月下樹のおと

樹月けい、オタク母のブログ。アニメ・漫画。お絵かき展示等。義母の介護終わり、義父のご飯お手伝い中。

2/23 SARP vol.22 『セブンスター』観劇

2023-02-28 18:47:45 | 感想★アート演劇 映画ドラマ アニメ等

四国学院大学アーティスト・イン・レジデンス・プログラム(SARP)vol.22
『セブンスター』2/23 観劇

特別な何かは起こらない。
どこにでもありそうな思い出話。
でも、誰の胸の中にもある
その人にとっての特別な何か。
それをもう一度
大切にしたいと思える舞台だった。

観せたい人が頭に浮かんだ。

遅すぎる事なんてない。
大人も子どもも、
どんなところに置かれていても。
……………………

ノトススタジオ、
いつもより狭い空間。
壁で囲まれているせいか、
ぐっと近づいているような
感覚だった。

出ている人たちが
何となく素顔な雰囲気。

これまでの舞台で
見たことがある人を
覚えているのだが、
その舞台上での雰囲気が
ニュートラルな感じがする…
ということ。

もともとは、
一人芝居の作品らしい。

それが、8人の役者さんで
一人を演じている。
それも違和感なく面白い。

舞台奥の壁が
黒板になっていた。

語りながら
白いチョークの線が引かれる様が
なんとも心地よかった。
子どもの頃の
自由な落書きを思い出すからか。

………………

宇宙飛行士になりたかった
思い出話だけど、
観ている人それぞれに
自分と重なる部分が
あるかもしれないと思った。

自分も同じ、
人に自慢できるような
経歴や実績は持ってないなと
思いつつ観ていたけれど、

はっとするような
ほっとするようなことが
色々あった。

主人公の少年時代のように、
子どもは現実を知らないからこそ
無謀な夢を語る。
がむしゃらに挑むけれど、
現実の壁にぶつかり
諦めてしまったのだろう。

それでも、
形を変えて思いを叶えることは
できるかもしれない。
それが最後の…
20日間の休みをとって
やろうとしたことなのかな
と思った。

周りの人は
それに何の意味があるのか?
大した成果は見込めないと
見向きもしなかったり
するのだろう。

だとしても、
やってみて、その先に
何か見えるものはあるはず。

失敗は悪いことじゃない。
失敗の中に、
次へ繋がる何かを見つけて
また挑戦できるなら
それは大切なステップ。

何度失敗しても
やりたいと思えることは、
きっとその人にとって
特別な何か、だから。
好きだからこそ
大変なことにも挑戦できる。

好きなもの、
やりたいことがあるのは、
それだけで
大きな財産なのだろう。

物語を観ていて、
そういうことを
肯定してくれるような
温かい気持ちになった。

今が
うまくいってなくても
“遅すぎる事なんてない”

歌の歌詞が
寄り添ってくれた。

…………

そして“セブンスター”
タバコか!
ようやく分かった。
(そういえばタバコの箱を
トランシーバーみたいにしてたなぁ)

セブンスター、懐かしい。

子どもの頃、
父のタバコを買いに自販機まで
よくおつかいに行っていた。

色々なタバコのパッケージを
目にする機会もあったのだ。

うちは
マイルドセブンだったけど(笑)
今は無き銘柄。

昔はよく吸っていた父も
実母の介護を機に禁煙。
しかしそんな父も
昨秋、逝ったばかり。
喫煙の影響がなかった
とは言えない。
空の上で
苦笑いしていることだろう。

突然入院した父の
容体は急変続き。
薬が効かず
苦しい時もあったと思う。

けれど父は
先があるのか無いのか 分からない
病院のベッドの上でも
趣味の俳句を書いていた。

続けていた、
新聞への投稿は諦めても
目に留まる
カレンダーの絵と詩から、
湧き上がる自分の言葉を
綴っていた。

最期を前にしても
できることはある。
それがどんなに小さなことでも
意味があると思いたい。

意味があるのだと
思えることが
残された者の救いにもなる。

ラストを観ながら
そんなことを考えていた。

私もまだ
遅すぎることなんてない。

けれどやはり限りはあるのだから、
大切にしたいことは
早めにしなきゃなぁと
我が身を省みるのだった。

コメント
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