今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

男の肖像

2020-05-05 20:55:22 | エリザベート


本を整理していたら出てきました。
買ったこと忘れてた(苦笑)
奥付を見たら、1987年3月15日第三版となっています。
随分昔だなあ。

表紙のナポレオンの絵がかっこいい。
それで買ったんだと思います、、、いやいや、塩野さんのファンだったから買ったんですよ。

ほとんど忘れていたので(苦笑)改めて読み直してみました。
面白かった〜

この本で、塩野さんは以下の人たちについて語っています。
それは
ペリクレス、アレクサンダー大王、大カトー、ユリウス・カエサル、北条時宗、織田信長、千利休、西郷隆盛、ナポレオン
フランツ・ヨーゼフ一世、毛沢東、コシモ・デ・メディチ、マーカス・アグリッパ、チャーチル の14人。

塩野さん好みのヒーロー的な人もいれば、歴史的には地味な存在の人も。
どの人も教科書的見地から抜け出て、生き生きと描かれていることに感動します。
そして、ヨーロッパ大陸で歴史研究をしている塩野さんならではの視点がとても新鮮でした。

特に織田信長については目から鱗というか、、、、、
少し引用すると
「織田信長が日本人に与えた最大の贈物は、比叡山焼討ちや長島、越前の一向宗徒との対決や石山本願寺攻めに示されたような、狂信の徒の皆殺しである。」

ひぇーっ!思わずのけ反る。

日本でこんなこと言う人はいないのではないだろうか。

比叡山焼討ちに代表される信長の行動の激しさは、彼の性格として捉えられていることが多いように思います。
こういう冷酷な面が信長にはあったのだ、と片付けられているような。

ウィキペディアでみてみると、肯定的な評価もあるようですが、でも、塩野さんのような見解を示す人はいないと思います。

北条時宗に対する評価も凄く高くてちょっとびっくり。
あまり取り上げられない人だと思うけど、塩野さん的視点から見ると天才的な人物なんですね。

私は小学生の時に偉人伝かなんかで読んで、親しみがあったので嬉しかったです。

塩野さんは、「不名誉なことをしながらも高潔さを維持できる男」が、指導者としての条件と思われているようです。
強いリーダーシップと決断力は勿論のこと。

今、そんな高潔な指導者がいるのだろうか、と、ニュース見ながら考えてしまいました。
















青い血の一族

2019-09-05 00:16:29 | エリザベート


透けるような白い肌に浮き上がる青い静脈。
ハプスブルク家の人々は、自らを神に選ばれた特別な存在として高貴な青い血を誇った・・・

中野京子著 名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 を読みました。

650年の長きにわたり繁栄したハプスブルク家。
徳川幕府256年、ロシア ロマノフ王朝300年を考えても、その凄さがわかります。

この本は、ハプスブルク家関係の肖像画、絵画からハプスブルク家を語っています。
面白くて一気に読んでしまいました。

スペインハプスブルク家の方が比重が大きくなっているのは、著者も言っているように、「耳の人」(=音楽の人)であるドイツ人に対して、「眼の人」(=絵画の人)であるのがスペイン人だからということのようです。
確かにスペインの絵画はドラマチックです。
「狂女フアナ」といい、「ラス・メニーナス」といい。

オーストリア・ハプスブルク系統には名画と呼べるものが少なく、あのマリア・テレジアでさえ価値ある肖像画を残していないとのこと。
そんななかで、ヴィンターハルターのエリザベート皇后の肖像画が取り上げられていました。

それにしても、近親婚の凄まじいこと。
親戚同士で婚姻に婚姻を重ねているので、繋がりがごちゃごちゃ過ぎる。
特にスペイン・ハプスブルク家。
いかに神聖な「青い血」を守るためとは言え、ちょっと酷すぎるなぁという感じ。
おぞましいとさえ思えてしまう。

スペイン・ハプスブルク家最後のカルロス2世は呪われた子とまで言われて、、、
父親であるフェリペ4世は、「慰み者」の道化のような姿の息子を人前に出す時はヴェールをかけたそうな。
当然後継ぎを作れる体ではなく、スペイン・ハプスブルク家は終焉を迎えます。
カルロス2世だけの責任ではないと思う。
彼をこのような体にしてしまった凝縮し過ぎた青い血のせいなのだ、そう思います。

