つぶやき、遊び・仕事・日常

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売却実務と手離れ

2022-12-13 06:42:58 | 日記
おいらは、かってある企業の店舗出店に関する業務を担当していた。
なので、別に自慢するわけではないが不動産関連&金融関連にはわりと通じている。
不動産関連では、所有権移転制限の仮登記だの、中間登記省略など。
金融関連では、SPCのタックスヘイブンだのノンリコースローンだの、TIBORだの、倒産隔離などだ。
そんなおいらが、亡母の居宅を売りに出してみた。

◆売却実務は別物
 土地・建物を売却する、それは極めて泥臭いものです。
 不動産や金融関連の知識はムダではありませんが、さほど役には立ちません。
 なぜならば、自分で買い手を探すことはできないからです。
 なので、街の不動産業者に委託します。
 彼らは、おいらがいちいち手取り足取り教えなければならない程度の知識しかありません。
 しかし、そんな業者さんはちゃんと買い手を見つけてくれるのです。
 そこで商談です。
 不動産は売り手の言い値で決着することはあまりありません。
 買い手は必ず値切ってきます、そこでの対応がキモです。
 売りたい、売り急ぎたい、と見抜かれたら1~2割引きです。
 あなたが欲しければ売却してもいいよという態度ならば、5%引き程度で決着することも可能です。

 なのでおいらが一芝居打ちます。
 あまり値切られるようならば、売却は取りやめにして仲間内のカラオケハウスにしようと思う。
 これで局面が打開されます。
 買い手はおそるおそる、どこまでなら値引きしていただけますかと来る。
 ここでケチッてはいけない、けれども断固として5%引き水準を提示するのだ。
 (彼らも社内あるいは家庭内で決済が必要だから)そこで無事決着するはずだ。
 だが、まだまだ障害は残る。
 固定資産税の負担割合と、瑕疵担保責任だ。
 固定資産税の負担割合とは、課税基準日が1月1日であり、売買契約日や引き渡し日がそれと違う場合に発生する。
 瑕疵担保責任とは、その土地に埋蔵物等のマイナス資産が発生することだ。
 ここでの対応方針は明らかだ。
 固定資産税は全面譲歩すればいい。
 そうすることで、先方は瑕疵担保責任を追及することに及び腰となるのだ。
 しょうがない、このくらいはがまんするか等・・・
 これを実務家は「手離れ」と言います。
 何らかの契約をしたのちには、この手離れこそが重要なのです。
 契約後の再折衝はコスト(費用・時間)でしかないのです、実務家ならばご理解いただけると思います。