まさか発売日当日に届くとは思ってもみませんでした。というか発売日をすっかり忘れていました。
ついに届きましたよ『テコンV』が!!!え?『テコンV』って何か知らないって?
そういう人のために簡単に説明すると韓国の伝説的ロボットアニメであり、その一方、日本の某ロボットアニメのデザインを流用したかのようなロボットにデザインから”パクリアニメ”の急先鋒を目されているアニメでもあります。
以前書いたブログではもう少し詳しく説明していますので、そちらもドーゾ。
テコンVが岡山でも見られるかも???
なに!?テコンVのDVDが日本で発売!!!
《さてさて早速中身をチェック!!!》
えぇ!これ・・・。パッケージ軽いから期待してなかったケド、なんだろうこの質素な作り・・・。
まぁ作品がメインだからいいのですがね。
ちなみにこのディスクには韓国語版、2010年に日本で劇場公開された日本語版、それに加えバカリズムと遠藤舞(アイドリング!!!)の二人だけによる吹替版と3つのバージョンが収録されています。
一枚で3つおいしいというヤツですな!
韓国語版は近年デジタルリマスターされた際に新録されたもので、1976年当時のものではありません。
ですのでキャスティングなんかも韓国で公開当時とは全然違うんですよね。まぁワタクシ日本人なので気になりませんが・・・。
ところでこのバージョンについてる字幕。なんかヘンです。主人公のフンが「マジで!」とか言ったり、ジェントルマンなユン博士が「テコンVで敵をブチ殺そう」と過激なこと言ったり・・・。
これホントにちゃんと翻訳してるの?まさかネタっぽくしてるワケじゃないよね?
誰か情報ください。
そして、日本語吹替版ですが、2010年の劇場公開時と同じキャストで、主人公フン役には高橋広樹さん、ヒロイン(というかフンのパートナー?)のヨンヒ役にはゆかなさん。この他にも有名な声優さん達が参加しておられます。
それにしても韓国語版のフン役の声の人と高橋さんがソックリだなぁ~。
でも、なんかオープニングのテーマ曲が違うんですケド。というかどっかで聞いたことがある・・・。
あ!そうだ!これだ!!!
流星機ガクセイバーOP
インストゥルメンタルだったから一瞬わからなかったじゃん!
この他にも劇中のBGMも全然違うものに差し替えられてました・・・。
まぁ吹替に加え、このおかげで”日本のアニメ”っぽく見られたのも事実なんですけどね。
ちなみにラストと韓国語版ではちゃんと例のテーマ曲が聞けますのでご安心ください。
BGMが違うとはいえ有名声優さんを起用しただけあって安定感がバツグン!。それにオリジナルにはないナレーションも入っていて分かりやすさも増しています。
この他、セリフも一部改変されて、カープ博士の最期についても印象がだいぶ違うものになっています。
そして、特典のバカリズムと遠藤舞による二人だけの吹替版のほうですが、二人とも意外に上手い。
まぁ日本語字幕をセリフとしてそのまま読んでるので口パクに合ってないところが多かったのは難点ですが・・・。
それに劇場公開用の吹替版とは違うナレーションをつけてあり、これもバカリズムが担当してます。冷静な語り口はまるで「シルシルミシル」。それにこの中で軽いツッコミも入れてくれるので笑わせてくれます。
と、DVDの仕様はこんなところです。初見で見るなら吹替版がいいかもしれないですね。
『テコンV』の素性を知らない人に見せたら”昔の日本のロボットアニメ”って思っちゃうかもね。
《やっぱり初代は憎めない!》
今回改めて『テコンV』を鑑賞したワケですが、やっぱり初代”テコンV”は憎めないです。
でもちゃんと中身を見てみたとき”パクリ”の象徴として忌み嫌われるほどでもないじゃんと思ってしまいました。
確かにテコンVのデザインやギミックはマジンガーに影響を受けています。決して誇れることでもないでしょう。
それでも、この作品から溢れる気合みたいなものには本物のように思います。
きっと韓国のスタッフは「マジンガーみたいなロボットアニメを作りたい!」という想いが強すぎたがゆえに”マジンガー”にクリソツなロボットアニメを作り上げたんじゃないでしょうか?
