( 「屋守」八反錦 )
■2014/4/12(土)
「蔵元まつり」で大阪・梅田を後にした、 関西の日本酒イベントに出ていつも物足りなく思ってしまうのは、九州の酒蔵は、焼酎蔵のみの参加で清酒蔵が出てないということ。 九州には、美味しい日本酒蔵が結構あってレベルも高いのに・・・ 残念でならない。
若竹屋・喜多屋・鷹来屋の 三酒の屋 (これは私が勝手に名づけているわけだけど) などは、 関門海峡を渡って関西で元気に暴れて欲しい銘柄たちだ。
物足りなさを抱え、レアな日本酒の遠吠えに誘われるように 大阪・梅田から約30分 以前から一度覗いてみたいと思っていたとある日本酒居酒屋の扉を開いたのは、17時前。
その日の最初の客だったようで、「どうぞ~ ぼちぼち準備してますから~」と女将さん。 「日本酒を飲みに来ました。 梅田で一通り飲んでは来たんですけどね 超珍しい日本酒を飲ませるお店だと聞いて、帰りに寄ってみました。」 「それはわざわざ どうもありがとうございます」
特にこちらから銘柄を指定することもなく 「こんなお酒なんてどうです」と置かれた酒こそ「屋守」
「おー おくのかみだー それも八反錦」 九州の三屋じゃないけど偶然にも屋のつく銘柄 私が来るのを待っていたのかな・・・ これは東京・東村山の知る人ぞ知る酒だ。 確か東京には12蔵の酒蔵があったと記憶するが、今も酒造りしている蔵は、8蔵。 その中で最も長い歴史(400年以上)を持つ酒蔵だ。
すんなり「おくのかみ」と読んだことや東京の歴史ある蔵だと知っていることもあって「日本酒お詳しいんですね」と言われたが、 「ほんのちょっと 好きなもので・・・」
この「屋守(おくのかみ)」銘柄は、わずか60石の生産量で、超レアなお宝銘柄。 全国には、根強いファンも多く ヤモラーと呼ばれる。 東京の酒と聞けば全国の人のイメージは、高くないかもしれないが、実は今に残る東京の酒はどれもすこぶる美味しくレベルが高い。
名酒センターで「田むら」を呑んだ時そう思った。 「澤乃井」、「多満自慢」、「田むら」などは、私は新潟の酒よりも好きだ。 そしてもちろんこの「屋守(おくのかみ)」の広島八反錦の酒なんか最高。 富士山の伏流水と広島の八反錦のコラボは、美味なるハーモニー。
やもり は、家を守ってくれる神様とも言われる。
この夜私は、大阪の片隅でヤモラーになった。 でもこれはレアな日本酒たちが、遠吠えを始めた序章に過ぎなかった。
つづく
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(寅)