打てば響く

言葉というものは有難いものです。
そして、古典と呼ばれる書物には、珠玉のようなそれらが詰まっています。
中でも論語には、人生のあらゆる場面に応じて適切な心に響くヒントを与えてくれる。
まさに打てば響くかのように、いい言葉が返ってくるという。
東洋思想家の田口佳史さんが教えてくれた。

◆世界の三大聖人の孔子
　いかに障害を察知して行動するか、
　いかに諍いを起こさずにいい人間関係を築いていくか、
　いかに状況に左右されず、常に心穏やかに豊かに暮らしていくか、
　いかに人間として立派に成長していくか。

　孔子は２５００年以上たった今でも通用する考えを、人生の達人として私たちに授けてくれるのだ。
　それは、孔子自身が貧しい生まれで、大変な苦労をした人物だからだ。
　学びに目覚めたのは、ようやく十五歳くらいのこと、そこから学んで学んで学び続けた。
　それでもなかなか政府の要職につけないなど、数々の辛酸をなめながら、道をはずすことなく生き抜いた。
　そして、後世に釈迦・ソクラテスと並ぶ世界の三大聖人とまで讃えられる存在となったのだ。

　そういった実践に裏打ちされ、孔子は大変なリアリストだという。
　そしてそれゆえに、社会のなかに居ながらにして社会を観て、現状を少し改善すれば良い、もっと生きやすくなるし、
　人間関係ももっとスムーズにいく、と助言してくれている。
　現代の悩めるビジネスパーソンにとっても有用な教えが詰まっているそうだ。
　さらには、自己向上を目指す人には天井知らずで生きる知恵を授けてくれるともいう。

　折に触れて、その逐条を読み取って、学びのひとつとしたいものです。
　それはまた、次の機会に。