<近鉄>狭軌時代の名古屋線特急車
昭和28年、前回記した大阪線用特急車2250系と同時に狭軌の名古屋線用特急車として6421系が製造された。
2250系と外観、車内設備は統一仕様とされたが、名古屋線の急曲線区間に対応して車長は1m短い19m車である。
2250系と同様3次に亘って製造され、28年にモ6421形とク6571形の1次車各3両、2次車各2両が落成。
30年に3次車になるモ6421形1両が製造された。2次車以降は前面窓枠がHゴム仕様である。
25年に製造された先代の名古屋線の特急専用車6401系からスタイルが一新、本格的な特急車としてデビューした。
2250系と同様、32年に冷房装置、公衆電話、シートラジオが取付けられた。
後継のモ6431形新造の33年、急行用制御車ク6561形の1両が付随車サ6531に改造されて編成入りしている。
3次車のモ6426と組むための改造であったようだ。ク6561形については後述する。
34年に名古屋線が改軌された後は、名古屋・宇治山田間の直通特急として4連あるいは5連で運行されていた。
新ビスタカー増備に伴い35年から2次、3次車が格下げされ、38年の新エースカーの増備で1次車が格下げされた。
子供の頃、伊勢湾の海水浴の行き帰りに見たクリームとブルー、塗替後はオレンジとブルーの特急色が印象的であった。
何度も見ていた特急電車であるが、カメラを手にするまでに間に合わず、写真は全て3扉化された後の一般車である。
中央両開、3扉化後の1次車ク6571先頭の5連名古屋行急行 特急時代を彷彿させる編成
後部から 最後部に3扉、2灯シールドビームに改造後の3次車モ6426を連結
1968.8 伊勢朝日・益生
3扉、2灯シールドビームに改造後の2次車モ6424先頭の5連急行
1969.9 弥冨・近鉄長島
後部が1次車モ6422の2連名古屋行準急
1968.8 桑名駅
1次車ク6572の中川行準急
2灯シールドビーム化前の2次車モ6424の普通 2次車、3次車の前面窓枠はHゴム仕様で製造
1968.8 名古屋駅
2次車ク6574の中川行急行
1968.2 名古屋駅
30年に1両のみ製造の3次車モ6426
当時は前照灯2灯シールドビームへの改造が進行中で白熱灯の車両が混在した 1次車の左ク6573右モ6422
1968.8 名古屋駅
27年、急行用の制御車としてク6561形が5両製造された。6421系のベースになった19m車である。
名古屋線で初めて張上屋根を採用、前照灯埋込式、ノーシル・ノーヘッダーの全鋼製軽量車体構造である。
前述のサ6531は、ク6561を冷房装備付、便所付の特急仕様の中間付随車に改造したものである。
ク6563の普通
1966.5 桑名駅
2灯シールドビームに改造後のク6565先頭の名古屋行臨時急行
1969.1 明野・明星