ちょっとショックだったのが、オペラ「ドン・カルロ」のモデルとなったフェリペ2世の息子ドン・カルロスはかなり持て余し者だったらしいこと。
悲劇的な最後はオペラと一緒のようだけど、父親に愛する人をとられ悲劇を迎える王子の実態はそんな出来の悪い息子だったとは、、、
でも、それももしかして近親婚の犠牲なのかもしれないと思ったりします。

一方、オーストリア・ハプスブルク家は多産の家系。
あの有名な家訓「戦争は他の国にまかせておけば良い。幸運なオーストリアよ、汝は結婚すべし!」により、あちこちの王家と婚姻を結び、戦うことなく領土を広げていくのです。
マリア・テレジアは16人の子供を産み(6人は早世)、娘たちを政治のカードとして扱いました。
末娘がマリー・アントワネットです。

そして、ハプスブルク帝国最後の皇帝フランツ・ヨーゼフ
順番からいくと、父親のカール大公が皇帝となるはずだったが、こんな愚か者を皇帝にしたらハプスブルク家は滅亡する、と妻ゾフィーが反対し、息子を皇帝にしたのです。
いや〜母は強し、というか、恐るべしゾフィー
無能な夫にさっさと見切りをつけ、優秀な息子を皇帝の座につける
シシィが逃げ出したくなる気もわかるというものです。

そんなこんな、ハプスブルク家にまつわる様々な人間関係が、生き生きした語り口で展開されていて、一気に読んでしまいました。

図らずも、今年は日本、オーストリア国交樹立150周年記念の年だそうです。
宝塚では「I AM FROM AUSTRIA — 故郷は甘き調べ— 」が上演され、秋からは「 ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史 」が10月から開催されます。

ベラスケスの絵も来るみたいなので楽しみ〜
ハプスブルク600年の歴史に思いを馳せる秋になりそうです。


















ミュージカル エリザベート 2019 ②

2019-08-27 10:42:24 | エリザベート


ミュージカル エリザベート
8月9日(金)マチネ

7月に井上トート、愛希シシィで2回見て、花總シシィ、古川トートも見たくなり、急遽当日券を取って見てきました。

エリザベート 花總まりさん
さすがというか、ブレのない確信に満ちた演技です。
ドレス姿の美しさも歌声も相変わらず。
う〜ん、凄いとしか言いようがありません。
考えれば、宝塚初演ということは日本初演時からエリザベート役でしたから、存在感はハンパないですね。


トートは古川雄大さん
若くて綺麗なトートでした。
そして重量感を感じなかった。
花總シシィの思いをすっすっとかわしていく。
浮遊感のあるトートというか、、、
ちょっと捉えどころのない雰囲気が魅力かなと思いました。

フランツは平方元基さん
この役にしては若いのではないかなと思っていたのですが、凄く頑張ってました。
2部後半の演技も違和感なく、とても良かったです。
昨日26日大楽のカーテンコールの様子を動画で見ました。
小池先生に褒められていて、私も嬉しい(涙)
実はサンセット大通りを見て以来、地味に応援してるんです。
なかなか褒めない小池先生だから余計にね。
これからも頑張って欲しいです。

ということで、2019年のエリザベートは終了しましたが、来年2020年の公演が発表されました。
帝劇のエリザベート公演が始まってから20年目の節目の年。
もう、そんなになるんですね。時の流れを感じます(遠い目)
宝塚の演目を帝劇でやるなんて、当時は前代未聞だった、、、

来年も今年のメンバーが中心になるのでしょうか。
楽しみにしたいと思います。






ミュージカル エリザベート 2019 ①

2019-08-25 10:19:16 | エリザベート



ミュージカル エリザベート
観てきました。
7月8日 マチネ
7月30日 ソワレ

どちらとも トートは井上芳雄さん、エリザベートは愛希れいかさん
愛希さんは宝塚退団後初めて拝見です。
ルキーニは8日マチネが山崎育三郎さん、30日がソンハさんでした。

2015年に見て以来なので、凄い久しぶりのエリザでした。

まず第一に感じたのは、オーケストラの違いでしょうか。
音量がかなり抑えられている感じでした。特に一部。
そして、テンポがゆっくり。
その分、我が家のトピックスとか何人かで歌い継ぐ場面の歌詞は一人一人の歌詞が凄くよく聞き取れたので、よかったと思います。
テンポが今までより遅く感じたのですが、ウィーンオリジナルとか宝塚初演時のテンポに近い気がしました。
指揮者が変わったせいもあるのかな。

ただ、音量抑え気味なせいか、音楽の迫力がイマイチな気が、、、
オケの人数が減ったのかな。
詳しいことはよくわからないけど、その点ちょっと残念な気がしました。

トートの井上さん
貫禄を感じました。
ルドルフで新星のごとく登場したことがまだ頭に残っていて、、、
声も重くしていて迫力があったと思います。


シシィの愛希れいかさん
昨年の宝塚退団公演がエリザだったから、きっと上手くやってくれると思って見たのですが、思っていたとおり、しっかりしたシシィだったと思います。
井上トートに導かれているような感じがしました。
兄妹みたいな雰囲気?

