
その本はわたしにとって、ものすごい衝撃でした。本を読んでこんなにも驚かされたのは今まで生きてきた人生の中で生まれて初めて! と、ただただショックでした。
「ええー! こんなんで出版されちゃうのー!? 自費出版って……スゴイ!!」と。
自費出版を考えている人には、ぜひ一度読んでもらいたいと思いました。
が、タイトルは伏せました。ネットに伏字で書くのは、わたしは趣味ではありません。掲示板などで意味もなく伏字にしている人を見るとなぜ? と、あまりよく思っていません。
このブログは好き勝手なことを書いていますが、ほめてはいない内容でも、検索されてその人に読まれてもわたしは構わない。恥ずかしくない……というのを基準に書いています。だから伏字は使わない。
それなのにタイトルを伏せたのは(作者名も)、わたしは悪口を書きたいわけでも中傷したいわけでもないから。作者の人柄がいい人そうなので、傷つけたくはない……。
最初にほめておきます。たぶんこれはエッセイらしいのですが、表紙の絵を見る限り、文章よりは絵の方が才能あると思うよ。なぜ、自費出版するのなら画集とかポストカードブックにしなかったのかなぁ……。わたしが友人で相談してくれていたらそう言ってあげたのに……。あなたの人柄がとてもよいことはわかりました。しあわせな人生を送っているということも。どうぞそのしあわせなまま、これから先の人生も歩まれることを願っています。そのしあわせを周囲の人と分かちあい、さらにしあわせになられますよう。
で、本についてですが、わたしはとても期待感を持って読み始めてしまったので、よけいにショックが大きかったのかもしれません。
まずタイトルにわたしは惹かれ、手に取ってしまいました。文庫本でしたが、小冊子かと思うほどの薄さでした。プロフィールを見ると、この辺りに住んでいる人のようで、微笑ましいような感じでした。スーパーマダムだとありました。架空の住所が書いてあったのですが、それもまぁ悪くないと思いました。
前書を読むと「この本を出版するにあたってスポンサーとなってくださった△△(会社名です)に感謝します」とあったので、わたしはてっきり、作者と△△とタイトルにある〇〇神宮とを結ぶ物語が描かれていると思い込んでしまいました。
△△はここに名前を出しても誰も知らないような会社だと思いますが、わたしには以前勤めていた頃、毎月、見積書や請求書を書いていた会社でした。
読み始め、わたしの期待は見事に裏切られました。が、最後まで読みました。
あとがきに「どうでしたか? 頭がすっきりして癒しになったでしょう?」とあり、わたしは言葉を失いました。
内容は、わたしには理解できないところもありました。これはどういうことなのだろう? と。たぶんわたしに読解力がないのでしょう。
△△についてはなにも触れられてはいませんでした。たぶん、身内なのだと思います。
この出版社が自費出版で有名なのは知っていました。公募ガイドだけでなく、新聞でも何度も原稿を募集しているのを見かけましたから。コンテストという形でしたが。
著者は書くことは初めてらしく、原稿を書いて応募してみたら自費出版なら出せると言われ、本になる価値がある! と思い込んでしまい、普通ならそんなにお金がかかるのかとあきらめる人も多いのだろうけれど、幸か不幸かお金には不自由していない人なので出版されてしまった稀なケースなのだとわたしは解釈しました。
公募で落としてもらえるって、なんてしあわせなことだったんだろう! お金がなくてしあわせってこともあるんだなぁと、心から思えました。
読み終え、出版社に対して怒りが込み上げてきました。
なんにも知らない素人を!!! と。
わたしにはこの出版社が悪徳商法の会社にさえ思えました。この会社の広告を載せている新聞も許せない! と思い、新聞に投書しました。が、投稿規程の370字にはとても収まりません! 何通にも分けて書きました。
採用はされませんでした。まぁ、自費出版なんて興味あるのはごくわずかな人だけなのかもしれません。また、書いているうちに色々と思うこともありました。
「小説を書きたがる人々」(久美沙織 著)という本のことを思い出しました。
その中に「自費出版を考えているのならおやめなさい。末代までの恥」とありました。
末代までの恥って、それはいったいどの程度のものなんだろう? ……そこまでは、ひどくないのかもしれない……と。わたしにはとてつもない衝撃だったけれど、こんな程度で驚いていてはいけないのかもしれない。まだまだ甘いのかも、と思いました。
たとえひどい内容の本だったとしても、この本をどうしても出版したかった! という思い入れのようなものが感じられる本だったらよかったのに……など、色々思いました。
で、結論。この本はわたしにとってとても有益な本でした。自費出版について考えるうえで。
(送った原稿だけでは)本にするには分量が足りないのでなにか書いてくださいと言われたらしく、本の後半には出版社とのやりとりが書かれていました。
タイトルは「□□(著者名)のひとりごと」にしてはどうかと言われたけれど、「私の名前だけじゃ売れません!」と突っぱねた、とか。
あなたはとても正しいと思います。実際、わたしはタイトルで手に取ってしまったわけだし。で、出版社の人の提案したタイトルもとても正しい意見だと思いました。
この出版社には、出版できる最低のラインというものはないのか? 良心というものはないのか! と、とても憤りを感じましたが「良心はあります。だからペンネームを勧めました」と言われてしまうかも、と思いました。
まぁ、この出版社から本を出して、ハッピーになった人もいるんだろうしなぁ。ものすごく売れている本があるのも知っているし。
日本文学館も自費出版の出版社のようだけれど、応募した時はそんなことは知りませんでした。で、どんな本を出しているのだろうと図書館へ行き検索しました。
出版社名で「ニホンブンガクカン」で検索。該当なし。
ん? 「ニツポンブンガクカン」なのか? 検索。該当なし。
「ニホンブンガツカン」でも「ニツポンブンガツカン」でも該当なし。
「シンプウシヤ」は、色々出てきました。くそっ。
その後、日本文学館からはなんの連絡もなく、ある日ネットで「歌日和」で検索してみました。
詩人のブログというのが見つかり「朗読ライブで、友人の◆◆くんは『歌日和2』に掲載される五行歌を読みました」と、ありました。
そ、そうですか。「歌日和」は2まで出るのに、わたしのは採用はされなかったのか……。
納得はしています。で、ネットってすごいなぁと思いました。欲しい情報がちゃんと出てくる……。
「五行歌でつづる恋の歌」は来春刊行予定ってあったけど……春って五月までかなぁ? いつ出るんだろう? と思っていました。
先月「公募ガイド6月号」を買ってみたら「第二回 日本文学館五行歌大賞」の作品募集のページ(p57)にありました。
〈昨年募集した『五行歌でつづる「恋の歌」』の優秀作品が書籍になりました。日本文学館6月の新刊として刊行されます。〉
日本文学館のwebサイトを見てみましたが、どこにもありません。
六月のいつ出るのだろう? もう出ているのか?
電話で問い合わせました。(6/11に)
七月に刊行されるということでした。いいのか? それで!?
本当に七月に刊行されるのか? そして本当にわたしのものも掲載されているのか?
たぶん書店で見つけることはできない本だと思います。
買って載ってなかったら、ムカつくだろうと思います。(なにかの間違いだったのか?)


