市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

薬剤師の未来は

2014-07-31 | くすり
今日も、地域の声を聞いたり事務所で会議に出席したりとあちこち飛び回った一日。教育長とも面談させていただきました。
市原市はこの夏、現在開かれている全国高校総体のアーチェリー競技の会場で、近々高円宮妃が「お成り」になることに加え、東海大学付属望洋高校の市内初の夏の甲子園出場が決定したばかりです。
教育長もお忙しいながらも「嬉しいイレギュラーがダブルで舞い込んでしまって」と、終始笑顔でした。


さて、夜は千葉市で開かれた「千葉県薬剤師連盟 みらいフォーラム21」の学習会に参加。

厚労省は薬剤師に何をさせたいか?
今後の薬剤師はどう変わる?
というテーマで、薬学博士の藤井基之参議院議員にお話を伺いました。



現在世間を騒がせている危険ドラッグ(脱法ハーブ)や医薬品のインターネット販売など、興味深いトピックスはたくさんあったのですが、私が藤井先生のお話全体を通して最も印象に残ったのは、日本では、政府を含めた社会における薬剤師に対する認識が、まだまだ「医療従事者」ではなく「クスリの調剤者あるいは販売者」という域を出ていない、ということでした。
セルフメディケーションの推進や病院中心から在宅中心の医療へと政府が舵を切る中、今後の薬剤師のあり方も大きく変えていかなければなりません。
特に、今年の4月から薬局などでの自己採血検査が認められるようになったのは、大きな転機です。地域の薬局が住民の保健拠点として重要な役割を担うことが期待されるところです。

もともと薬剤師は「政治に疎い」と言われているようで、藤井先生もかなり忸怩たる思いがあるようです。
そもそも、今日のテーマ「国が薬剤師に何をさせたいか」ではダメで、「我々薬剤師が国に何を求めていくのか、あるいは何をしたいのか」という視点で、もっと自ら声を挙げていかなければならない、と盛んに檄を飛ばされていました。

「きりかぶ」夏休みのイベント

2014-07-29 | キャラバン隊
昨日のサマースクールに続いて、夏休み企画・第2弾。

今日は、重症心身障害児の保護者によるボランティアグループ「きりかぶ」のイベントにお邪魔しました。
「きりかぶ」については以前ブログに書きましたので、是非こちらもご覧ください。⇒ 「『きりかぶ』のように

夏休みで家に閉じこもりがちな重度の肢体不自由の子供たちやお母さんたちのリフレッシュのために、サンハートでのイベントが何回か企画されています。今日のメニューは「ムーブメント」です。

親子で輪になって自己紹介の後、さっそく体操に移ります。


輪の中央で指導に当たるのは、今日の講師の上智大学准教授・吉田美和子先生。

体をさすったり手足を動かしてあげたりすることで、身体意識が育ちます。

次に、部屋いっぱいに様々な遊びのコーナーを作り、親子が自由に移動しながら遊びます。

天の川には色とりどりの魚がつるされています。手を伸ばす子、じっと見つめる子・・・。


ボールプール


狭くて暗い空間に、光がチラチラ。子供はこんな場所も大好きです。


トランポリンは、感覚刺激にとても有効なのだそうです。お友達同士で見つめあってますね。


大人が上に載ってユサユサ大きく揺らしてあげると・・・

この笑顔!!


そのあとバギーに乗って再び輪になり、「恋するフォーチューンクッキー」を踊り・・・


最後は吉田先生の講義。実に盛りだくさんの内容です。

私たちキャラバン隊いちょうの公演のヒントにもなるような、とても興味深い講義でした。

今日は、約15組の親子に加え、千葉労災看護専門学校の生徒たちを含む大勢のボランティアも参加していました。バギーでかなり面積を取るので、今後参加者が増えればもっと広々とした場所を確保しなければならないでしょうが、それも嬉しい悲鳴です。
それにしても、これだけの密度の濃いイベントを企画運営した「きりかぶ」のお母さんたちには頭が下がります。

