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ベルギーのショコラ

2022-12-11 06:50:44 | 日記
小説家の開高健氏のエッセーを読んだ。
その中で、ベルギーにおける氏のチョコレート賛歌を聞いた。
そう言えば、バレンタインでもらうあのゴディバチョコは、ベルギー発だったなと読み進める。
チョコレートとは、そういうものなのかと改めて気づかされた。

◆ほんとのチョコレートは子供の菓子ではない
 ブリュッセルのレストランで食事をした、まあ普通の食事だった。
 しかし、最後のデザートに驚かされた。
 この店の十八番(おはこ)だそうだが、ダーム・ブランシュ(白い貴婦人)といって、
 アイスクリームに熱いときたてのチョコレートをかけたものだ。
 それをスプーンでなにげなく一口しゃくってみて、ほとんど驚愕してしまった。
 顔を上げると、酒豪でなる友人も黙って眼を丸くしていた。
 諸兄姉よ、ほんとのチョコレートは、だんじて子供の菓子ではないんだ。
 それは、成熟した年齢の辛酸を潜り抜けてきた大の男のためのものなんだ。
 お菓子と言うより、最高の料理のひとつなんだ。
 板チョコだのホットココアだのウィスキーボンボン・チョコレートキャンデーなどは、
 これと比べれば美女とその骸骨ぐらいの差だ。

 それはホロにがく、気品が高く、奥深さに底知れないところがある。
 最高のスープをつくるよりも、材料と手間に注意や精力がそそがれ、
 その労苦が香りや味や舌ざわりにあらわれている。
 それはプロが精魂込めてつくるカカオ豆のスープなのだろう。
 この店のショコラを知り、
 はじめて19世紀のフランス文学やロシア文学にあのようにしばしばショコラが登場する理由が分かった気がする。

 →申し訳ありません。今日はほとんど引用だけで終わってしまいました。
  いつかはこんなほんとのショコラを味わってみたいものです。
  残念ながら、どうやらこの店に行かないと味わえないようですが・・