あさか野の四季

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初秋の美女池

2012年10月06日 | 風景や景観

静御前が身を投げたとされる伝説の池。
兄頼朝に追われた義経は奥州平泉へと逃れた。その後を追った静御前は、下僕の小六と乳母のさいはらを供に安積の里へとたどり着くのであるが、その最後の峠を越える途中で小六を亡くしてしまうのである。静は嘆き悲しみ、涙を止めることができなかったが、気を取り直して化粧を整え先を急いだという。幸い村人の好意で地元の花輪長者の屋敷に案内され、ここでしばらくの間、村の娘などに針を教えた。そんなある日、ひとづてに義経が亡くなったことを知った静は、絶望のあまり、さいはらと共に近くの池に身を投げるのである。いつしか人々はその池を美女池と呼ぶようようになったという。

この地域には、今でも静御前堂はじめ小六峠、小六塚、針生(はりう)、化粧坂(けわいざか)といった地名が残る。静御前伝説は全国に数多いが、この地域のように話の流れが地名となって伝えられているところは少ないと思われる。
(写真:郡山市大槻町美女池上地内にて)


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