だってホラ、見てください。

バギーに大きなバッグを3つも4つもつるし、経管栄養や吸引器、酸素吸入などなど、たくさんの機器も準備。
たとえわずかな時間の外出でも、これだけの装備が必要なのです。

それでも、わが子に少しでも社会の空気を味わわせてあげたい、他人と触れ合うことが必ずわが子の成長につながる、と前向きに頑張るお母さんたち。

私が一人のお母さんに「写真にお子さんのお顔が写ってもいいですか?」
と尋ねたとき、明るくさらりと返してくれた言葉は
「もちろんかまいませんよ。どこに出しても恥ずかしくない子ですから

私は、そんな彼女たちやその子供たちのありのままの姿を、もっともっとたくさんの人に知ってもらいたいと思いました。

サマースクールとツルとカメ

2014-07-29 | お知らせ
梅雨もあけて、夏らしい日が続いていますね(^.^)
今日は、市内2か所を訪ねました。

まず、外国人の小中学生のためのセミナー「サマースクール」。

市原市国際交流協会が毎年夏休みを利用して開いている行事で、日本語が苦手な子供たちが、ボランティアの方々に日本語や夏休みの宿題を教わったり、皆でレクレーションを楽しんだりして過ごします。
場所はYOUホールで、お昼を挟んで約6時間、今日と明日の二日間にわたって開かれています。

今年は子どもは約30名、ボランティアの皆さんは約20名の参加です。
今年から送迎サービスを行うよう配慮したところ、申し込みがだいぶ増えたのだそうです。

こちらは小学校高学年の子どもたち。




たとえ日常会話は上手でも、学習言語となると話は別で、宿題やテストでつまずく子供がとても多いのだそうです。
特に高校受験が視野に入る中学生にとっては深刻な問題で、メンタル面も含めての手厚い支援はまだまだ必要だと感じました。


お楽しみの昼食は調理室で。
今日のメニューは、ボランティアの方々の手作りの焼きそば♪




それにしても、ボランティアの皆さんの熱心な活動には本当に頭が下がります。


さて、
もう1か所は鶴舞の県循環器病センター隣にある高齢者施設、介護老人保健施設・クレイン特別養護老人ホーム・トータスへ。鶴舞のツル(クレイン)とカメ(トータス)というネーミングが洒落てますね(^.^)。
施設は自然に囲まれたリゾート地のような素晴らしい環境にあり、どちらもビックリするほど広々として明るい屋内でした。

こちらはクレイン。


施設長で県循環器病センター名誉センター長でらっしゃる中村先生の診察にも、少し立ち会わせていただきました。


こちらはトータス。眺望抜群の環境です。


全室個室・ユニットケア。


敷地内には、デイサービス用の天然温泉の施設もあります。これはお年寄りには嬉しいですね。


木材をふんだんに使った浴室。ドアの向こうには露天風呂も!


敷地内には地域包括支援センターも備え、介護福祉環境は申し分ありません。おまけにすぐ隣に県立病院も控えていることから、先日私が尾道での視察で学んだ医療と介護の連携「地域包括ケアシステム」が実現しやすい環境にあると感じました。


余談ですが・・・
実は、この施設を案内してくださった理事長の三好敏弘さんは芸術家でもあり、以前私が偶然立ち寄った上総更科美術館で見た「サティ列車」の仕掛け人でもあるのです。(サティ列車については、こちらのブログ記事へ ⇒ 「ああ、もったいない・・・」)
その時からぜひ一度お会いしたいと思っていたので、今日は念願かなって大満足でした!

