うどんの研究 連載中
(13)うどん雑学
4.小麦粉研究
ふんわりソフトな薄力粉 4/5 new
ひとつだけ注意しておかなく
てはいけない点がある。天ぷ
らにしろケーキにしろ、小麦
粉を使う前に、ダマや異物を
のぞくため、ふるいにかけて
おくことだ。強力粉、中力粉
もこれは同じなのだが、とく
に粒のやわらかい軟質小麦を
ひいてとる薄力粉はダマがで
きやすい。ダマができたまま
粉を溶き、あるいは練ってし
まうと、固まりはそのまま残
ってしまい、味がそこなわれ
る。
(次回に続く)
ふんわりソフトな薄力粉 3/5
薄力粉を使った和食の代表は、
天ぷらだろう。天ぷらを揚げ
るとき、薄力粉を衣に使う。
そのとき、日本人は粉を「溶く
」と言い表す。「練る」とは言
わない。なぜなら、薄力粉と
はいえ、こね過ぎればグルテ
ンを形成し、衣は通気性を失
い、揚げたときにサクサクし
た食感がでない。グルテンを
発生させないと、焼き上がっ
たケーキはスポンジのように
はならない。調理のワザは、
用いどころを考えることから
始まるといわれるゆえんだ。
(次回に続く)
ふんわりソフトな薄力粉 2/5
小麦粉の用途は、グルテンの
質と量、加工法によって分け
られる。なかでもグルテンの
量が少なく、質がソフトな性
質を持つ薄力粉は、和菓子、
ケーキ、クッキー、カステラ
などの食品を作るのに向いて
いる。また料理の仕方により
グルテンの量を調整すること
で食感の違うものがつくれる。
(次回に続く)
ふんわりソフトな薄力粉 1/5
小麦粉には、薄力粉、中力
粉、強力粉があるが、薄力
粉(たんぱく質約8%)は、
3種類の粉の中でたんぱく
質が一番少ない軟質小麦を
ひいてつくる。小麦粉のた
んぱく質の大部分は、水を
加えてこねるとグルテンと
呼ばれるものになる。小麦
粉に水を加えてこねると弾
力性と粘着性が出てくるの
は、このグルテンのためだ。
(次回に続く)
ふんわりソフトな薄力粉 4/5 new
ひとつだけ注意しておかなく
てはいけない点がある。天ぷ
らにしろケーキにしろ、小麦
粉を使う前に、ダマや異物を
のぞくため、ふるいにかけて
おくことだ。強力粉、中力粉
もこれは同じなのだが、とく
に粒のやわらかい軟質小麦を
ひいてとる薄力粉はダマがで
きやすい。ダマができたまま
粉を溶き、あるいは練ってし
まうと、固まりはそのまま残
ってしまい、味がそこなわれ
る。
(次回に続く)
ふんわりソフトな薄力粉 3/5
薄力粉を使った和食の代表は、
天ぷらだろう。天ぷらを揚げ
るとき、薄力粉を衣に使う。
そのとき、日本人は粉を「溶く
」と言い表す。「練る」とは言
わない。なぜなら、薄力粉と
はいえ、こね過ぎればグルテ
ンを形成し、衣は通気性を失
い、揚げたときにサクサクし
た食感がでない。グルテンを
発生させないと、焼き上がっ
たケーキはスポンジのように
はならない。調理のワザは、
用いどころを考えることから
始まるといわれるゆえんだ。
(次回に続く)
ふんわりソフトな薄力粉 2/5
小麦粉の用途は、グルテンの
質と量、加工法によって分け
られる。なかでもグルテンの
量が少なく、質がソフトな性
質を持つ薄力粉は、和菓子、
ケーキ、クッキー、カステラ
などの食品を作るのに向いて
いる。また料理の仕方により
グルテンの量を調整すること
で食感の違うものがつくれる。
(次回に続く)
ふんわりソフトな薄力粉 1/5
小麦粉には、薄力粉、中力
粉、強力粉があるが、薄力
粉(たんぱく質約8%)は、
3種類の粉の中でたんぱく
質が一番少ない軟質小麦を
ひいてつくる。小麦粉のた
んぱく質の大部分は、水を
加えてこねるとグルテンと
呼ばれるものになる。小麦
粉に水を加えてこねると弾
力性と粘着性が出てくるの
は、このグルテンのためだ。
(次回に続く)
ミニ製粉史2
必要は発明の母。製粉技術
は約2000年前の古代ギ
リシャで、てこの原理を応
用した「レバーミル」を生み
出す。上臼に長い棒を取り
付け、人が押して下臼上を
弧状に滑らせ、小麦をひく
。石臼に線刻目立てをし、
前回紹介したサドルカーン
(エジプト)と同じく往復
運動ながら、効率アップし
たろう。当時パン焼きはま
だ女性の仕事で、紀元前5
世紀のアテネの歴史家ツキ
ジデスは「4人の兵士を養
うのに女性1人」(『歴史
』)と記している。
(次回に続く)
国産小麦の代表・中力粉 6 /6
そのむかし、讃岐のうどん職
人は「土三寒六常五杯」を口伝
にした。茶わん1杯の塩に、
水の量は「土」(夏の土用)は
3杯、「寒」の冬には6杯、春
秋の「常」は5杯と加減し、粘
度を調えた。いまは正確なハ
カリで目分量は不要になって
いる。粉食は手間だ。ゆえに
日本では、うどんなどは「ハ
レ」の日の食べものとされた
と民俗学者の柳田国男(18
75~1962)はいう。中
国では赤ちゃんが生まれると、
長寿を祈ってめんをふるまう
風習があった。めんには民族
の深い歴史が刻まれている。
(次回は薄力粉)
必要は発明の母。製粉技術
は約2000年前の古代ギ
リシャで、てこの原理を応
用した「レバーミル」を生み
出す。上臼に長い棒を取り
付け、人が押して下臼上を
弧状に滑らせ、小麦をひく
。石臼に線刻目立てをし、
前回紹介したサドルカーン
(エジプト)と同じく往復
運動ながら、効率アップし
たろう。当時パン焼きはま
だ女性の仕事で、紀元前5
世紀のアテネの歴史家ツキ
ジデスは「4人の兵士を養
うのに女性1人」(『歴史
』)と記している。
(次回に続く)
国産小麦の代表・中力粉 6 /6
そのむかし、讃岐のうどん職
人は「土三寒六常五杯」を口伝
にした。茶わん1杯の塩に、
水の量は「土」(夏の土用)は
3杯、「寒」の冬には6杯、春
秋の「常」は5杯と加減し、粘
度を調えた。いまは正確なハ
カリで目分量は不要になって
いる。粉食は手間だ。ゆえに
日本では、うどんなどは「ハ
レ」の日の食べものとされた
と民俗学者の柳田国男(18
75~1962)はいう。中
国では赤ちゃんが生まれると、
長寿を祈ってめんをふるまう
風習があった。めんには民族
の深い歴史が刻まれている。
(次回は薄力粉)