大雑把な日常

日常のあれこれ。

備わった

2023-08-23 | 日記

5分前に東京の予備校に出かけたはずの娘から

電話がかかってきました。

私は、二度寝をしようと

枕を整えて、携帯を枕元において、「さてと」なんて言って、

うきうきと準備中でした。

娘いわく「自転車のカギがおかしい」とのこと。

説明できないんだけど、中に入らない、という。

5分悩んでいたんですね。

待っているように言って、

自分の自転車のカギと、

こういうとき、父は油をさしていたと思い出して、

ただ油さしを持っていたかどうか定かではなく

ごちゃごちゃの工具箱を覗いても時間の無駄になる可能性が高いと、

目についたスプレー式のオリーブオイル、手が汚れるかもしれないから紙ナプキンを台所からとって、

ノーブラのときに使うエプロンを頭からかぶり、

オリーブオイルと紙ナプキンをエプロンのポケットにねじ入れ、

マスクをして

マンションの駐輪場に行きました。

 

娘の自転車を見ると、自転車の差し込み口に何か詰まっているのか、

それを鍵で押してもびくとも動かない。

「数日前から変だった」と娘。

誰かがいたずらで入れた?のかも、

これは修理が必要、と判断して、

娘に私の自転車のカギを渡して、

駅に向かうようにいいました。

私の自転車の駐輪場契約は娘の契約している場所と違うので、

「駐輪場は駅前だよ。交番の裏ね」

というと

「うーん」とのんきな返事をし、

娘は、駅に向かいました。

 

さて、娘の自転車をどうしよう。

ひとまず、自転車屋さんに持っていくとしても、

この詰まったものを取り出せるかどうかやってみよう、

と家の工具箱からドライバーセットとピンセットを取りに帰ることにしました。

オリーブオイルがエプロンのポケットから突き出している。

これは戻すか。

でもせっかく持ってきたし、とオリーブオイルを鍵の差し込み口に一吹きし

部屋に戻って、ごちゃごちゃの工具箱から苦労してドライバーセット

カトラリー入れから魚の骨を取るピンセットをもって、

駐輪場に再び戻りました。

まずはもう一回、鍵を差し込んでみる。

カッチン。

動いた。

なんの抵抗もなく。

さっきまで、びくともしなかったのに。

何かが詰まっているわけじゃなかった。

もともとこういう構造で、中がさびているだけだったっぽい。

オリーブオイルの油でいけた。

自転車のことなど全くわからないのに、

直せた。すごい。

 

思ったより、あっさり終わったので、

まだまだ二度寝の時間があった。

やれやれ、と、自宅に戻り、

ふと娘の返事を思い出した。

「うーん」

あの肯定とも否定とも取れない返事は

わかっていないときのやつ。

それでGPSアプリを起動してみた。

娘の居場所がわかる。安全のために携帯アプリに入れている。

これで彼女の帰ってきた時間に夕飯が用意できている。

で、娘のGPSは、予想とは違う場所で点滅していた。

GPSは確実、というわけではないけれど、

私が契約している駐輪場にはどう通ってもその場所を経由しない。

電話してみたら、

まだ電車に乗っていなかった。

鍵のかけ方とかで手間取っていたらしい。

そこで、

全然違う駐輪場に駐輪していたことが判明。

「えー、おじさんがいるところじゃないのぉ」

「交番の裏だって、いったじゃん!」

やっぱり適当に聞いていたのだ。

我々の最寄り駅の駐輪担当は

間違えた駐輪場に置くとすぐにどこかに持っていく管理の行き届いた担当なので

危なかった。

 

ところで、

私、すごくないでしょうか。

朝から危機を二度も回避した。

自画自賛。

だれもほめてくれないので自分でほめる。

自転車の修繕は

無駄な動きが一切なかった。

必要なものをすべてポケットに詰め込んで、

一回家に戻ったのも、油がしみこむ時間として

ちょうどよかったと、あとから思う。

また

娘の空気の抜けたような返事で、

危険に気付くのも、

これまで娘を観察してきたからだ。

思うに、ひとりで十分に生きていける

ってことですよね。

我ながら、自分が頼もしいよ。

 




コストコのスプレータイプのオリーブオイル。

残り僅かで、お高いため再購入を渋りつつ

ちょびちょび使っていた。

このときのために残していたのかもしれん。

 

 

 

 

 

コメント
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