
宝塚花組 大劇場公演 ポーの一族、見てきました。
原作 萩尾望都「ポーの一族」
脚本・演出 小池修一郎
エドガー・ポーツネル 明日海りお
シーラ・ポーツネル 仙名彩世
アラン・トワイライト 柚香 光
原作は萩尾望都さんの漫画
もう30年前くらいですよね。
望都さんの作品、大好きでした。
それが宝塚で見られる、ということでニュースを聞いたときから大興奮だった私。
ビジュアルが出た時から、その美しさに感激、原作ファンの方もこのビジュアルだったら文句は出ないだろう、と勝手に思っておりました。
ビジュアル、ポスターを見るにつけ、この作品を舞台化したいという思いで宝塚に入団したという演出の小池先生の思い入れ、こだわりが感じられて、期待がかなり膨らみ・・・先日1月20日、21日と宝塚大劇場まで遠征しまして見てまいりました。
何と言っても、花組トップスター、明日海りおさんのエドガーが素晴らしかったです。
エドガーは時を超えて永遠を生きるバンパネラなので、少年の容貌ではあるけれど、大人でもあるわけですよね。
その雰囲気が凄くよく出ていたと思います。
宝塚の男役としてはかなりチャレンジな役だと思いますが、明日海さんだからこそこの役ができたと思うし、明日海さんでなければできなかったでしょう。
小池先生にしても、明日海さんだからポーの一族ができる、と思ったと思います。
宝塚は演出家だけの希望で演目が決まるわけではないし、他組の公演状況、そしてもちろんその組の組事情があって演目は決まるわけだから、小池先生がどんなにやりたいと思っても、できる状況になるまでこれまでの時間がかかった、ということなのでしょう。タイミングですね。
全体的には原作の設定、エピソードは崩さず、時系列にエピソードが組み替えられていました。
最初は進行が早くて、これで2時間半もつのか、と心配になったりしましたが、後半、エドガーとアランの繋がりについては時間をとっていました。
やはりトップと2番手の絡みは必要になるわけだし、宝塚の舞台として成立させなくてないけないですから。
ただ、アランを一族に迎え入れるまでで終わったので、二人の学園生活は描かれていなかったのがちょっと寂しいかな。
主要な役どころ以外は、小池先生の癖というか、使う人は徹底的に使うということで、2役、3役やっている人もいる分、下級生ファンの方は贔屓を探すのが大変かも。
印象に残った場面は、老ハンナが消滅するところ。肉体は消え去り衣服だけが残る場面。とてもよかった。
あとは、クリフォードとジェーンの婚約式にポーツネル男爵一家が登場するところ。絵の様に完璧に美しい一家と紹介があるわけですが、本当にそのとおりで鳥肌ものでした。
最後の方でクレーンが出てくるところもありました。小池先生好きだよね(笑)
明日海エドガーはブルーのコンタクトで青の美しい瞳、細身の体に貴族の少年服というかゆったりした白いブラウス、膝丈のパンツに丈の短い上着、パブリックスクールの胸元にリボンのついたチュニック丈のブラウスのような制服など、どれも良く似合ってました。まさに眼福。
何より、永遠を生きるその孤独感が胸を打ちます。
孤独な役、悩める役は明日海さんの容貌と相まって壮絶なまでに美しかったです。
歌劇団のHPに出ていた萩尾望都さんのコメントはこちら