天木直人のブログより~~
2014年02月10日
今度の東京都知事選の正しい評価
今度の東京都知事選は
安倍自民党政権が猪瀬知事をスキャンダルで辞任に追い込み、
自らに都合のいい都知事にすげ替えて東京五輪を思うように運ぼうとしたものだった。
野党に有力な候補がいない中で、これほど盛り上がらない都知事選挙はなかった。
そんな中で脱原発を唱える細川・小泉元首相連合が安倍政権に異議を唱える形で登場し、がぜん東京都知事選が面白くなった。
脱原発で小泉劇場が起き、細川知事が誕生すれば、間違いなく国政を揺さぶる政局になる可能性が高まる。
だからこそ安倍自民党政権はこれ以上ない危機感を抱いた。
大手メディアと結託した細川・小泉潰しは誰の目にもわかるほど
露骨で異例なものだった。
初めは細川元首相の過去の政治資金疑惑を囃し立て、
それが不十分と見れば今度は一転して細川・小泉隠しに走った。
それでも、小泉元首相の、
「3・11によって原発を推進した自分は間違っていた」という素直な反省と明確な脱原発宣言の連呼
によって脱原発を願う有権者が動けば、小泉劇場は起きた可能性があった。
しかし、脱原発派の一本化はかなわず、それどころか最後まで足の引っ張り合いが続いた。
こうして細川・小泉の反乱は不発に終わったが、しかし私は日本の脱原発に向けた政治的動きはこれからが本格的になると確信している。
その理由は極めて明白だ。
脱原発を願う都民の多くは細川・小泉連合を支持した。
脱原発は、いわゆる左翼が主導する限りは
実現は出来ない。
細川・小泉両元首相のようなかつての権力者の中から、
脱原発を進めようとする巨大な権力に対抗する有力者が出てきてはじめて国民的運動に発展するのだ。
細川・小泉元首相の脱原発の思いは本物である。
そして脱原発の動きの正しさはこれからますます証明されていく。
なぜならば放射能汚染水のコントロールが出来ないまま、
福島原発事故の諸問題はこれからが深刻になっていくからである。
そしてそれは安倍自民党政権とその官僚たちでは対応できない。
それは東京五輪の開催さえも危うくするだろう。
我が国の原発政策の根本的見直しが避けられなくなるのは時間の問題である。
その時こそ、細川・小泉元両首相の脱原発を掲げた政治運動は、
脱原発新党となって安倍自民党政権に政権交代を迫る一大政局に発展するに違いない。
今度の東京都知事選の細川・小泉連合の敗北は、
日本が脱原発に向かう出発点であるととらえるべきである
(了)
今回、
共産党という邪魔者が入ったことが実現を不可能にさせてしまった。
共産党の思惑?は、細川、小泉両氏の「脱原発」の訴えを、
安部の露骨なまでのマスコミ統制の後押しをするという形で
皮肉にも実現してまった。
その事が「脱原発」の実現より、
市民運動が優先、理想と唱える人達に分かっていないのが残念。
「絵に描いた餅」で腹がいっぱいになるという、
この不思議な感覚の持ち主たちの集団は、
細川を抜き2位ということが勲章らしい。
一体、今まで何を求めて「脱原発」を叫び続けてきたのか?
不思議でならない。
真の目的は何なのか?
運動することそのものが目的の、自己陶酔状態なのか?
実現めざすのが目的なのか?
もはや、この集団は分からなくなっているとしか思えない。
小さい理想も実現しながら、
大きな目的(脱原発)が強力な権力と互角に戦えるのなら、
それがベストではある。
しかし、
全てを後回しにしても、実現できるかどうかという権力を前に、
何の為に理想論を振りかざしているのか?
それこそ、イデオロギーの枠を出ていない。
トップに立って、決断を強いられる経験のない人に多い心理のような気がする。
生きた政治や運動をしないと、「脱原発」は永久に実現しないと思う。
「脱原発」をこの集団の「オモチャ」にしてほしくない!