嵐が去った翌朝~
朝日に連れられた青空が見せたもの それは静かな秋 優しい光
テラスに蝉の亡骸を見付けた 昨日の風に飛ばされたのか
そっと手に取り、手すりに置いた 命尽きるとも羽根黄金に輝けり
「おい、散歩に行くぞ」 相棒から不意に声を掛けられ驚いた
さっきまで、工場の中で溶接に無我夢中だった筈なのに~
それならと連れだって歩き出す 夕暮れがそこまで来ている
少し肌寒いが、これくらいが丁度いい 足取りは快適なり
今日は、婆のいる施設まで、愛車をぶっばし行って来た
木曜日は沐浴日だから、着替えの入った袋を片手に尋ねた
婆は眠っていた・・・が、すぐに気が付きにっこり笑った
身体は思うように動いてはくれないと、相変わらず淋しげ…
しばらく話をしていたが、食事の時間が来たと言いソワソワ~
一人で起き上がるのは無理なので、スタッフさんに介助を依頼
「じゃあね」「またね」 必ず手を握ってから暇を告げる
「鬼嫁帰ります」「そんなこと言わんで」 婆は私をたしなめた
私には通りたくない道がある 少なくとも今の私には辛い所
よりによって今日、その想い出通りを不覚にも通り過ぎた
亡くなった私の母が、何回か通った病院の前~ 胸が詰まる
あの時はしっかりとした足取りで、おじちゃん先生に挑んだ
母と二人で入ったあの玄関を見て、なぜだか涙が滲んだ
あの日、あの時の母の笑顔が、私を優しく包み込んでくれた
お互いの母の話などしながら、相棒と二人の他愛も無い時間
一歩一歩踏みしめ歩き続けた そろそろ日没~
都城の田んぼには、刈りいれ前の稲穂の波が広がっている 稲刈りはまだこれから
嵐の風も受けず、しゃんと立ったままで夕陽を浴びていた (遠くに見えるのは霧島連山)
朝日に連れられた青空が見せたもの それは静かな秋 優しい光
テラスに蝉の亡骸を見付けた 昨日の風に飛ばされたのか
そっと手に取り、手すりに置いた 命尽きるとも羽根黄金に輝けり
「おい、散歩に行くぞ」 相棒から不意に声を掛けられ驚いた
さっきまで、工場の中で溶接に無我夢中だった筈なのに~
それならと連れだって歩き出す 夕暮れがそこまで来ている
少し肌寒いが、これくらいが丁度いい 足取りは快適なり
今日は、婆のいる施設まで、愛車をぶっばし行って来た
木曜日は沐浴日だから、着替えの入った袋を片手に尋ねた
婆は眠っていた・・・が、すぐに気が付きにっこり笑った
身体は思うように動いてはくれないと、相変わらず淋しげ…
しばらく話をしていたが、食事の時間が来たと言いソワソワ~
一人で起き上がるのは無理なので、スタッフさんに介助を依頼
「じゃあね」「またね」 必ず手を握ってから暇を告げる
「鬼嫁帰ります」「そんなこと言わんで」 婆は私をたしなめた
私には通りたくない道がある 少なくとも今の私には辛い所
よりによって今日、その想い出通りを不覚にも通り過ぎた
亡くなった私の母が、何回か通った病院の前~ 胸が詰まる
あの時はしっかりとした足取りで、おじちゃん先生に挑んだ
母と二人で入ったあの玄関を見て、なぜだか涙が滲んだ
あの日、あの時の母の笑顔が、私を優しく包み込んでくれた
お互いの母の話などしながら、相棒と二人の他愛も無い時間
一歩一歩踏みしめ歩き続けた そろそろ日没~
都城の田んぼには、刈りいれ前の稲穂の波が広がっている 稲刈りはまだこれから
嵐の風も受けず、しゃんと立ったままで夕陽を浴びていた (遠くに見えるのは霧島連山)