ドラマ アイシテル#10 終
1年…早いな。
智也は 施設から1年で
出てきた。
でも、
これからなんだと思った。
被害者
加害者、
ふたつの家族。
見ている自分の気持ちが
どこに重なるのか
よく分からなかった。
罪を償う子どもか、
その親か、
子どもを永遠に失った
家族か、
それとも清貴…
どこかひとつに
落ち着かない気持ちだった。
…………………
腫れ物に触るように
してきた智也の両親。
変われるのだろうか。
智也が
施設に戻りたいと言ったのは
なぜだろう。
外の世界は
規則正しく静かな場所ではない。
自分の思っていることを
相手へ伝えたり
受け取ったりすることは
難しく
大きな起伏のある道だ。
避けては通れない。
家裁の富田さんは、
親子だって
話さないとわからないことは
たくさんあるから
と言った。
話す…とは
いったいどんなことなのだろう。
ただ言葉を交わすだけでなく、
相手と理解し合うために
どうすれば…。
智也は
気遣う親たちに
施設へ戻りたい理由を言った。
“迷惑がかかってる…
ごまかさないで”と。
そんなことない、と
大人は返したけれど
それは どこか ごまかしに
聞こえたのかもしれない。
その通りだよ、と
智也に言いたかった。
迷惑、という言葉が
合うかどうかは
わからないけれど
智也のしたことで
家族やまわりの人が
大きな影響を受けているのは事実だ。
けれどそれは
智也が いなくなれば
無くなるわけではない。
犯した罪が
消えるわけではないように。
それを償うために
智也は 帰ってきたのだ。
そうした…
家族が苦しむ姿を目の当たりにしたり、
もちろん自分も 辛いことにあったり、
人との
たくさんの かかわりの中で
真っ当に 傷つき 苦しみ
でも、喜びも感じ
色々なことに気付く。
迷惑をかけたというのなら、
家族と共にいて
そうした自分の姿を見せ
家族にも、
何か返していくべきでは
ないだろうか。
親も、
どれほど苦しんでいるのか
正直な気持ちをさらけ出しても
いいのではと思った。
この親子の場合。
「子どもの前では飾りなんていらない。
何度でもぶつかって
いけばいいじゃないか 」
と言った
智也の父の言葉の通り。
智也と母との
やりとりでは……………
生まれてこなきゃ
よかったんだ。
生まれてきちゃいけない命
なんてない。
どんな命だって
生まれてきた意味がある…
確かに。
“どんな”命でも
等しく、優劣なく。
必要な命、
必要でない命など ないから。
だから 命を奪うことは
いけないのだと思う。
だから
大切にしなければいけないのは
自分も他人も、同じなのだと思う。
弟が生まれ
新しい命に触れ
智也は
そんなことを感じたの
だろうか。
ひとつひとつ
気付いていって欲しい。
いつか 親になることがあれば
また、新たに
命の重さを感じることに
なるだろう。
この先の 長い道のりで
智也は
色々なことに出会うだろう。
その度に、 悔い 苦しみ
犯した罪の重さを知る。
否応なく死と向かい合い
そこからまた
新たに生まれ変わる…
そんなことを
人より 多く 深く
繰り返すのかも。
清貴を忘れない
ということは
そういうことかも…と
思った。
…………………
そして
被害者家族である
清貴の両親や姉。
憎しみだけでは
前に進めないことを
改めて思っていた。
忘れることは
たぶん出来ない。
消えないからこそ
向き合う。
清貴の死を無にしない
生き方を探し続ける
家族の幸せを願った。
…………………
物語が終わり、
物語と共に
ゆらゆら揺れていた気持ちが
ようやく自分のところへ
戻ってきた感じがした。
清貴と対話することは
やっぱりできなかった。
想像でしかない。
誰も もう清貴に尋ねることは出来ない。
そのことが重く
引っ掛かっていたから
かもしれない。
ふたつの家族。
それぞれがたどってきた
道のりを振り返る。
それぞれの痛みがある。
これまでも
これからも。
でも、
そうした痛みを背負うのは
加害者 被害者や
その家族だけでいいわけじゃない…?
