http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/03/blog-post_11.html
↑より抜粋転記↓ 重要ですので ピースさんをお尋ねくださいませ
前略
311、責任と罪
2011年3月11日の地震、津波による、
日本の東北地方の沿岸部全域にもたらされた壊滅状態は、
1945年の米軍による全国100都市の焼夷弾爆撃と
広島長崎の原爆投下後の姿を彷彿とさせるものだった。
東電福島第一原発における4つの原子炉および使用済み燃料プールにおける溶融と爆発の連続により福島は、広島と長崎に続き、日本の3つ目の大規模核被害地となった。
しかし唯一違うところは、
今回は自らが招いたものであるということだ。
労働者や周辺住民の被曝、
そして
大量の行き場のない核廃棄物を生み続ける
原発という産業自体を許し、
「安全神話」を
無行動という形で容認してきたことに自責の念は絶えない。
沖縄の作家、浦島悦子氏は
「なんという世界を私たちは作ってしまったのか。
水も空気も土壌もすべて汚染され、
命を育むはずのものが命を脅かすものになってしまった・・・
未来の子どもたちに私たちが犯してしまった罪を思うと身震いします。」
と嘆いた。
大江健三郎氏は米国誌への寄稿で、
原発は「広島の犠牲者への最大の裏切りである」と述べた。
戦後日本の反核感情は
米国の「平和のための原子」政策、
CIAも動員した原発導入計画によって塗り替えられ、
日本は
「核兵器=悪、原発=平和」という二項対立の幻想に進んで騙されていった。
地震と津波だらけの国の海岸は54基の原発で埋め尽くされ、
その無謀な投資に対する重い代償を払う結果となった。
フランス放射線防護原子力研究所(ISRN)
汚染と被曝
事故発生から数日間に大気中に放出された放射性物質の量は、
2011年6月の時点の東電の予測では
77万テラベクレル
(チェルノブイリの520万テラベクレルの15%)とされた。
セシウム137(半減期30年)の降下量については、
同年8月の保安院の予測によれば、
1万5千テラベクレルで、
チェルノブイリにおける8万5千テラベクレルの6分の1とされた。
しかし2012年5月の東電の計算によると、
セシウム137は36万テラベクレルと、24倍も増えており、
チェルノブイリの4倍以上という衝撃的な数字になる。
セシウム134+137による土壌汚染を見ると、
チェルノブイリの場合移住の義務ゾーンに相当する
平方メートルあたり55万5千ベクレルを含むエリア
(30万から60万ベクレル、年間推定外部被曝量5ミリシーベルト)が
フランス放射線防護原子力研究所(ISRN)作成の
右地図の青い部分-伊達、福島、二本松、本宮、郡山、須賀川といった
人口密集地帯に帯のように伸びる。
原子力業界が維持するISRNでさえ、
避難すべき7万人にも及ぶ人々が
まだ原発周辺地域に残されていると警告した。
また、福島が
チェルノブイリと決定的に異なるのは、
大規模な海洋汚染である。
ISRNの推測ではセシウムの放出量は
東電発表の20倍の2万7千テラベクレル、
2012年4月に
約1.68テラベクレルのストロンチウム
を含む汚染水12トンが流出した。
海産物への影響は計り知れない。
この事故では、政府と産業が責任を最小化し、
人間よりも経済を優先する政策を取ったことにより、
多くの人々に防ぎ得た被曝をさせた。
電力会社が大スポンサーである主流メディアは
政府に協力して放射性物質のリスクを過小評価し、
「被災地を応援する」という名目で
原発事故の影響を受けた地域の農産物を宣伝した。
政府は一般人の年間許容被曝量を子どもも含め
1ミリシーベルトから20ミリシーベルトと20倍に引き上げ、
それを避難基準として使い現在に至る。
通常時の原発作業員の
5年間の被曝許容量が100ミリシーベルトなので、
原発作業員の平均1年分の量を
子どもも被曝していいとされたままなのだ。
政府は食品中の放射性物質の「基準値」を設け、
それ以下の食品を全て「安全」と呼んでいる。
また、原発被害の責任は政府や東電にあるにもかかわらず、事故に影響を受けた地域産の食品に懸念を示す声を全て「風評被害」と呼ぶ。
これは、「原発被害」の婉曲的言い換えであり、
消費者への責任転嫁としか思えない。
同じ被害者である、
生産者と消費者を分断
しようという意図もうかがえる。
地域住民より米国を優先した日本政府
日本政府は放射性物質の拡散状況を予測するSPEEDI
(緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク)の計算結果を