ルキーニは山崎さん(8日マチネ)
狂気が滲み出る感じ、そしてストーリーテラーとして存在感があってよかったです。

もう一人のルキーニ、ソンハさん(30日ソワレ)
ソンハさんのルキーニ、初めてです。
計算された狂気というか。しかし、底の知れない雰囲気もあって山崎さんとは違う存在感。
声質の違いもあるのかな。
とても新鮮でよかったです。


8月9日に古川トートも見ましたので、また後日。











アデュー シシィ

2012-10-28 19:05:04 | エリザベート
Side_04_2

ウィーン版ミュージカル
「エリザベート20周年記念コンサート」
シアターオーブ
10月27日(土)ソワレ

見てきました。

マヤさんの最後のエリザベート
素晴らしかったです。

舞台には中央にオーケストラ
その周りを囲むように通路状の舞台
2007年の引越し公演の新宿コマ劇場と同じような設えです。

セットはハプスブルグ家の双頭の鷲の釣りものと、1幕最後のシシィの額縁のみ
後は照明で工夫されてました。
1幕最後のシシィが出てくるところ、額縁に納まった構図は素晴らしかった!
思わず拍手。神々しいというか…

マヤさん、シシィ役はこれで最後、ということですが、さすがの貫禄で
歌もらくらく高音も出ていて、コンサートとかではずっとやって欲しいです。

その他
トート役はマテ・カマラス マテさんです。
声の調子がいまいちで、ちょっと残念
一番歯がゆかったのは、マテ本人かも。
2007年のワイルドなトートが懐かしい。
でも、この1年、日本に居続けで、大変だったでしょうね。
大晦日までクリエでコンサートだし…
マテ、ありがとう。喉お大事に。


ルドルフはルカス・ぺルマンさん
ルカス、髪型がぁ…
どこのサラリーマンかと(爆)
でも相変わらずハンサムでカッコよかったぁ

フランツ・ヨーゼフはアンドレ・バウワーさん
2008年のコンサートでお馴染み。
相変わらずやさしいお声で、素敵なフランツでした。

ルキーニは2007年のときと同じ、ブルーノ・グラッシーニさん
よく通る声で、盛り上げてくれました。

その他の方も、みんな上手くて、安心して観ていられました。


歌は2007年にはなかった「愛と死のロンド」がありました。
「私が踊る時」もかな?ちょっと記憶が曖昧ですが。
「愛と死のロンド」はシシィも歌うので、ちょっとビックリ。
詩の内容が日本の詩とは違っていて新鮮でした。
この歌は宝塚初演の時に新に付け加えられた歌なので
ちょっと思い入れがあります。
ウィーンの2012年度版には入っているそうで…
いつか本場で観てみたい。


パンフレットは内容が充実して面白かったです。
買ってよかった。
小池先生の各国のエリザ感激感想が面白かった。
あと、歌詞内容が掲載されていたのも嬉しい。

それと、日本語訳が入ったDVDをお買い上げしてしまいました。
日本語訳が入っていないものを最初に出た時に買ってしまってあるのに(苦笑)
「闇が広がる」の場面の歌詞が、日本語バージョンとは違うなあ、と思っていて
字幕観ていても覚えきれないので。
あの場面、トートとルドルフの後ろから死者達がせりあがってくるところが、凄く
好きなんです。


最後にですが、今まで自分で書いたエリザ公演の記事をまとめてみました。


2007年1月 新宿コマ エリザベートガラコンサート  

2007年4月 梅田コマ劇場 ウィーン エリザベート引越し公演   

2007年5月 新宿コマ劇場 エリザベート コンサート 
 
2008年5月 ウィーンミュージカルコンサート その1


2008年5月 ウィーンミュージカル コンサート その2  


右のサイドバー には過去1年間の表記しかありませんが、
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されますので、お時間ある方はどうぞ。


しかし、2007年て、エリザもあって、TOMMY もあって、瞳子さんのお披露目も
あったんですね。凄い!我ながらよく活動してましたねぇ(爆)