最近、マーラーの交響曲9番と10番、クライバーの『ばらの騎士』にはまりかけていて、気づいたことがある。それは、マーラーが死んだのが1911年、『ばらの騎士』の完成が1910年で初演が1911年だということ。
わたしは以前から歴史が好きで、不毛な勉強の象徴のように言われる年代暗記も結構好きだった。(今ではほとんど忘れてしまったけど。)
例えば、1900年はニーチェとオスカー・ワイルドが死んだ年で . . . 本文を読む
たまたま森茉莉の『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』を斜め読みしていたら、「若山富三郎は六代目菊五郎に似た雰囲気を持っている」というくだりに出くわした。
さすがにわたしも六代目菊五郎を実際に見たことはないので、真偽のほどはよくわからないが、実物を見たことのある森茉莉が言っていることだし、彼女の感性の確かさを考えるとあながち見当ハズレとも思えない。
若山富三郎といえば、市川崑の「悪魔の手毬歌」が . . . 本文を読む
台風近づく、東京は豪雨~♪のなか、やっぱり買ってしまった、東京事変の第二弾シングル『遭難』。
ジャケットが『群青日和』に比べるとちょっと派手だったので、曲は地味なのではと想像したが、果たして、前曲より地味めな第一印象。
感じとしては、三枚目のアルバムのテイストかな。
3曲中、2曲は林檎ちゃんの作詞作曲なので、こちらのシングルの方が最近の林檎ワールド全開なのかもしれない。
個人的には「心」と . . . 本文を読む
渡辺保氏のHPの劇評が更新されていた。
なんだかんだでこの人の劇評を読んでいる若い歌舞伎ファンは多い。(斯く言う私もその一人。)
正直なところ、芝居の好みはわたしと違うし、友人も「わたしの贔屓役者(大抵若手俳優!)がケチョンケチョンに書かれた!」などと訴えたりするが、結局のところ皆読んでいる。
なぜかと考えてみると、要するに歌舞伎に関する情報の大半が、素人入門向けか、無闇にややこしいことをい . . . 本文を読む
NHKアーカイブス「影の名優」という番組を観た。(10月17日23:10~NHK第一)
たまたまテレビのチャンネルを変えていたときに気づいて観たため、最初の10分を見逃してしまったが、素晴しい番組だった。
これは1963年のドキュメンタリー番組の再放送で、歌舞伎の名題下(名前の出ない役者)筆頭で隠れた名優坂東八重之助を取材したもの。
わたしもさすがに名前しか知らなかったし、現在では名殺陣師と . . . 本文を読む
いよいよ今日から日本シリーズですね。
西武の先発は松坂で決まりなんでしょうけど、中日の方は落合監督どんな奇策にでることやら?
ところで、巨人以外のチームが日本シリーズにでると、必ず経済効果が低かったとか地味な日本シリーズなどと言い出すマスコミが出てくる。
そもそも経済効果何億円などという数字の根拠は甚だいい加減だ。(もっともすべての経済数値はなんとも怪しげなんだけど。名目GDPや実質GDP、失 . . . 本文を読む
もう十月も半ば。わたしの住んでいる所が老朽化しているせいかもしれないけど、朝晩結構冷える。ここのところ天気もよくなかったし、着る物に困るんですよね、ホント。
ぼちぼちコタツか?
なんか「のだめ」みたいだな…。 . . . 本文を読む
読書の秋というと、カーディガンを着た女性がテラスの藤掛椅子に座って物憂い午後を紅茶を片手に…、なんて調子でやってると白髪もはやく増え、頭もはやくぼけてきて、ろくな歳のとり方をしないに決まってる。(そんな人が世間知らずでオレオレ詐欺なんかに騙されるんだな、きっと。)
椅子から飛び起きて、早足で大股に歩きたいわたしの読書は斜め読みのガンガン読み飛ばしが基本だけど、騙されたくなくて自分の頭で考えるため . . . 本文を読む
ブログをいろいろ覗いてみたけど、今回のヒアリングの顛末に何かイヤ~なものを感じた人も多いようだ。(ホリエモンを支持する、しないに関わらず。)
その何かって、要するに日本社会の至るところで垣間見られる「障壁」ってことか。
コッポラの『タッカー』という映画を思い出してしまった。この映画は、アメリカの自動車産業のメジャー支配に抵抗する素人メーカーの苦心談。日本もアメリカも既得権益を持ってる人達の圧力 . . . 本文を読む
ライブドアってとことん既存のプロ野球経営者に嫌われてるってことなんだろうか?
ライブドアがやっているアダルトサイトがどの程度のものかは知らないが…。
破廉恥っぽいオヤジに限って持ち出す「青少年のための、云々」っていうフレーズに果たして実態があるんだろうか。青少年もオヤジもオバサンもそんなに清く生きてるの?って言いたくなってくる。今日日のガキだってそんなに無知なわけ無いし、そのことは当のオヤジもオ . . . 本文を読む
今朝、たまたま朝のワイドショーを見ていたら(普段はあまり見ないんだけど)、ネット心中の話題が取り上げられていた。
私個人は、売春と自殺は個人意思で行われている限り、本人と近親者の問題であって安易に社会問題にすべきではないと思っている。(但し、経済苦による自殺などは、現在の金融政策や連帯保証人制度に間接的な原因があるわけで、法務省や金融庁の責任は免れないと思うが、これだって、<経済困窮者対策>であ . . . 本文を読む
たまたま本屋で、『私の文章修行』という、各界の人々が自らの文章修業体験を語っている本を立ち読みしていたとき、不意に高名な音楽評論家の吉田秀和氏の文章に出くわした。
驚いたのは、突拍子もないことにあの秀麗なクラシック批評を書く吉田秀和が「相撲で文章を鍛えた」というのである。
相撲好きが高じて始めたことらしいのだが、当初相撲の動きを詳細に記述していたところ、どうも取り組みの実際から遠い表現に感じら . . . 本文を読む
10月8日から有楽町でやっているヴィスコンティ映画祭。
なんだかんだで忙しくて行けそうにない。
台風の日に行った友人の話だと(類は友を呼ぶか?)、その日は流石にそれほどの混雑ではなかったらしいが…。
特に未見の「異邦人」と「疲れきった魔女」が観たかったなあ…。
しかし、フィルムセンターもそうだが、仕事をしてる人間に不利なタイムスケジュールなんですよね。学生時代は特集上映なんか通いまくったもん . . . 本文を読む
たまたまチケット取った日に台風直撃とは…。日頃の行いが悪いということか?
①「井伊大老」
以前も書いたことがあるように、私はいわゆる新歌舞伎が大の苦手。大体、「米百俵」なんていう体制迎合的(小泉迎合的?)な芝居は吉右衛門じゃなかったら意地でも見に行かなかったくらいで…。今回の「井伊大老」も正直困った。
序幕の芝雀の可愛らしい昌子の方は微笑ましいが、侍たちの当時の政治状況を語る説明的な台詞 . . . 本文を読む