神奈川県下、いろいろなところで流鏑馬(やぶさめ)が行われていますが、
今回 「山北・室生神社の流鏑馬」を初めて見に行きました。
県指定無形民俗文化財で、約800年続いている室生神社の流鏑馬は、
例大祭の神事として古儀に基づき行われています。
ここの流鏑馬の騎乗者は、武田流、小笠原流などの射手ではなく、
神社氏子総代から依頼された地元の人が務めます。
また、普通 流鏑馬では一人の射手が単独で的を射ながら走り抜きますが、
ここの流鏑馬は先馬、後馬に騎乗者が乗り、先馬の騎乗者が的に近づくと軍扇をを掲げて露払いをし、
続く後馬の騎乗者が的を射ながら馬場を走り抜けます。
また、3つの的は決まった地域から奉納され、馬場でその的を持つ人は世襲制で、
3家の人たちが代々担当しているそうです。
そして、射手が射る「的」を、人が持っているというのも、ここ特有のやりかたのようです。
また、流鏑馬の馬場は神社前の狭い一般道で、アスファルトの上に砂を敷いてありました。
このように、ここの流鏑馬はほかのところの流鏑馬とは違った独特のやり方で継承されているようです。
室生神社 例大祭の日の境内の様子(流鏑馬の的も奉納されています)。
神社前のせまい道が流鏑馬の馬場であり、神輿や山車も行き来します。
馬場は浄められた後、騎乗者がハッピ姿で裸馬に乗り、「馬場駆け」をします。
この後、騎乗者は正装に着替え、神官のお祓いを受けて、馬場に向かいます。
露払いの後、後馬の騎乗者は的に向かって弓を射ます。(「的」は世襲の人が持っています。)
県下の主な流鏑馬の様子(今までに撮影していたもの)。
鎌倉鶴岡八幡宮の流鏑馬。 寒川神社の流鏑馬。
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