市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

『放射線について考えてみよう』

2012-04-05 | エネルギー
昨日(4月4日)、県の放射性物質モニタリング検査の結果、市原産たけのこから新基準値100Bq/㎏を超える110Bq/㎏の値が検出されました。サンプル採取地は市原市片又木です。
これにより、市内全域のたけのこの出荷が制限されます。
出荷制限の解除は、出荷制限通告日から1カ月以降に、3か所以上の検査結果が基準値を下回ることが条件。
しかし、たけのこの収穫期間は短いため、今シーズンの出荷制限解除は事実上困難です。

ちょうど先日の市民ネットの会議で、オープンしたばかりのちば市民放射能測定室「しらべル」に、さっそく農産物を持って行って調べてもらおうということになり、
「たけのこが心配だから、サンプルにたけのこを持っていこう」と話しあったところでした。
セシウムは土壌ととても結びつきやすい性質を持っているということを、改めて実感させられました。
新基準値適用後、全国初の超過事例となってしまい、何とも残念です。



ところで、
放射線についての副読本が文科省から発行されていること、皆さんご存知ですか?
全国の小・中・高等学校や公民館・図書館に配布され、新年度から子供への教育に利用されます。

私も教育委員会から教師用解説編をいただいてきました。
小・中・高のレベル別に3種類あります。


さっそく読んでみましたが・・・

1ページ目の植物などから出る自然放射線の話から始まって、
医療をはじめ産業分野への放射線利用などのベネフィット(便益)が強調されている割には、リスクに関する記述があまりにも少ない・・・。
レントゲン博士やキュリー夫妻などの放射線発見の歴史は教えても、ヒロシマ・ナガサキやチェルノブイリ、ましてやフクシマの負の歴史は封印するのか・・・。
人体への影響も、「100ミリシーベルト以下の低放射線量と病気との関係は明確な証拠はない」としているし、子どもへの影響の大きさについて述べられていません。

これで「放射線から身を守る方法」を教えられても、子供たちには全くピンとこないのでは?


この副読本、皆さんも一度ご覧になってみてください。
公民館に行けば実物が置いてありますし、こちらからも見ることができます。

小学生用「放射線について考えてみよう」
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2011/11/04/1313005_01_2.pdf
中学生用「知ることから始めよう 放射線のいろいろ」
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2011/11/04/1313005_04_1.pdf
高校生用「知っておきたい 放射線のこと」
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2011/11/04/1313005_09_1.pdf

小・中学校でこの副読本をどのように扱い、どのように児童生徒に教えるかは、各自治体の教育委員会に任されています。
さっそく市原市教育委員会に方針を訪ねてみようと思います。

第一回なでしこ会視察

2011-12-25 | エネルギー
一年生議員で結成した同期会「なでしこ会」の初視察。
東京電力・姉崎火力発電所へ行ってきました。

写真をたくさん撮りたかったのですが、撮影NGということで、門の外からの一枚です。



これではよくわかりませんね。煙突が遥か彼方に見えます。
何しろ敷地面積は100万平方キロメートル、東京ドーム20個分なのだそうです。

昭和42年に一号機が運転を開始して以来、現在はLPG、LNG、重原油の三種類の原料をを使用して、6号機まで計360万キロワットの電力を供給しています。
震災時は、太平洋側の火力発電所(鹿島・広野・常陸那珂など)も大きな被害を受け、直後は全体の4割も供給量がダウンしてしまいました。
一時は盛夏の計画停電が心配されましたが、何とか無事に回避されましたね。
回避に至るまでには、火力発電所の復旧や運転再開、緊急電源の新設や自家発電の購入など、企業努力ももちろんありましたが、国民の節電行動が大きく貢献したことは間違いないようです。
敷地内には、韓国の現代重工業から無償で提供されたディーゼルエンジンも設置されてありました。こうした外国からの援助も、決して忘れてはなりません。

ちなみにこの冬の電力供給、
昨年度の冬の最大消費電力5,150万キロワットよりも、220~340万キロワットの余裕をもって確保できる見込みだそうです。
供給不足の心配はせずに済みそうです。


さて、第一回なでしこ会視察・勉強会は、後に続けての忘年会をもって、盛会のうちに締めくくられました。
お互い激動の一年だったね、選挙よく戦ったね、とねぎらいあいました。
言いたいことも気軽に言いやすいのが同期のいいところですね。

なでしこ会の視察・勉強会は、6名のメンバーが持ち回りで企画を担当。年の若い順にということで、第一回目の今回は吉田議員でした。
次回は不肖ワタクシです。どうしようかな。迷うけど、楽しみ♪

原発はいらない

2011-10-18 | エネルギー
昨日は
市民ネット事務所にて行われた「暮らしの中の放射能を考える会」に出席しました。

二回目となる今回は、メンバーの皆さんが思い思いの資料や情報を持ち寄り、
それらをもとに活発な意見交換がなされました。

「小さい子どもの被曝が心配」
「議論しているだけでは意味がない。何か具体的にできることはないのか」

などなど、それぞれの立場からの真剣な思いが交錯し、
中身の濃いお話をたくさん伺うことができました。

そのなかで、メンバーの若いお母さんが、
「私がいつもチェックしているサイトです。情報がとてもわかりやすくまとめられてありますよ」
と教えて下さったインターネットのサイト。

『SAVE CHILD』
http://savechild.net/

私も家に帰ってさっそく覗いてみました。

情報量の豊富さ、早さ、見やすさが想像以上でビックリ!
興味深い記事や最新情報が満載で、閲覧が止まりません(^_^;)

例えば、紹介されていたこんな動画に目が釘付け。


これは、
平成17年12月25日に行われた、佐賀県主催プルサーマル公開討論会での発言です。
ここに登場する東大教授の発言は、今さら論評するにも値しないほどひどいものなのですが、
それ以上に
会場からわき起こる東大教授に対する賞賛の拍手と、
その一方で真摯に反論する小出教授に浴びせられる冷笑・・・
これは本当にゾッとしました。


折しも今日は、市民ネットの仲間と、
国分寺台のスーパー「せんどう」で脱原発の街頭署名を行ったところです。

あの当時、私たちは孤軍奮闘する小出教授の力になることはできませんでしたが、
不幸にして事故が起きてしまった今となっては、
自分たちができることから一歩一歩取り組んでいくしかありません。

お買い物中に立ち止まって署名して下さった皆さま、本当にありがとうございました!