三好理事長と。

7月27日の活動から

2014-07-27 | イベント
今日も暑い1日でした。暑いほどに元気になる私(笑)。

バリアフリースポーツ教室10周年記念 ボッチャ大会
約150名の参加のもと、姉崎保健福祉センター(アネッサ)の体育館で行われました。




障がい者が地域で当たり前にスポーツを楽しめるようにと、10年間もボランティアで活動されてきた関係者の皆さんのご苦労は、並大抵のものではなかったと思います。ボッチャという競技が、今後は障がい者だけではなく、一般の人々にも広く浸透していくことを願っています。

大会は午後も続いたのですが、私はお昼頃失礼してユニオン市原の執行委員会にちょこっとだけ顔をだし、
その後急いで千種コミュニティーセンターへ。

市民ネット主催のイベント連続講座「体の声を聞いていますか?」。
5回目を数える今回のテーマは「はじめての自力整体」です。


講師は真栄城啓吾さん(自力整体整食整神法 ナビゲーター)。市原市や千葉市で教室を開いてらっしゃいます。
他人から受ける整体ではなく、自分で自分の体を点検し自分の力で整えていく方法を教えていただきました。

でも、自分で自分の体に向き合うのはある意味コワい。
右よりも左の方が曲がらない! とか、隣の人はあんなに曲げられるのに私は曲がらない!・・・などなど、
出来れば誤魔化してやり過ごしたい自分の体を、直視せざるを得なくなるから(^_^;)。

さて、約1時間の講座の後は、ティータイム。
健康に関する話題から、クスリのこと、原発のことなど、話題はどんどん広がりました。



最も話題が盛り上がったのは、このところマスコミを賑わせた地方議会や地方議員の不祥事について。
特にセクハラ野次問題に関連して、やっぱりもっと女性議員の数が増えないとね、と集まった女性たちの意見は一致しました。

「でも、そもそも女性よりも男性の方が政治に興味・関心があるから、男性議員が多いのは仕方ないのかもしれない」
との声もありましたが、政治とはなにも都市計画や建築、経済問題、あるいは法律が絡むようなことばかりではありません。
子育てや介護、教育、消費者問題、ゴミ問題などなど、女性にとって日常生活に密着したあらゆる事柄がイコール「政治」なのです。
女性ならではの生活者の声をもっともっと素直に上げていかなければ、絶対に社会は変わりません。

夏と言えばコレ!

2014-07-27 | イベント
あ~シアワセ。今日は夏を満喫しました。
夏と言えばもちろん、お祭りです。


まずは市原特別支援学校PTA主催の夏祭り。

恒例の、生徒や先生方によるバンド演奏


おやじの会は飲み物販売やヨーヨー釣りで、こちらも毎回大活躍!


体育館の中は気温と熱気で蒸し風呂のような暑さ。
でも私は個人的に、こういうムンムンした感じがたまらなく好きなのです!(ちょっと変わってますか?)


次は辰巳萬緑苑(特養)・彩風苑(ケアハウス)の夏祭り





今年で開催31回目を数えました。
施設の職員はもちろん、地域の様々な団体の皆さんの努力で、すっかり辰己地区の夏の風物詩として定着しています。


そして最後に友人と向かったのは、牛久商店街で開催されている「牛久八坂祭り」。





う~ん、血沸き肉躍る(笑)。
八坂祭りは、江戸時代から続く伝統あるお祭りです。
立派な山車が3台も出て、それぞれの山車の上で繰り広げられる囃子の迫力がものすごいんです。
若者を中心に、大勢の人出で賑わっていました。


屋台でかき氷。あ~、ホントにシアワセ(^.^)。

市民政治ネット全国集会3 ユニバーサル就労

2014-07-23 | 労働
ユニバーサル就労」って言葉、皆さんご存知ですか?

