二十年かもう少し前のことだが、幾つかの国々では、エレヴェータボーイの「仕事を奪う」ことになるからと、エレヴェータを自分で操作しないように注意された。
仕方がないので、毎度xx階に頼むと現地語で言う必要があった。 従って、いろんな国に着くと、一番に覚えるのが感謝と謝罪の言葉であるが、次に必要になるのが、エレヴェータの行き先階を指示するための数字である。
総じて高層ビルが多かったので、47階とかというとてつもない大きな数字を覚える必要があった。
自分の借りている事務所だけなら一つの階を覚えればよく大した問題ではないのだが、お客の事務所となるとさあ大変、百くらいまでの数字を自由に言える必要があった。
しかし、数字を覚えるだけなら、現在より若かったのでさしたることもなかったのだが、アメリカ式と英国式(ヨーロッパ式)とでは、一階分呼び方が異なり、時々間違いをして困った記憶がある。
我々は中学生のとき、次のように習った。アメリカ式は、日本と同じように、地表面から1・2・3・・・階と数えるが、ヨーロッパ式(英国式)では、日本の2階が1階となるというのであった。
辞書によると、アメリカ式と英国式では、地上階の数え方が、1階ずれる、すなわち、
アメリカ式:the first floor
英国式:the ground floor となる。
最近TVの世界遺産の番組で幾つかの国の生活様式を見る機会が多い。これによると、
外敵から身を守る必要性の高かった国の場合、地上階(日本式の1階)を馬・馬具・農機具倉庫・中庭・外敵を防ぐための防御区画としており、実際の生活は日本の2階以上の階で行っているケースが多かった。
そんな訳で、自分なりに合点したのが、英国式の階の表示は、外敵から身を守るためのものに起源を発しており、アメリカ式のものは、外敵に対して配慮の要らない国の生活様式に由来するのだろうと思ったのである。
この考え方は、あくまで小生の素人判断に基づくもので、なんらの学術的な根拠には基づくものではない。(もし、誤っていたらお許し頂きたい)