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詠う鯨 - Whale that sings -
funeral log 1
(12月5日からの記事の遡り更新です)
夕方,母親から「容態が悪いようだ」の連絡が入る。1週間ほど前から肺炎をおこして病院に入院していた。
1年ほど前から体は弱ってきたようだったのだが,施設に入ったり入院したりするほどではなかったのだが。
体力がなくなっていたこともあり,数日前から呼吸補助装置を付けていた。
仕事場から病院に直行する。既に母親と弟がいたのだが,「今は落ち着いているようだ」とのこと。
すぐにどうなることはないだろうから,今晩は私が泊まり,明日以降はまた考えることにする。
病院はコロナの影響で,「面会は家族のみ,面会時間は15分程度」となっていたのだが,いわゆる「危篤状態」の患者さんには,付き添いという形で家族が一人泊まることを認めてくれている。
モニタが示すバイタルは,普通の人の半分程度で推移していた。
午後11時30分,モニタが一瞬フラットになる。すぐさま看護師さんが来て,「今心臓止まりましたね。持ち直したようですけど・・・」とのこと。
母親に「念のため病院に来て」と連絡する。
5分後,モニタが完全にフラットになる。
看護師さんが来て「お亡くなりになられたようです」と告げられる。
ホントにあっという間だった。
「呼吸装置や点滴は先生じゃないと止められないので,少しお待ちください」と看護師さん。
最終的に「死亡」を決定するのは医師しかできない。それまでは今の状態を確保するようだ。
担当医師が来て,装置を止め,心臓の鼓動,呼吸,眼球反射を確認し,正式に「死亡」を確定する。11時45分のことだった。
その後,葬儀屋さんに連絡し,父親の引き取りをお願いする。
検死をしないご遺体は,清浄などの処置をした後,すぐに病院から搬送することになる。
葬儀屋さんは24時間365日営業だ。
処置中に母親と弟が来る。最後は穏やかだったと報告し,面会してもらう。
処置が完了し,葬儀屋さんも到着したので,自宅に搬送する。
死亡診断書は担当医師から渡され,「受け取った方は,必ずご遺体と一緒に移動してください」と言われる。
DAY 2
自宅に着いたのは午前1時半。布団を敷き,父親を寝かせ,葬儀用の布団をかける。
香炉を設置してもらい,お線香を点す。
「それでは,これからの打ち合わせで,明日9時にまたお邪魔します。」と葬儀屋さん。
実感は全くない中,慌ただしく事態は動き出す