これは、昨日のブログでご紹介した生活クラブ風の村の事業の一つで、障害がある人・妊婦さん・引きこもりの若者・リタイヤした高齢者・ホームレス・・・などなど、誰にとっても働きやすく、働きがいのあるユニバーサルな職場環境を提供する取り組みです。
まずは本人の希望を聞きながら、一人一人のニーズに合わせて業務を抽出し、通常の雇用形態にとらわれず、例えば短時間や週1回からなど、多様な働き方を提案します。
報酬も段階があって、ボランティアの「無償コミューター」、月1万~6万ぐらいの「有償コミューター」、最低賃金程度の雇用、一般賃金での雇用、と段階があります。

企業がユニバーサル就労を導入しようとする場合に肝となるのが、業務分解です。
介護の仕事を例にとると、職員の仕事は朝の出社から始まり、利用者の着替え、歯磨き、トイレ介助、お茶くみ、食事の配下膳、食事介助、見守り、シーツ交換、床掃除、トイレ掃除、布団干し、ゴミ出し、車での送迎、入浴介助、記録・・・と実に様々に分解されます。
これらを「人と接する仕事」「力を使う仕事」「PCを使う仕事」などと分類し、ユニバーサル就労の方にマッチングさせていきます。
職員は業務が減った分、他の仕事ができるという訳です。
このことで、業務全体が整理され、効率化を図ることができます。ユニバーサル就労を導入することで、職場の質も向上するのです。
その他ユニバーサル就労に関する詳しい説明は、こちらなどを参照ください(^.^)
ユニバーサル就労

ところで昨年12月、生活困窮者自立支援法が成立しました。
これは、生活保護の増加を食い止めるために、生活困窮者に対して自立支援を行う事を定めたものですが、この法に掲げられている「就労訓練事業(中間的就労)」は、何と生活クラブ風の村のユニバーサル就労の取り組みがモデルになったと言われているのです。
もちろんユニバーサル就労の取り組み自体は以前から聞いていたのですが、今回、改めて稲毛ビレッジの視察中に担当者から説明を伺って初めてこのことを知り、かなりビックリしてしまいました。

ガンガン働ける人だけが儲けることができて格差が広がっていく社会よりも、すべての人がその人なりの働き方で社会に貢献し、それなりに賃金を得られる安心社会の方が、私はいいと思うのです。
こんな仕組みが千葉から生まれた事に対し、少し誇らしい気持ちがしました。

政治市民ネット全国集会では、この他各地域のネットからの議会改革に関する事例発表もとても興味深いものばかりでしたし、分科会では「環境バスツアー」も組まれ、目的地は何と市原市の残土・産廃現場でした。案内人はもちろん、山本友子県議です。
初めて見る人たちには、かなりショッキングな風景だったようですよ(^_^;)

写真は1日目の夜に開かれた懇親会にて

セクハラ野次発言もなんのその!女性パワー炸裂!!

前に並んで挨拶しているのは、信州・生活者ネットワークの皆さん。総勢17名もの参加でした。


私の故郷の信州・生活者ネットワーク松本は、現在代理人(政治ネットでは、議員を「代理人」と呼んでいます)はまだ誕生していませんが、明るく前向きに夢を語る彼女たちの笑顔は、初のネット出身議員が松本に誕生するのもそう遠くないと感じさせるに十分でした。

とにかく学びの多かった二日間。そして、女性は本当に真面目で芯が強い、つくづくそう感じた二日間。
企画から準備・当日の運営にと、汗を流してくださった市民ネット千葉県の運営委員の皆さん、本当にお疲れ様でした!

市民政治ネット全国集会2 福祉バスツアー

2014-07-22 | 高齢者
「全国政治市民ネットワーク 全国交流集会2014。二日目は、5つの分科会に分かれての研修でした。

私は、福祉バスツアーの分科会を希望。
視察先は、社会福祉法人生活クラブ風の村が管理運営する介護ステーション八街生活クラブ稲毛ビレッジ虹と風です。

八街市の自然豊かな森の中にある介護ステーション八街。


2000年に開設された、全国初の全室個室ユニットケアの特養です。
コンセプトは、「もうひとつの我が家」。
職員自身が終の棲家にしたいと思えるような居場所づくりを常に心がけています。



