ノーベル物理学賞の益川さんはあのユーモラスな口調の中から、人間は誰もが自然を愛していること、だから自然から学ぶことはだれも好きである、特に自然をしっかり見せて子供の好奇心を育てなけれならない、それが教育だということをほのめかしていました。レオチェル・カーソンも幼いときに自然をひたむきに観察し「なぜ?」「なぜ?」の気持を持ち、生物兵器のように農薬を大量にまき散らすお金儲けだけが目的の農業について「やり方はもっとあるでしょう」と命がけで鋭い批判の矢を放ったわけです。益川さんとレイチェルに共通している思想はひたむきに自然に向き合い、それに愛情を注ぐ気持のような気がしてなりません。自然や環境と人間の関係とは何かということを知ることが科学のありかたかも知れません。レイチェルの指し示していることは、科学は戦争のように、一時の欲望のために使うのではなく、自然と共存し、平和の内に末永く人々が暮らせる環境創造のために使うものであること、そしてそれは憲法九条の不戦の哲理と全く合致していることを示唆している・・・不戦を国是としてきた日本国民の心の財産の中心的な内容はそこにあることを気づかせてくれたようです。
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