「脱原発」を考える

2011-08-21 | エネルギー
昨日から急に涼しくなりましたね!

ちょうど信州安曇野に旅立った岡村さんから、
「羽織るものが買いたいから、松本駅近くのお店を教えて」とメールが入りました。
あちらはそれでなくても朝晩は冷え込むので、気温の変化には充分気を付けてゆっくり静養してきてほしいものです。

さて、私はと言えば、今日は学習会に参加してきました。

「『脱原発』は可能だ」
講師は、原田裕史さん(たんぽぽ舎)です。

たんぽぽ舎は、チェルノブイリの事故をきっかけに、
東京都千代田区において都や区の公務員と市民とで設立された団体です。
原発や核兵器の廃止をめざして多面的に活動しています。

本当に原発がなければ電気は足りないのか?
本当に原発はコストが安くてクリーンな発電なのか?

という疑問に、資料を使って明快に解説して頂きました。

結論を言ってしまうと、
電力は、原発をやめても、急いで代替エネルギーを開発せずとも火力発電でも十分まかなえるし
(もちろん、将来的には代替エネルギーの開発・普及は必要ですが)、
原発はウランを濃縮して燃料にする過程でCO2を排出するのでクリーンではないし、
安全管理や廃棄物処理などを含めると、低コストでもない。

原発を進めてきた政府や電力会社のキャンペーンに乗せられて、
「原発は確かに怖いけど、まあ必要悪ね」と思いこまされないよう、気を付けないといけません。

さらに、放射能による被害は
1)急性的・慢性的健康被害
2)ストレスによる被害
3)風評被害・差別被害
などが積み重なっているため、問題はより複雑で深刻です。

でも、わかってはいても、
泊原発の営業運転再開にもみられるように、
原発によってまるごと支えられている地域では、暮らしと核があまりにも近すぎて「脱原発」と簡単には言えません。
一回依存したら離れられなくなる、麻薬のようなものなのでしょうか・・・
私たちも、ただ「原発いらない」と叫ぶのではなく、
原発なくしてその地域をどのように自立させていくか、ということも考えなければならないと思いました。

原田さんが、

「原発は、土地に愛着がある人たちが多い地域に作られている。
だから、事故が起こってもなかなか土地を捨てられず、地域のために原発も捨てられない。
もし仮に新しく原発を作るなら、都会のど真ん中にすればいい。
事故が起こっても、都会なら住民は未練なくさっさと離れられるから」

と冗談めかして言われた言葉が、印象に残りました。

セルフコントロールを手に入れる

2011-07-27 | エネルギー
脱原発と地方自治」というセミナーに参加してきました。

今年4月に脱原発を掲げて世田谷区長となられた保坂展人さんと、
集英社で「週刊プレイボーイ」、「イミダス」などの編集長を経て現在はフリーの編集者・ライターでらっしゃる鈴木耕さん
旧知の仲というお二人の、対談形式でした。



エネルギー政策という国レベルの課題に対して、
脱原発に向かうべく、原発のない地域ができること・すべきことは何だろうか?
そんなとても興味をそそられる内容でした。

現在、「原発停止で電気が足りない」と日本中が節電対策に躍起になっています。
区民からも、「節電のためには盆踊り大会を自粛した方がいいか?」と問い合わせがあり、
よくよく聞いたらそこは自家発電だったという笑い話もあったそうです。

しかし、保坂さんは、「そうは言うけど、本当に足りないの?」という疑問から、
区のHPに東京23区の前日の電力使用量をUPするようにしました。
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/020/pdf/35118_1.pdf

東電側は最初このような区域ごとのデータを出したがらず、
何度か交渉の末やっと提供されたのだそうです。
グラフによると、東京23区では、削減目標を難なくクリアーしていることがわかります。

放射能汚染問題にしてもそうですが、
あらゆるデータや情報を自分たちが手にすることで余計な心配や不安を抱かずに済みますし、
相手の論理に一方的に丸め込まれずに冷静に対処することが可能になります。
情報を手にする」ことは、「セルフコントロールを手に入れる」ことにもつながる、
そしてこのことが脱原発への第一歩だと、保坂さんは強調しておられました。

その他、世田谷区の放射能汚染問題対策や災害避難者への支援の実践例として、

・学校給食の食材の産地表示

・学校給食の牛乳の放射能測定

・区内のボランティア団体の連絡会の立ち上げ

・区へ避難された方を対象とする交流会の開催

・民間に提供してもらった賃貸住宅を応急仮設住宅へ(題して『居ながらボランティア』)

などの提示もありました。


福島県南相馬市は、自然エネルギーへの転換をはかることで地域再生を目指すと表明しました。
その他、
長野県飯田市の市民ファンドによる太陽光発電の普及
生活クラブの風車建設によるエネルギー自給運動 など、
日本のあちらこちらで脱原発への取り組みが生まれています。
このような、地域の取り組みの点が、線となり面となって国を動かしていくのだろうと思います。

地方にはできないのではなく、地方だからできることがたくさんあるのだと、
今回の大震災や原発事故は教えています。

皆さんの応援が励みになっています


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