一ユニットごとに、広い共有スペースとキッチンがあります。


もちろんトイレは車いすから楽に移乗できるよう横向きです。手すりだけだと握力がないと使えないので、手やひじを支えられるようにテーブルも設置されています。


こちらから先は、地域交流スペースとして設置された喫茶につながっています。残念ながらこの日は休みでした。

子ども連れの若いママたちも、よくランチに訪れるのだそうです。


そしてこちらは、次に向かった稲毛ビレッジ。


UR団地の再生事業で、生活クラブ千葉グループの5団体が運営しています。古い団地が、生活と福祉のサービス拠点として見事に生まれ変わりました。
ビレッジは、主に生活利便機能を備えた「虹の街」と、福祉サービスを提供する「風の村」の2つの棟から構成されています。

「風の村」には、サービス付き高齢者向け住宅、ショートステイ、デイサービス、訪問看護サービス、診療所、障がい児・者日中活動支援事業などが集まっています。
ショートステイ内のホール。椅子は、体格に合わせて3種類の高さを用意しています。
座った時に足の裏がきちんと地面についていることが脳の働きに大事なのだそうです。






一方「虹の街」には、生協や福祉用具の店舗や地域交流スペース、カフェなど、地域住民の生活に密着した施設が集まっていました。
自分の住まいの近くにこんな施設があったら・・・と誰もが思うような、すばらしい複合施設でした。

地方分権をとり戻す

2014-07-20 | 議会
1年おきに開催される「全国市民政治ネットワーク 全国交流集会」。
例えば私たち市民ネットワーク千葉県のように、国政政党ではないけれど、地域の生活者・特に女性の声を社会に活かすべく活動している地域政党。その全国各地のメンバーが、今年は千葉市に集結しました。
スキルアップや情報交換・交流を目的として、7月19日・20日の二日間にわたる、市民ネットらしい密度の濃いスケジュールでした。

会場は予想を上回る170名以上の参加者でギッシリ。


実は私たち市原勢、会場に着くなり「椅子が足りないから、前のアリーナ席へどうぞ!」と案内されたんです。
それがこちら。床に毛布・座布団のゴキゲンなアリーナ席。

花火大会かお花見か?とも見えなくもない・・・(^_^;)


ともかく二日間とも充実度バツグンで、とても一度に書ききれません。
今日はとりあえず、1日目の第1部・基調講演のみ報告しますね。

かぶりつきで聴いた基調講演。
地方分権をとり戻す」 演者は元我孫子市長で消費者庁長官を務められた、中央学院大学教授福島浩彦氏。


以前私はブログで、セミナーや講演を松竹梅で勝手にランク付けしていると書いたことがありましたが、これはもう松も松、特松でした!!
心に響いた福嶋氏の言葉を必死でノートに書きとめていたら、ギッシリ6ページにも及ぶほどに。

例えば・・・

地方自治について

「地方自治体と国の行政機関、両方の責任者を務めて痛切に思ったこと、それは『社会を本当に変えたかったら地方からでしかない』ということです。徹底して生活者である市民一人一人から出発する、それが自治です」

「人口が拡大している時は、例えば国の補助金を使って施設を建てるなど、国の成長戦略に乗っかっていれば地方はうまくいっていた。ところが、縮小していくときは、地方の住民が自分たちで考える(自治)事が必要。
人口が増えないと成り立たないような仕組みのまま『人口増やします』と言っている自治体ほど人口は減る。人口が減ることを逆に活かして、どういい社会を作っていくかという視点が大切」

「2000年の地方分権改革のあと、地方自治が一向に進まないのはなぜか。国が権利を離したいからではなく、地方が責任から逃げようとしているからだ。例えば私が消費者庁長官時代、道路特定財源が一般財源化された。その時、全国市長会や議長会が、国交省に対し特定財源へ戻すよう要求した。でも、これはおかしい話で、本来なら、道路にしか使えないお金(特定財源)が自由に使えるお金(一般財源)になるのだから、喜ぶべきこと。これは、自分たちがお金の使い道に責任を取りたくないからではないか。『分権(権利を与えられる)』イコール『責任を取る』ということである」