でも続編はいけません!”安易なパクリ”だらけですからね・・・。続編のために名を汚してしまったんですねぇ・・・。ちょっと切ない。
おっと、もう少し内容にも触れておきましょう。
テコンドーの世界王者のフン青年が世界征服を目論む秘密結社・アカ帝国(やっぱり北を意識しとるね~)に、アカ帝国に殺害された父が開発したテコンVに乗って戦っていくという、コテコテのロボットもの。
さらにアカ帝国の手先のメリー(吹替版ではマリー)というアンドロイド少女がフンとの交流から人間になりたいと願い、それがコテコテのロボットものにちょっと切ない味付けをしてくれています。
そして明かされるアカ帝国の首領マルコムの正体(実はあんまり衝撃的じゃないケド)と迫力のラストバトルが最後まで盛り上げてくれます。
まぁ内容だけ見ているかぎりでは結構面白いですね。正直あんまり日本のロボットアニメと変わりない印象です。(あたりまえですね、モロに影響受けてるんだから)
物語の終盤でエジプトに飛び立つテコンVに世界中から援軍が集まってくるシーンは日本でもよく見られる演出ですが、アツかったですね~。
まぁ援軍は核攻撃しようとする以外なにもしてくれませんが・・・。
それからメリー。このキャラがドラマ部分を牽引していたと思いますが、ちょっと言いたいことが・・・。
人間との交流からの人間側に寝返るアンドロイドって聞くとワタクシはドラえもん映画『のび太と鉄人兵団』のリルルを思い出すのですが、メリーはリルルほど人間と交流しているシーンがないので「人間になりたい!」と言い出すのもすごく唐突に思えるのです。
もうちょっと人間との心の交流を丁寧に描いていてほしかったですね~。
それからヤカンくん。
少年チョルが自宅のヤカンや鍋を改造して身につけて”テコンVの助手ロボット・ヤカンンくん”だと名乗って、テコンVと戦場に赴くワケですが、最高にウザい。
とにかくサムいんですよ。ギャグのつもりでヤカンくんのシーンを描いているのですが、やたらバタバタしてるし、戦闘の邪魔してるし、なおかつ無駄にシーンが長い。
マスコットキャラのつもりでしょうが、必要以上に戦いに介入する彼の必要性を全く感じませんでした。
さて、他の要素にも触れておきましょう。
作画についてですが、作画の見所は序盤テコンドー大会。実写をトレースしただけあってかなり動きます。
それ以外はそんなにレベルが高いシーンもなく・・・・。むしろ度々荒れます!
続いてデザインについてですが、まずキャラクターはタツノコ調の濃いデザイン。でもメイン以外の人物はすごく淡白、というより力を入れてない・・・。
しかもマルコムはどう見てもスポック・・・。もうちょいひねって!
つづいてメカデザイン。テコンVはマジンガーソックリですが、見た目だけでなく胸から光線技(しかも光子力ビーム!)を出すとか機能についてもそっくり。
敵側のメカデザインも鉄人28号や鉄腕アトムに出てきても違和感ないような造形。むしろそれをさらにダサくしたカンジなのですごく弱そう・・・。
マルコムが乗り込む龍型ロボットはオリジナルで凶悪そうなデザインでラストバトルにはぴったりでした(こういうところには製作者の気合が感じられますね~)。でもダサい・・・。
ダサいといえば、フンとヨンヒの服装がペアルックなところはいかがなものか。戦闘中ならいざしらず、ずっと同じ服装でペアルック。
まぁ”針と糸みたいに離れられないアツアツなふたり”ですからね、しょうがないのかもしれませんが・・・。
しかも”V”の字のプリントされたTシャツにパンタロン。ダサすぎる・・・。
ととと、つっこみ入れ始めたら止まんなくなってきました。いやホント、人間って欠点を見つける方が得意なんですね~。改めて実感いたしました。
それにしても穴だらけだよなぁ~。でも憎めない何かがある、そんな作品ですね。
と、まぁそんなカンジです(どんなじゃ!?)。興味のある方は鑑賞してみてください。
きっと憎めなくなりますよ。
このDVDが発売されたことによってこの作品の認知度があがり、なおかつちゃんとした評価も望めるようになりましたね。
これはとてもいいことだと思います。まぁかといって日本人の全員がワタクシのような感想を持つワケではないのですがね。
日本でのDVD発売の次はスパロボ参戦ですか?
これは絶対ないな・・・だって永井先生が怒るから・・・・。
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