つぶやき、遊び・仕事・日常

一日の出来事のあれこれを雑多に記録していきます

主君を動かす

2019-10-04 08:50:58 | 日記
ダイヤモンド誌に、こんな場面が載っていた。
大坂冬の陣、前田利常(加賀藩主・前田利家の四男)率いる加賀勢は真田信繁の猛攻を受け、本陣が危険な有様。
殿!ここは危険です。どうかここからお退きください。と家臣たちは口々に撤退を求めるが、利常は頑として聞かない。
そこにやってきた歴戦の勇士山崎長徳はこう言った。
殿、北風が強うござる。このままでは風邪を引きますぞ、戦で風邪を引いては面目が立ちますまい。
それを聞いた利常は、うむ、と言うとやっと腰を上げて後方に引いた。 
長徳は、利常の性格や癖を良く知っていた。だから主君を見事に動かしえたのである。

◆出来る部下は上司を動かす
 もう伝説的なほどの仕事のできる鈴木先輩に、よく似たこんな場面があったのを思い出した。
 創業者(会長)は、軍隊上がりで、社内では全知全能の神様みたいなもので、誰の意見具申も言い訳も聞きいれない。
 困ったことは、店舗の新築工事現場にちょくちょく出没することだ。
 ご自宅に近い店舗の新築工事中には、散歩がてら毎日現れてはそのまま内部まで入り込み、工事がしばしば中断していた。

 困り果てた工事所長が鈴木先輩に助けを求めた。
 先輩は、そんなものはいらん!という会長に見事ヘルメットをかぶらせたのだ。
 その一言がこうだ。
 会長が大丈夫なことは承知しています。でも、工事現場で万一負傷者が出ると労災事故として工事が止まってしまいます。
 そうすると、場合によっては開店日が遅れてしまうことにもなりかねません。
 なに! 開店が遅れる? それはいかんな。よしそのヘルメットを貸せ、そしてわしに付いてこい。

 表面的なことしか知らない周囲は、あいつ(鈴木先輩)は会長の腰ぎんちゃくだと陰口をたたいていましたが、
 そんな人たちは決して腰ぎんちゃくにさえなれないものです。
 そんな先輩は、残念ですが会社を去りました。
 倫理観が高いことが煙たがられて、周囲に疎まれたようです。
 協調性が低いとも言えますが、おいらは悪貨が良貨を駆逐したと思っています。