住民参加について

「自治の土台は直接民主主義。ただし、政策全てを住民が直接決めていてはらちが明かないので、普段は首長と議会に託しているだけ」

「パブリックコメントは一部の限られた反対意見を持つ人々に偏ることが多いが、反対意見ときちんと向き合うことはとても大切。これによって行政は鍛えられる」

「我孫子市長時代、市の予算案の編成過程を全国で初めてすべて公開した。各部局の予算要求から査定で何が削られ、何に配分されていくか、完全に「見える化」し、パブリックコメントも募集した。これによって、市民はまちづくりの優先度や方向性を知ることができる」

議会と議会基本条例について



「議会の役目は行政の監視機関だけではない。大事なのは合議制の意思決定機関であるということ。首長は一人しかいないから、自分の支持者や利益で働くことは一瞬でもあってはならない。常にすべての市民にとっての利益を考え行動する。しかし、議員は複数いるので、初めは自分の支持者の意見から出発してもいい。しかし、それらを議員同士できちんと議論し、合意を形成していかなければならない。残念ながら、これまで多くの議会では各々の要求を行政に伝えるだけで終わっていた」

「議会基本条例は、憲法のようなもの。市民が議員を縛るためのものであって、議員の権限を確立するためのものではない。例えば、請願や陳情の審査について『必要に応じて提案者の意見を聞くことができる』と条例に定めている議会が多いが、これではダメ。議会が『聞くことができる』のではなく、市民が『意見を述べる権利がある』と定めるのが筋である」

さて、わが市原市の議会基本条例(2年前に制定)はどうでしょう?

第6条第4項 議会は、請願及び陳情を政策提案と位置付け、その付託及び送付を受けた委員会は、審査において必要に応じ提案者の意見を聞く機会を設けるものとする

う~ん(-_-)。残念ながらご多分に漏れず、福嶋先生のおっしゃる通りの条文です。
条例作成時は私も会議のメンバーだったのですが、知らず知らずのうちに市民目線ではなく議会目線になってしまっていたことに気付き、愕然としました。

福嶋先生が講演中何度も強調してらした
徹底して市民一人一人から出発する
この意識を改めてかみしめた、考えさせられることが非常に多い講演でした。市原市の議会や職員の皆さんにも、ぜひ一度聞いていただきたい!

おまけの写真、

講演直後、名刺交換のために裸足で先生のもとへすっ飛んで行った私(^_^;)

医療と介護をつなぐ・尾道方式とは

2014-07-16 | 健康・医療
本日、視察先の尾道市から帰ってきました。一泊二日の慌ただしい視察でした。
市原市には、医療の専門職や行政、そして住民代表として6名の議員が所属する地域保健医療協議会という組織があるのですが、今回はそのメンバーの議員プラス担当の市職員2名の計8名での視察です。
調査目的は、地域医療と介護の連携について。全国でも先進的な取り組みで有名な2か所の公立病院にお邪魔してきました。


1日目は、尾道市立市民病院。医療と介護の連携のいわゆる「尾道方式」の中核を担う病院です。


入口を入ってすぐにある地域医療連携室や入院支援センター。




2日目は、公立みつぎ総合病院


こちらの病院は、昭和40年代当初、山口昇名誉院長・特別顧問が、
「一生懸命手術して治しても、半年から1年もたたないうちに、褥瘡を作ったり寝たきりになったりして再入院するお年寄りがあまりにも多いのは、いったいどうしたことだろう?」
と疑問を抱いたことが全てのきっかけでした。
病院で待っていては解決しないと、訪問診療や訪問看護といった「出前医療」を始めたのです。
団塊の世代が後期高齢を迎える2025年を見据え、現在国が押し進めている「地域包括ケアシステム」。この言葉を最初に唱えたのも、山口医師です。

