6日、アッキーのコンサートの前に行って来ました。
東京都美術館
没後70年 吉田博展
いや〜もう、びっくり!
ー美が摺り重なるー
このコピーが表現しているように、幾重にも重なり合ってる色と形、光と影・・・
今まで私が持っていた版画というものの概念が、ガラガラと音を立てて崩れ落ちる・・・
そんな感じでした。
版画なので、そんな大きな作品はありません。
A4くらいの大きさです。
しかし、その中にあるのは凄い世界でした。
今まで私が考える版画というのは、広重とか北斎の浮世絵でした。
でも、吉田博の作品はそれらとは全く違うものでした。
写真とか風景画がそのまま版画になったような、細密な写実的な絵というか。
色もグラデーションが素晴らしい。
浮世絵は摺り回数が10回程度だそうですが、吉田博の版画は、なんと、平均30回だとか。
100回近い作品もあるとのこと。
もう、気が遠くなりそう。。。
いや、それを通り越して、信じられない!
版画だから、絵師(吉田博)、彫師、摺師と分業になっているけれど、吉田博はずっと現場に
付き添ったらしい。
自ら彫ることもあったそう。
板木も展示されていたけれど、その細かさに圧倒されました。
写生帳も展示されて、とにかく細かくて、スケッチ力が素晴らしい。
若い頃は「写生の鬼」といわれていたとか。
凄い集中力を感じました。
欧米での評価が先行していて、日本での評価は欧米ほどではなかったそうですが、
浮世絵の固定観念があると、吉田博の作品は評価しにくいかも、と思いました。
故ダイアナ妃の執務室の写真が公開された時、吉田博の「光る海」と「猿沢池」があったことで
有名になったとか。
日本の浮世絵より、絵画に近い雰囲気が欧米での評価に繋がっているのですね。
3月28日まで開かれています。
会期期間中にもう一度行ってみたいです。