先日開催された「
千葉市図書館・公民館フォーラム」。
主催は当フォーラム実行委員会、共催は「としょかんふれんず千葉市」と「千葉市公民館を考える会」。
千葉市の図書館や公民館は今のところ共に直営ですが、民営化や統廃合、有料化などが検討されており、このことに疑問を投げかける市民の声は日増しに高まっているようです。
この日の基調講演は、なんと
片山善博氏(慶応義塾大学法学部教授)と超豪華!
片山氏と言えば、元鳥取県知事・総務大臣で地方自治のエキスパート。図書館を「まちづくり」の拠点と位置付け、図書館振興に尽力されていることでも知られています。その方のお話が聞けるということもあって、会場はぎっしり超満員。
基調講演の後のシンポジウムも、片山氏はじめ立命館大学文学部教授や千葉市図書館で司書を務める方の現場の声、そして市民の生の声も聞けて、とても充実した内容でした。
図書館の民営化と言えば、あのレンタル店「
TSUTAYA」を展開する会社が管理運営する
佐賀県武雄市の図書館が有名ですが、社会教育施設である図書館を民営化することに対しては賛否両論渦巻いています。
市原市では現在、公民館は各地区で組織された運営協議会に管理運営が委託され、図書館はまさに民間への委託を検討中。
そんなこともあって、市原市の図書館や公民館はどうあるべきか、何かヒントがもらえれば・・・とお隣千葉市のフォーラムへの参加を申し込んだのですが、思っていた以上に収穫がありました。自分の考えがだいぶ整理された気がします。
この他に、私がこのフォーラムを通じて改めて見直した図書館の機能について、皆さんにもぜひ知っておいていただきたいことをひとつ(^.^)。
図書館って、単に読書したり本を借りたりするだけの施設ではないんですね。
私たちが日常のなかで疑問に思ったこと、調べたいことに対して、必要な情報の提供や学習活動のお手伝いをするサービス(「
レファレンスサービス」)も、図書館の大きな役目の一つなんです。
例えばどんな疑問に応えてくれるのか?
市原市立図書館のレファレンス事例集を見ると・・・
・Q 千葉県の昔の呼び方は、なぜ上部が下総で下部が上総なのか?(10代学生)
A 『日本の地名が分かる事典』日本実業出版社 ※海路で京都(都)に近いほうが上総。上越・下越も同じ理由
・Q 姉崎妙経寺に小林一茶が来たことがあるということだが、そのときの様子が書いてある資料は?また妙経寺の場所が知りたい(60代・男性)
A 『姉崎ゆかりの人物』市原市地方史研究連絡協議会
・Q 安来節の踊り方について調べたい(20代・女性)
A 『日本の民謡集 全曲降り付き17』日本コロンビア カセットにあり
・Q 花田岳葉という詩人の作品〝桂川情歌〟〝蘇生ぶれなる〟という詩について知りたい。またこの人の理念や思想について調べたい。(50代・女性)
A 1.『歌枕歌ことば事典』等探したが見当たらず
2.千葉県立図書館にレファレンス依頼
3.回答 花田岳葉→苑田岳葉と思われ、連城三紀彦の著作『戻り川心中』の主人公で架空の人物と思われる。
スゴイでしょ?事例集はHPに載っていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
私はこれを見て「え、こんなことまで調べてくれるの?資料探してくれるの?」とかなりビックリしてしまいました。
市民の知識・情報を豊かにするためのお手伝いをタダで受けられるのですから、これは利用しない手はないですよね。
実は私、恥ずかしながら忙しいことを理由に最近図書館とはすっかりご無沙汰していました。でも、これからどんどん利用させてもらおうと思っています。
何しろ立場上、調べ物は日常茶飯事ですからね(^_-)。