『ゴジラvsキングギドラ(1991)』
1991年(平成3年)12月14日公開の日本の特撮映画でゴジラシリーズの第18作です。前作に引き続き脚本と監督には大森一樹さんを起用、特技監督は川北紘一さんが務めました。また本作では『メカゴジラの逆襲』以来16年ぶりに音楽を伊福部昭さんが担当しました。上映時間103分。登場怪獣はゴジラ、ゴジラザウルス、キングギドラ、メカキングギドラ、ドラット。
あらすじ
突如、23世紀からの使者ウィルソンら3人が姿を現した。彼らは現代のノンフィクション作家・寺沢の「生き残りの恐竜が核実験によりゴジラへと変異した」との仮説により「過去に遡ってゴジラの存在を抹殺する」というプランを日本政府に示した。日本政府はこれを受諾。未来人エミーと寺沢らを乗せたタイムマシンで戦時下のラゴス島にタイムスリップ。恐竜ゴジラザウルスをベーリング海に転送しゴジラは歴史から抹殺されたが、新たに怪獣キングギドラという脅威が日本に襲い掛かっていた。実はウィルソンらが圧倒的な軍事力と経済力で超大国として君臨した23世紀の日本を弱体化するためにキングギドラを操っていたのである。キングギドラが福岡を蹂躙する姿に日本人の血を引くエミーは衝撃を受け、以後寺沢たちに内通するようになる。その頃、ベーリング海ではゴジラザウルスが不法遺棄された核燃料の影響で既により強力なゴジラへと変異していた。北海道でゴジラはウィルソンの操るキングギドラに苦戦を強いられるが、造反したエミーがキングギドラのコントロール装置を破壊すると形成が逆転、ゴジラはキングギドラをオホーツク海に沈め、ウィルソンのUFOも破壊し、今度は首都東京への侵攻を開始した。ゴジラの脅威から日本を救うためにキングギドラを23世紀の技術で再生しゴジラと戦わせるという計画を実行するためエミーは未来へと帰っていった。そして首都を蹂躙するゴジラの前に、時空を超えてメカキングギドラがその姿を現した。果たして日本の未来はどうなってしまうのか?
感想
ツッコミどころ満載なのにすごく楽しめた映画でしたね~。
設定もぶっ飛んでるし、映像表現も稚拙な部分があって、決してハイクオリティな映画とは呼べないのですが、ワタクシはすごく好きな映画ですね~。
タイムパラドックスもの、SF映画、反核思想映画、戦争映画、当時の日本への風刺、怪獣特撮と前作同様にいろいろな要素があるにも関わらず、それらをうまく同居させエンターテイメント映画として成立させているという点は評価できると思います。
個性の違う数々の素材たちをエンターテイメント重視という濃いめの味付けで一つにまとめ上げてしまったのは力技と言ってもよいのですが、それは濃いめの味付けでも許されるゴジラ映画というジャンルだからこそできたのだろうと思います。
ここから”ゴジラ出しとけば何やってもOK”という製作陣の乱暴な発想が窺えます(笑)。
それから前作と違ってドラマ部分において主人公クラスの登場人物をしぼり、わかりやすい悪役を配置するなどして誰でも受け入れやすいストーリー作りができていました。
素材の味そのものよりも濃い目の味付けで誰もが受け入れやすい映画として完成させたことはまるでBグルメのようです。
だから設定上の矛盾やツッコミどころを許せてしまうのだと思います。
でもアンドロイド・M11が高速で走るシーンの稚拙さだけはなんとかならんかったのか・・・。あまりにひどいんですよ~。
それにM11号についてはターミネーター2の影響うけまくりで観ているこちらが恥ずかしくなってしまいました(笑)。
ともかく数あるツッコミどころもエンターテイメントの一つとして楽しんでしまえる不思議な魅力のある映画でした。
【公式】「ゴジラVSキングギドラ」予告 ゴジラがキングギドラと1対1の闘いを繰り広げる唯一の作品。ゴジラシリーズの第18作目。
ミニチュアを使った都市破壊シーンは今回も迫力満点!
それから怪獣バトルは前作で物足りなかった分を補って余りあるボリュームですごく見ごたえがあって楽しかったですね~。ゴジラVSキングギドラ、ゴジラVSメカキングギドラという一粒で二度おいしいのもポイントが高いですね~。
意外なところでは米軍の艦砲射撃のシーンも良くできていて、怪獣特撮以外にも力が入っていて素晴らしかったですね~。
ただ残念だったのが上述のとおりM11が高速で走るシーンの表現がかなり稚拙だったこと。まるでコントを見てるようで笑ってしまいました・・・。
まぁ気になる方はどうぞ本作をご覧になってください。
キャストは前作に比べるといくぶん小粒になった印象なのですが、悪役、脇役、チョイ役の出演者たちが誠に面白いんです。
東宝特撮ではお馴染みの土屋嘉男さんと佐原健二さん、ウルトラマンの黒部進さんと小林昭二さん、当時の人気外国人タレントのチャック・ウィルソンさん、ケント・ギルバートさん、劇中でUFOを解説する本人役の矢追純一さんなどなど・・・。
本筋以外にも誰がどこに出てるのか探す楽しみもあって気の抜けない103分になりましたね!
そういえば山形弁を話さないダニエル・カールさんを初めて見ました。あの人英語しゃべれるんですね(笑)。
”メカ”ってつくだけで心躍るのは何故なんでしょうね~。まだまだ子供の心を失ってないってことなのでしょうか?
まさかキングギドラが悪役から善玉に転生するとは思っていなかったですが、それはさておきサイボーグとして甦ったキングギドラのデザインいいですね~。メカ部分の増量によりゴジラに負けない重量感があっていかにも強そうですよね~。
さて、本作では前作で物足りなかったエンターテイメント要素を強化したことでB級グルメみたいな映画に仕上ってしまった反面、その後の怪獣バトルに重点をおいた平成ゴジラシリーズの方向性を決定づけたエポックな映画であるともいえると思うのです。
ということで今回はここまで。次回乞うご期待!
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