月のカケラと君の声

大好きな役者さん吉岡秀隆さんのこと、
日々の出来事などを綴っています。

吉岡刑事物語 その4

2008年07月18日 | もしものコーナー 吉岡刑事物語
拝啓 恵子ちゃん

国際捜査を任命されて、ここオクラホマに来て早半年が過ぎ、
電気も水道も通っていないこの場所に、最初の頃は戸惑ったけど、
でも最近はこの生活にも、少しずつだけど慣れてきたんだ。
昨日はクマさんに手伝ってもらって、川から水を引いたので、
少しは生活も楽になったと思われ。あ、それから、風力発電も作ったんだ。
父さんには内緒だよ。昨日は友達のひげモグラさんとー

吉: あれっ、ゴリさんっ? ゴリさんじゃないですか?!

ゴ: 来ちゃった。 それにしてもよく一目で俺だってわかったな、
プレーリードッグ121号。さすがの刑事眼ってやつだ。

吉: そんな格好をしていれば嫌でも目につきます。なんで
サンタクロースの格好をしているんですか?

ゴ: シッ! チビッ子に聞かれたらどうするんだっ?! 
チビッ子の夢を壊しちゃいかんじゃないか。 

吉: チビッ子なんていませんよ。ここにいるのはプレーリードッグだけです。

ゴ: そうなのよぉ~。 一体どれがお前なのか探すのに苦労したよ~。
見事なプレーリードッグぶりだ、121号。

吉: それが・・・・・・。

ゴ: ん、どうした?

吉: 実は大里さん一家が夜逃げをしてしまったので僕は・・・
118号になってしまいました・・・。不覚です。

ゴ: ん・・・まぁ・・・それもいたし方あるまい。目を瞑ろうじゃないか。

吉: ゴリさん・・・・。

ゴ: ・・・・・・・・・・・・

吉: 寝ないでください!

ゴ: お、すまんすまん。長旅の疲れが出たのかもしれん。 

吉: でもどうして全身ずぶ濡れなんですか?

ゴ: そりゃ~そうだよ、だって泳いできたんだもん。

吉: 泳いできたんですかっ?!

ゴ: 佐渡ヶ島経由で大洋を渡ってきた。

吉: 遠回りじゃないですかっ!?

ゴ: あぁ、二時間36分もかかってしまった。俺も歳をとったもんだ・・・。
でもな、ここにはどうしても一度来てみたかったんだ。 
それというのもオレの後輩のロッキー刑事が、ここロッキー山脈で・・・
ここで、リスを助けようとして。。。くっ。

吉: どうなったんですか?

ゴ: リスに・・・・・・リスに・・・・・・・

吉: リスに?

ゴ: 指を噛まれちゃったんだ。

吉: は?

ゴ: 三針縫ったらしい。痛かったってー。泣いちゃったらしいよ。

吉: ゴリさん、そんな冗談を言う為に、わざわざ太平洋を
泳ぎ渡ってきたのですか? そもそもオクラホマにロッキー山脈はないですよ。

ゴ: まぁ、そう固いことを言うなって。オレがここへやってきた理由は
沢山あるんだ。沢山ありすぎて泳いでいるうちに忘れてしまった。
で、覚えていることだけ言おう。差し入れだ。オレからはこれ、
「長命草入りやしがにあんぱん 青ラベル」新発売。
それから缶コーヒーのボス。それとこれはお前のおっかさんから、
英国調ティーセットと和歌山みかんだ。変わったみかんの食べ方をするね。
それからまだまだあるんですよ~。これは親父さんから、北海荒巻鮭。
いつでも富良野に戻って来いと言っていたぞ。あ、心配するな、
飲み込んだ梅干の種は無事に取れたそうだ。以上。それじゃ。

吉: ちょっと待ってください、ゴリさん! 
隣にいるのは誰ですか?

ゴ: え? あっ、そうだった。 忘れてたよー。あのね、
これは君の新しい相棒の綿棒デカだ。 綿棒デカ、
これが噂の優秀な・・・おいっ、どこに行くんだっ、綿棒デカ?!