地元住民や日本国民より先に、3月14日に米軍に提供した。
SPEEDI予測に基づいて3月15日には文科省も
浪江町に職員を派遣し、毎時330マイクロシーベルトという
非常に高い数値を記録している。
米国は3月16日に自国民に対し
半径50マイル(80KM)圏から避難するよう勧告しているが、
日本政府から米国にだけ提供された SPEEDI情報を
使っていないはずがない。
米国エネルギー省は軍用機で3月17日-19日に
原発の半径45キロ圏を測定、
福島第一原発の北西25キロにわたり、
1時間125マイクロシーベルト以上の地域が
広がっていることが確認されている。
米国は3月22日からエネルギー省サイトで観測値を発表し、
日本のネット発信者たちは把握していたが、
日本の政府もメディアも沈黙を保ち、
住民の避難に活用することはなかった。
米国も日本政府に気を遣ってか、
モニタリング結果を日本市民に積極的に知らせなかった。
4月以降航空モニタリングは日米共同で進められ、
日本は5月になってやっと結果を発表し始めた。
その間に飯館村等の高汚染地域の避難は遅れ、
避難が完了するのは
原発事故発生後3か月近く経った5月末となった。
この SPEEDI とそれに伴うモニタリングの情報を
住民避難に生かさなかった政府、メディアの共犯、
そして米国の加担は絶対に許してはいけない。
また、政府とメディアは米軍の「トモダチ作戦」を
大々的に宣伝、311の悲劇における救世主であるかのように
演出し、在日米軍の存在意義をアピールする道具とした。
その一方、地震大国日本が
これだけ原発だらけになったことに対する米国の責任や、
「トモダチ作戦」にかかった費用は、
日本が毎年在日米軍関係経費として負担しているコストの
1%ほどでしかないことを指摘することはなかった。
福島と沖縄、国策の「棄民」
日本は空気や海洋を通して
世界中に大量の放射性物質をまき散らしたにもかかわらず、
国際社会においては
日本食品、日本製品に対する偏見の被害者として自らを演出した。
メルトダウンして格納容器を突き抜けた可能性が高い燃料が
どこにあるのかもわからないのに、
2011年12月には「冷温停止状態」を宣言した。
避難の議論は除染(移染)の議論にすり替えられ、
汚染がれき広域処理とともに巨額の利権が動き、
手抜き除染、不法廃棄物投棄も報告されている。
福島県の子どもの甲状腺検査においては
2013年の2月の時点で3人が甲状腺ガンと診断され、
7人が8割の確率でガンの可能性があるという。
「100万人に1人」が通説のところ、
3万8千人のうち、疑いも含め10人という高い数値が出ているにもかかわらず、
福島医大の教授は会見において、
原発事故との因果関係は「考えにくい」としている。
2011年の調査では38,114人のうち13、460人(35%)、
2012年度は94,975人のうち41,398人(44%)に
「5ミリ以下の結節、20ミリ以下の嚢胞」があると報告されていて、
チェルノブイリ事故の影響を受けたゴメリ地方以上の影響がより早く出ている。
北海道深川市立病院の松崎道幸医師は、
「福島の小児甲状腺がんの発生率は
チェルノブイリと同じかそれ以上の可能性がある」と警告を発している。
政府の仕事が市民と環境を守ることであるのなら、
乳幼児、子ども、妊婦などを優先に
高汚染地域の人たちを避難させ、
限定した地域に汚染を閉じ込めることが必要であった。
しかし政府がしたことと言えば全くの逆で、
被曝リスクの高い地域に多くの人々を残し、
食品の流通やがれきの広域処理で日本中、
そして世界中に汚染を拡散した。
沖縄国際大学の渡名喜守太氏は、
原発事故における政府の住民軽視の対応に、
非常事態における
「住民保護を諦め、住民を国策のために動員し、死を受容させる」
傾向が表面化したとする。
同大学の西岡信之氏は、
「原発事故で政府から見棄てられた」福島の人たちと、
「米軍基地で切り捨てられてきている」沖縄の人たちは双方、
「中央政策の差別政策で成り立っている」制度の下に
見棄てられる「棄民」とされているのか、と問う。
原発も米軍基地も、
都市部への電力供給、
国家の「防衛」のために辺境の地に犠牲を強い、
本土や都市部の人たちの多くは無関心によって加担する。
半世紀以上に及ぶ日本の原発政策の背景には
http://speech.comet.mepage.jp/2012/mint_728.htm
ならば、不確実なミサイル防衛に頼らず、
即時、核燃料を取り出すべきですよね。
手塚治虫さんは、原発に反対の立場でした。