映画 「セッション」

久々に出会った、パワフルでエネルギッシュな映画。

パワーやエネルギーと言ってもそれは、兵器や車などではなく、人間の魂、情熱、感情なのだ。

そんなエモーションのぶつかり合いが、親子、師弟、ライバル、男女の間で、大小様々な形でこれでもかと言うほど押し寄せる。

そしてその情熱こそが、全てを切り開くためのきっかけなんだと訴えかける。

多くの人たちは、そのエモーションの中で悩み、翻弄され、自信を失い、挫折し、別の道へと未来を探る。

一般的な人たちの選択なんて殆どそんな物だ。それはそれでそれなりに幸せに暮らせる世の中なのだ。

本作は、それが害なんだと言いたげである。

さて、この映画は、容赦ないエモーションのバトルの中で、突き進むひとりのドラマーを目指す青年と、その師との関係性が見事に描かれている。

「それは、失脚の為に仕組まれたのか？ 挑戦なのか？」

最後の最後まで、引き込まれたまま展開するストーリーに圧倒される。

監督・脚本：デイミアン・チャゼル
音楽：ジャスティン・ハーウィッツ
主演：マイルズ・テラー
Ｊ･Ｋ･シモンズ


公式サイト: http://session.gaga.ne.jp

ビリギャル

偏差値３０から、慶応大学現役入学した実話を基にした映画。
主演は、あまちゃん以降だれよりも売れている有村架純。

この映画、有村人気にのっかったダメダメ日本映画かと思いきや、まったく失礼しました！
といえる、いい脚本、いい役者さん、いい監督の組み合わせでできた映画。

「愛情たっぷりの～」という、触れ込みが２００％その通り！まちがいなし！

家族の愛、友達の愛、先生の愛が、単調じゃなくてしっかりとしたストーリーの中で
描かれていて、雑っぽさも、安っぽさもない。

また、偏差値３０から順調に勉強の楽しさを感じながらも、兄弟、父親との関係で苦しみ、
また、過去問に直面して自信喪失するなどもきちんと描かれていて見ごたえがありました。

慶応合格の実話だから、結末は分かっているはずなのに、合格シーンでは、客先からすすり泣きが聞こえるぐらい、みんなを映画のなかに引き込む魅力ある作品になっていました。


さすがに、主演が有村架純ちゃんだけに、若い人たち連れがおおかったけども
この映画は、家族で、しかも中学生、高校生がいる家族が一緒に見るべき映画だと思います。


これはお勧めできます。

公式サイト→http://birigal-movie.jp/index.html

監督は「いま会いに行きます」の土居裕泰さん。

監督：土井裕泰
脚本：橋本裕志
主演：有村架純、伊藤淳史
　　　吉田羊、田中哲司、安田顕、あがた森魚、野村周平

龍三と七人の子分たち

北野武監督の娯楽映画。

いままでのバイオレンス凶悪やくざ映画でも、叙情的な映画でもない、単純な純日本娯楽映画がこれ。

まあ、言ってみればこれまで北野武、というかビートたけしが繰り出してきた笑いネタの数々をそのまんま映画にしたといっていい超笑える楽しめる作品。

昭和30年代の人たちなら分かるが、フジテレビのかくし芸大会の、ハナ肇さんと同じように、なんとあの中尾彬さんがめちゃくちゃいじられているのがすごい。

藤竜也さん、近藤正臣さん、中尾彬さんなどなど日本映画でのポジションを考えれば、ありえない芝居をやってくれていて本当に楽しめました。ジジイ最高の映画です。


笑いたい人は是非。

公式サイト→http://www.ryuzo7.jp/


監督・脚本・編集：北野武
主演：藤竜也、近藤正臣
　　　中尾彬、品川徹、樋浦勉、伊藤幸純、吉澤健、小野寺昭ほか