お酒はぬるめの燗がいい~ 肴は炙ったイカでいい~♪

ゴ: お、電話だ。(↑着信音らしい。)もしもし? 
なんだ、お前か。あぁわかった。今かわる。おい、お前に電話だ。

吉: 僕にですか? もしもし? 

綿: 鳴海です。警察大学校で一緒だった。

吉: あぁ、鳴海くん・・・。お久しぶりです。
で、でもなんで、

綿: なんだい?

吉: 20メートル先からわざわざ電話をかけてるんです?

綿: 僕は捜査に私情はもちこまない主義だ。刑事として当然のことだろう?
それともオクラホマの新鮮な空気に影響されて、和気合い合い、
アイアイアイアイお猿さんだよ、とでも言いたいのかい?

吉: そんなつもりはっ・・・・そんなつもりはありません。

綿: 今日から僕は君の相棒になった。だが言っておくが、
僕たちの会話は、第10話のエンディングまで、
全て電話を通して行われる。異存はないね?

吉: ・・・・・・・・。

綿: どうなんだい?

吉: 鳴海くん、僕は・・・

綿: え? 

吉: あ、すみません、集会の時間が。。。

綿: そうか、タフだな、オクラホマの刑事は。

ブチッ。ツーツーツーツー。

吉: ・・・・・・・・。

ゴ: 気にするな、ラスカル。奴は電話の切り方は知らないが、
マメに電話はかけてくる。意外とさみしんぼうなんだ。

吉: ゴリさん?

ゴ: なんだ?

吉: 僕はいつからラスカルになったんですか? 

ゴ: なんだ、スタンリー少年の方がいいっていうのか? 
でもお前はスタンリーっていうより、フランダースの犬のネロだな。
とにかく、何でも川で洗う癖は直しておけ、ラスカル。

吉: そんな癖は持っていません! 

ゴ: いいか、ラスカル、この携帯はお前に渡す。新しい任務だ。
お前には綿棒デカと共にイスカンダルへ行ってもらうことになった。

吉: ・・・・・・・・・・・・・・は?

ゴ: イスカンダルだよ、イスカンダル~。椅子噛んだる~
とはちゃうで~。

吉: そんなことはわかっています。それでは僕に宇宙へ行けと、
そう仰ってるんですか? 

ゴ: そうだ。宇宙戦艦ヤマトの乗り組み員となっての、ユニバーサル任務だ。
いいか、これもまた極秘任務だぞ。船上ではあくまでも、綿棒は古代守、
お前は古代進およびにミーくんだ。二人揃ってジョン&パンチ。
わかったな?

吉: それは・・・鳴海くんも承知のことなんですか?

お酒はぬるめの~♪

吉: もしもし?

綿: 承知の上だ。

ブチッ。ツーツーツーツーツー。

吉: ・・・・・・・・。

ゴ: 健闘を祈る。旅立つ際には、お前に真っ赤なスカーフを振ってやるよ。 

吉: 待って下さい、ゴリさん! 任務の内容を教えてください!

ゴ: 誰の為でもいいじゃないか。みんなその気でいればいい。

吉: それでは答えに・・・

ゴ: 旅立つ男の胸には、浪漫のカケラが欲しいのさ。

吉: だからそれは・・・

ゴ: ララ~ララ~ラ~ラァ~~~~ ララ~ララ~ラ~ラァ~

吉: ゴリさ・・・

ゴ: ラ~ラ~ラ~真っ赤な~~~~ス~カ~~フ~。
(シュボッ)プハー。
男の極意だな。
お前にぴったりの歌だ。
いつだってお前はそうじゃねぇか。
核心に立ち向かえる男なんだ。
核心に真っ向から立ち向かうのは誰だって怖いだろ? 
自分の心を抉り出す勇気なんてないだろう?
身も心も他に捧げて一直線に走ることなんて誰が出来る?
でもお前はそれが出来るんだ。
律儀な疾走感ってやつを内に秘めている男だぜ、お前は。
そんやつはそんじょそこらにはいない。
くやしいけど、

吉: ・・・なんですか?

ゴ: かっこいいぞ、吉岡くん。
じゃ~な。


かくしてイスカンダルへと旅立った吉岡刑事。
旅立つ彼の瞳には、浪漫のカケラが宿っていた。。。


つづく・・・。
かもしれず。

コメント (4)
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