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金子光晴という男

2022-12-12 06:34:47 | 日記
もうとんでもない男だ。
20世紀初頭の詩人で、弟も妻も息子も文学関連を生業とする一家だ。
興味のある方はネットで検索していただきたい。
彼はある意味天才的?な放浪者だと思う。
そんな彼は、ここ愛知県の津島市の出身なので、多少親近感がある。
彼の「経験は人生を狭くする」という言葉が不思議に感じた。

◆人生にはキャリアは必要ではないし役にも立たない
 彼の前述の言葉に出会って、意外に感ずる人は多いだろう。
 ふつうは、人生経験はその後の生活を豊かに彩ると思われるものだからだ。
 だが彼は、こう断ずる。
 「分別ということは、それほど立派なことではない。」
 老爺は自らをなんとなく曰くありげに見せ、神秘化さえするが、そんなものは若さとは比較にならない。
 若さの過ちには、なにかしら正しさがあるものだが、年寄りは石ころでぞうり虫でしかない!!とまで言う。
 トルストイやアインシュタインであることよりも、若い失業者であったほうがいいとさえ言う。

 晩年を礼賛する言葉には、どこか無理を感じる。
 石ころだ、ぞうり虫だと悪態をつかれるほうがよほどさっぱりする。
 経験を重ね尽くしたからこそ言える、経験は人生を狭くするには重みさえ感ずる。
 永遠の青春などというものはない。
 人生とは、大ベテランも新人も等しく同じスタートラインに立つフェアな競技なのだ。

 →そうか、歳をとって経験を積み重ね、分別を増したと思っていたが、それはすべて幻想でしかなかったのか・・・