( 十九 / 射美 )
■2014/4/12(土)
「射美」(IBI)を味わった後、女将さんはもう一つ知る人ぞ知る日本酒を「射美」一升瓶の横に置いた。 「おっ これも珍しい! 十九だ! これってアルプスバージョン?」 まだ未開封! これが簡単に空かなくて女将さんペンチを使って開けてくれたというエピソードがこの夜できてしまった。
(「19」と「射美」裏面)
信州 長野市・松本市には行ったことがあるものの信州上田には、行ったことがなくて、今最も行きたい場所の一つが、真田幸村の故郷 上田市。 そして行ったら是非立ち寄りたい蔵が、上田には三つあるがその一つが尾澤酒造。 東京オリンピックの年に創業200年を迎える。 「射美」を紹介した後だから驚かないと思うが、ここも60石足らずの小さな蔵。 生産量100石未満となれば、それだけでレア酒に入る。
実は、以前雑誌で「女性杜氏」特集をしていた。 女性杜氏は全国1700ほどの清酒蔵のうち30名に届かない2%未満というこちらも稀少な存在だが、信州にはそんな数少ない女性杜氏が頑張っている蔵が割とあって、「尾澤」というこの蔵の名を憶えていた。
確か、一旦酒造りができなくなったが、ご夫婦で復活させた蔵だとうっすら憶えている。 奥さんが杜氏。 そんな「十九」という酒は日本酒ファンの間で、知る人ぞ知る酒として人気だ。
「十九」とは「二十(はたち)が大人とすれば、それに一つ足りない大人になりきれない(完成されてない)酒」という意味合いで名づけたと読んだことがある。 なかなかシンプルで奥の深い名前だと思っている。
ここの日本酒は、信州を代表する美山錦で造る酒。 女性目線のアルプスの清々しさを日本酒で伝えると言ったら近いだろうか。 信州上田に行きたくなったと同時に「大人になりきれない自分は、いったい何なんだろう?」とこの酒に教えられている気がした。
それにしても良くもこんなに100石未満の超レアな酒が、次から次に出てくるものだ。 まるで私が来るのを待ち構えていたよう。 扉のガラスごしに外をみれば辺りは真っ暗になっていた。
アルプス1万尺 レア酒たちの遠吠えは もうちょっとばかり つづく・・・
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(寅)