朝日新聞に「新聞ななめ読み」と題するコラムがある。元NHK記者で今はフリージャーナリストの「池上彰」氏が筆者だ。コラムのバックナンバーを読んでいたら、元旦の新聞広告についての記事を見つけた。面白いので紹介してみる。
元日の新聞には大手の企業がイメージ広告や、一ページの全面広告でその年の新商品の売りこみをする例が多い。
コラムでは朝日、読売、毎日、日経の4大紙に掲載された大手の出版社の全面広告で読者層を見極めようとしている。
朝日に全面広告を出したのは5社で一番多かった。岩波書店が朝日新聞だけの広告だった。今年に第六版を出す「広辞苑」の広告である。岩波書店は朝日新聞の読者層をターゲットにしたことが推測できる。
朝日と読売に全面広告を出したのは新潮社。朝日では、新潮文庫と、新しい文芸雑誌「yom yom」の宣伝。読売では畠中恵の時代小説「しゃばけ」シリーズだけの広告だった。
小学館は朝日には、昨年から刊行の「日本の歴史」全16巻の宣伝。読売には学習雑誌と学習ソフトの広告。毎日には各種の辞典の紹介だった。
講談社は朝日では講談社創業100周年記念の「書き下ろし100冊」を11月から刊行するとの予告広告。読売には「少年マガジン」の広告。毎日には各種コミックの広告。日経には「クーリエジャポン」「セオリー」「月刊現代」という大人向けの雑誌3誌を紹介している。講談社がそれぞれ4誌の読者層をどう見ているか良く判ります。
最後に集英社。朝日には子ども向けの出版物。読売には「少年ジャンプ」などの各種マンガ雑誌。毎日には文庫と新書の宣伝であった。そして日経には各種女性誌を紹介している、日経にも女性読者も大勢いるんですよと、イメージアップを狙っている。
ちなみに小生は50年来、朝日新聞一筋の読者である。乗用車を日産、トヨタ、ホンダ、いすずと何台も乗換えているのだが、新聞だけは何故か朝日新聞である。皆さんはどの新聞で、大手出版社の全面広告を見られたでしょうか?