( 「長浜ラーメン」 福岡市東区 福岡県庁前『一龍亭』)
福岡での「ぶり」は、超大物だったなぁ。 といっても 魚の「ぶり」ではない。
最近このブログで紹介した 8年ぶりの「餃子」 そして15年ぶりの「アイスコーヒー」
そんな二つの「ぶり」年月を足した年数を更に上回るもの。
▼8年ぶりの「餃子」 『ぎょうざのざ』
http://blog.goo.ne.jp/yumeichimonji/e/c2a9f57dfc128887242a6f200af0459e
▼15年ぶりの「アイスコーヒー」 『アラビカ』
http://blog.goo.ne.jp/yumeichimonji/c/85d3a15a9f7e20bd6a5dffc88d0c13ae
確か・・・ 福岡東区の県庁前にあったはずだけど・・・ 店の名とかすかな記憶を便りに地下鉄を降り歩くこと6~7分。
昔のままの店構えがそこに在った。 昔と変わっていないな~

▲お客さんには県庁マンも多い 長浜ラーメン『』一龍亭
でも カウンター内に 白い服を着たおやじさんの姿はなかった。
早速、出てこられたお店の奥さんに ラーメンを注文。 460円って安すぎないか。
立ちの店より安いんだから。

昔のままの丼に すりきれるような感じで入った超細麺・ こくがあってしつこくないスープ
早速ひとくち頂いてみると 昔のまんまの味。 嬉しくなってあっと言う間に替玉を注文。
わずか10秒ほどの湯遠しで、替玉が私の席に運ばれて来た時、そのお店の奥さんに
「私、今日ここに昭和63年以来たんです。 足掛けで実に25年ぶり。 それにしても
お店の中もどんぶりも麺の細さもスープの味も昔のままで、嬉しくなりました。」と伝えた。
「えっ、そうなんですか。 それは、こちらこそ嬉しいです。この店、父が昭和61年に開業して
父は数年前に無くなりましたけど その味をそのまま主人と受け継いでいるんです。
どんぶりも開店当時から使っている物なんですよ」
と久々の来客となった私に驚きと嬉しさを隠せない声で返ってきた。

▲( 福岡市 福岡県庁前 「一龍亭」店舗前で写真を撮らせて頂いた。
親父さんの味をご主人と共に今も守っている娘さん) 掲載了解済
この奥さん、あの時のおやじさんの娘さんなんだ~ 昔、確か日が短くなった秋だったが、
私は東公園へ寄った後、この店に(3度目)寄ったことがあるが、あの日の夕方
カウンターで宿題を広げていたのが、若き頃のこの奥さんだったかもしれない。
とても大きな「ぶり」は、25年ぶり という超大物。
その店を出る時、「父もきっと喜んでくれていると思います。」と言われた。
私は、奈良県の自宅までの麺とスープを宅配で送ってもらうように頼んだ。
(さすがに県庁前で大学の近くとあって 私のような人もたまにいるとのことで、
札幌や京都にも送っているとのこと。 奈良県へは初めてと言われた。)
25年の年月、それぞれの人にそれぞれの人生があったはずだが、
四半世紀の間、娘さんが引き継いでその姿も味も変わっていない食との再会。
平成になって博多のとんこつラーメンが、全国でブームになってトッピングやどんぶりの形も
デラックスになっていったが、この店のラーメンは、そんな商業化したトレンドに
流されず昭和の頃に普通にあった博多ラーメンを姿でも味でも忠実に残したものだ。
「麺食い」を自称する自分の食人生の中で、ちょっとしたドラマだった。
(寅)