智也の母が言った
“成すべき答えを探し続ける”のは
私たち自身も同じ。
それぞれの生活の中で、
それぞれの過去と未来において、
抱えているものがあると思う。
ニュースにならないくらいの
小さな
だけど大切な出来事に
立ち止まって考えることで、
ひとり一人の
境遇や考えは違っても
共有できることが
何かあるような気がした。
1年…早いな。
智也は 施設から1年で
出てきた。
でも、
これからなんだと思った。
被害者
加害者、
ふたつの家族。
見ている自分の気持ちが
どこに重なるのか
よく分からなかった。
罪を償う子どもか、
その親か、
子どもを永遠に失った
家族か、
それとも清貴…
どこかひとつに
落ち着かない気持ちだった。
…………………
腫れ物に触るように
してきた智也の両親。
変われるのだろうか。
智也が
施設に戻りたいと言ったのは
なぜだろう。
外の世界は
規則正しく静かな場所ではない。
自分の思っていることを
相手へ伝えたり
受け取ったりすることは
難しく
大きな起伏のある道だ。
避けては通れない。
家裁の富田さんは、
親子だって
話さないとわからないことは
たくさんあるから
と言った。
話す…とは
いったいどんなことなのだろう。
ただ言葉を交わすだけでなく、
相手と理解し合うために
どうすれば…。
智也は
気遣う親たちに
施設へ戻りたい理由を言った。
“迷惑がかかってる…
ごまかさないで”と。
そんなことない、と
大人は返したけれど
それは どこか ごまかしに
聞こえたのかもしれない。
その通りだよ、と
智也に言いたかった。
迷惑、という言葉が
合うかどうかは
わからないけれど
智也のしたことで
家族やまわりの人が
大きな影響を受けているのは事実だ。
けれどそれは
智也が いなくなれば
無くなるわけではない。
犯した罪が
消えるわけではないように。
それを償うために
智也は 帰ってきたのだ。
そうした…
家族が苦しむ姿を目の当たりにしたり、
もちろん自分も 辛いことにあったり、
人との
たくさんの かかわりの中で
真っ当に 傷つき 苦しみ
でも、喜びも感じ
色々なことに気付く。
迷惑をかけたというのなら、
家族と共にいて
そうした自分の姿を見せ
家族にも、
何か返していくべきでは
ないだろうか。
親も、
どれほど苦しんでいるのか
正直な気持ちをさらけ出しても
いいのではと思った。
この親子の場合。
「子どもの前では飾りなんていらない。
何度でもぶつかって
いけばいいじゃないか 」
と言った
智也の父の言葉の通り。
智也と母との
やりとりでは……………
生まれてこなきゃ
よかったんだ。
生まれてきちゃいけない命
なんてない。
どんな命だって
生まれてきた意味がある…
確かに。
“どんな”命でも
等しく、優劣なく。
必要な命、
必要でない命など ないから。
だから 命を奪うことは
いけないのだと思う。
だから
大切にしなければいけないのは
自分も他人も、同じなのだと思う。
弟が生まれ
新しい命に触れ
智也は
そんなことを感じたの
だろうか。
ひとつひとつ
気付いていって欲しい。
いつか 親になることがあれば
また、新たに
命の重さを感じることに
なるだろう。
この先の 長い道のりで
智也は
色々なことに出会うだろう。
その度に、 悔い 苦しみ
犯した罪の重さを知る。
否応なく死と向かい合い
そこからまた
新たに生まれ変わる…
そんなことを
人より 多く 深く
繰り返すのかも。
清貴を忘れない
ということは
そういうことかも…と
思った。
…………………
そして
被害者家族である
清貴の両親や姉。
憎しみだけでは
前に進めないことを
改めて思っていた。
忘れることは
たぶん出来ない。
消えないからこそ
向き合う。
清貴の死を無にしない
生き方を探し続ける
家族の幸せを願った。
…………………
物語が終わり、
物語と共に
ゆらゆら揺れていた気持ちが
ようやく自分のところへ
戻ってきた感じがした。
清貴と対話することは
やっぱりできなかった。
想像でしかない。
誰も もう清貴に尋ねることは出来ない。
そのことが重く
引っ掛かっていたから
かもしれない。
ふたつの家族。
それぞれがたどってきた
道のりを振り返る。
それぞれの痛みがある。
これまでも
これからも。
でも、
そうした痛みを背負うのは
加害者 被害者や
その家族だけでいいわけじゃない…?
智也の母が言った
“成すべき答えを探し続ける”のは
私たち自身も同じ。
それぞれの生活の中で、
それぞれの過去と未来において、
抱えているものがあると思う。
ニュースにならないくらいの
小さな
だけど大切な出来事に
立ち止まって考えることで、
ひとり一人の
境遇や考えは違っても
共有できることが
何かあるような気がした。