写真前列中央が山口医師。後列向かって右から2番目が、説明して下さった副院長の沖田医師です。



では、「尾道方式」や「地域包括ケアシステム」っていったい何でしょう?
分かりやすく言うと、例えば、入院していた患者が退院した後、在宅でも日常生活に困らないように・或いは治療やリハビリを切れ目なく続けられるように、本人や家族を中心に病院の医師や看護師・かかりつけの開業医や訪問看護師・薬剤師・ケアマネ・ヘルパーなど、関係する様々な職種の人たちが話し合い、計画を立てて、連携しながら継続して支援を行っていく取り組みのことです。

これは沖田医師のスライドから。
専門職における「天動説と地動説」。


多職種が患者を中心にして話し合いの場を持つ。考えてみれば、何でもない当たり前のことだと思いませんか?。
でも、たったこれだけのことが、未だに日本ではできていないのです。
例えば、病院の医者は患者の病気を治して退院させれば役目は終わり。反対に、介護ヘルパーはは受け持ちの患者が入院すれば役目は終わり。
医療も介護も非常に専門性の高い分野で、様々な職種が介在しているということが、逆に各々の視野を狭め、連携を阻んでいるように思います。

これも沖田医師のスライドより。

私は以前病院に勤務していたのでわかるのですが、このような光景はまず普通はあり得ません。


なんと、福祉用具の事業者も参加しているんですね。本当に感心させられました。

この他にも、病院や施設の内部の様子などご紹介したいことは山ほどあるのですが、膨大な量になるので、今日はここまででご勘弁を・・・。
5月に山本友子県議もちょうど同施設を視察しているので、よろしければその時のブログも合わせてご覧ください。
尾道・広島の地域包括支援システム&みつぎ総合病院


あと10年もすれば、本格的な超高齢化社会が訪れます。
このままでは病院は入院患者で溢れ、十分な介護も医療も受けられずに在宅で寝たきりになる高齢者が、急増するでしょう。
市原市には、尾道市のような風土も山口医師のようなリーダーもいません。
ではどうすればよいのか??
幸い、この視察によって取り組みのヒントをいくつか得ることができました。
また別の機会に、折に触れてその話をしたいと思います。

ダメ。ゼッタイ。

2014-07-15 | くすり
このタイトルは、もちろん薬物乱用防止キャンぺーンの標語のことです。
日本エレキテル連合の「ダメよー、ダメダメ」ではありませんので、悪しからず(笑)。

もとい・・・
脱法ハーブがらみの事件が、このところ頻繁にニュースで流れていますね。本当に嘆かわしいことです。
私は昨年、学校薬剤師研修会で、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の先生から、近年の薬物乱用の傾向や脱法ハーブの恐ろしさをわかりやすく教わりました。その時の様子をブログに書いていますので、ぜひぜひ覗いてみて下さい。
薬物乱用を防ぐために
特に、サルを使った実験の話は、本当に衝撃的でしたよ。

薬物依存は、人間の脳の機能のうち、本能を司る部分が支配されている状態なのだそうです。
例えば、眠い・お腹が空いた・のどが渇いた・トイレに行きたい・・・
薬物を我慢するという事は、これらを我慢するに等しい苦しみだと思ってください。
そう考えれば、意思の力でどうこう出来るような簡単なものではないという事がお判りでしょう。
ですから、絶対に手を出してはダメなのです。


さて、写真は最近の活動から。
養老地区と戸田地区で昨年から実証実験が行われているデマンドタクシーの現状について、
市民ネットのメンバー数人と一緒に、市の職員の方から説明を受けました。

地図を使ってわかりやすく丁寧に教えていただきました。

デマンドタクシーとは、予約によって自宅から目的地までバス並みの低料金で利用できる乗合タクシーのことを言います。交通が不便な地域で車も運転できないお年寄りには、とても有難いサービスですよね。
伺ったところでは、一度利用した方からは大変便利だと喜んでもらえているようなのですが、まだまだ知られていないのか、知っていても二の足を踏んでいるのか、利用者の伸びは今一つのようです。
利用者が少なければ、この制度を維持していくのが難しくなります。地域が主体となって、この仕組みを育てるという意識がとても大事です。

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