(公募とは関係なく、待っている連絡があるのですが、来ません……。来い!)
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4 コメント

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なるほど…。 (So-w)
2005-06-12 23:34:31
まだ血気に逸っていた頃(笑)、本気で「あなたの原稿を本にしませんか?」的広告の連絡先に連絡しようかと思ったことがありました。

でもちょっと恥ずかしくなってザセツ。

挫折して良かったかも知れませんね。今ではblogのネタに事欠く日もありますし。

因みに短歌で同人誌(しかも個人誌)を出したことがあります。もう原稿すら残ってませんが。
返信する
ありがとう……! (ゆり)
2005-06-13 02:26:28
こんな長い文章を読んでくれてありがとう。 コメントもありがとう。

これでもまだ書き足りないような気がしています。

詩集や歌集や句集などは自費出版がふつうらしいです。

あなたの原稿を本にしますと謳っているようなところでも、詩集などは売れないから受け付けないというところもあるようです。



>因みに短歌で同人誌(しかも個人誌)を出したことがあります。もう原稿すら残ってませんが。



もったいない!



誰もが知っている大手の出版社だって、あることないこと取材もしないで好き放題書いて裁判起こされたり。あぁ本とか出版社に夢や希望を持つこと自体まちがっているのかもしれない……もう、夢や希望を持つことさえ許されない、そういう時代なのかも……。

いや、そんなことはない!!! とか、色々思っていました。
返信する
自費出版とは、 (南山 薫)
2005-06-24 23:22:27
そんなもんだったんだ。



それじゃあ、「自費」というより「無慈悲」じゃないか。。。

#洒落を言ってる場合ではないですね。



私の亡くなった叔父が、『自分史』をワープロで作っていました。お宅にお邪魔した時に表示して読ませてもらいましたが、うーん、読みにくかった。



当然、叔父本人は事実関係を知っているのだが、読者がどこまで叔父を知っているのか分からないのに、背景説明が不十分なままどんどん話が進んでいく。



叔父は、ある程度の成功者(ある程度と言ったのは、どの程度なのかを私がよく知らないから)であり、機会をみて自費出版して知人に配ろうと考えている気配だった。



「へたな文章だ」というのが躊躇われたので、「身近な人に一度読んでもらって、文章を整えると読みやすくなりますよ」というような応え方をしたように記憶している。



当時、そういう会社に出会わなくてよかったことだ。



返信する
コメントありがとうございます。 (ゆり)
2005-06-25 20:06:48
う~ん……。

自費出版はピンからキリまでなのだと思います。

小説などで、名のある(?)賞の最終候補まで残りながら……という作品を自費出版するということもあるようですし。



自分史を自費出版したいと思っている人は、自費出版する前に、文章教室なりエッセイ教室なりで、感想を聞いたり添削を受けてからでも遅くはないと思います。

自費出版するお金がある人なのだから、そういう講座などに費やすお金がないとは思えませんし。

まぁ、自分の(?)お金で何をされようと自由だとは思います。

が、お金があるからって何をしようと自由なのか! とも思いました。もっと生きたお金の使い方が……寄付でもした方がよっぽど……と思いました。



わたしに衝撃を与えてくれた本は図書館にありました。

サインはありませんでしたが、著者の描いたと思われる絵が入っていました。

「著者寄贈」のスタンプはなく、以下、わたしの勝手な想像です。

「いや~、うちの奥さんが本を出版したんだ。ぜひ読んでくれ」と社長に本を贈られた社員が

「へぇ~、すごいですね」と笑って受け取り、読んだらひっくりかえってしまい

「こ、こんな本を出版するために俺はあの会社で働いているわけじゃない……! く、くそぉぉぉ!」と思いつつ

「あの本、どうだった? 読んだか?」と社長に聞かれ

「よ、よかったです……」とひきつりつつも答えるしかなく、

「こ、こんな会社辞めたいゼー!」と心の中で叫びつつも、こんなご時世だし……と、やりきれなくて図書館へ持って行った……。

あくまでわたしの勝手な想像です。



す、すみません……。



コメント(洒落も)ありがとうございました。

五行歌を書かれているのですね。
返信する

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