不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

La Verita

2006-07-11 06:24:58 | スポーツ

日本でもフランスでもジダン擁護派が多いようですが。
暴れん坊マテラッツィに食らわせた頭突きで退場になったシーン。
主審も副審も見ていないところでの出来事。

主審が自分で見ていないことに対して
審判を下すという前代未聞の出来事だったし
突然の事故に驚き。
ジダンは有終の美を飾るべく
いいプレーであの瞬間まできていたのに残念。

こういう見解がイタリア全体にあるもの。

マテラッツィは暴れん坊だし
ジダンだって決して穏やかとはいえない性格。
どっちも過去を振り返れば明らかだし。

言葉の投げあいもラフプレーもサッカーにはつきもの。
それをどこまで自分の中で消化して
プレーに反映させるかがプロとしての意地だと思うのですが。

マテラッツィが何を言ったのかは現時点では憶測のみ。
ジダンの姉を娼婦と罵った、なんていうのは
イタリアでは日常茶飯事、よく言われることだから
そんなことでキレているようじゃ修行が足りんだろう。
「汚いテロリスト」呼ばわりというのは
これは確かにいただけないかもしれないので
これでジダンがキレたのだったらそれは一理あるかも。
マテラッツィも謝罪の一言くらいは出すべきかもしれない。

でも言葉の攻撃に頭突きで返すのは
いかがなものかとやっぱり思う。
少なくともグラウンドの上ではね。
夢を与える場にいて国の代表として闘っているのだから。
そのあたりを考えられないほどに
ジダンの能美を煮え返らせた言葉ってなんだったのだろう。
それはそれで気になるけれど。

マテラッツィは母を知らずに育って
粗雑な荒っぽい性格を引きずってここまでやってきた人。
その荒っぽさも彼の一部であるということを
イタリアのファンはよくわかっているし。

いずれにしても
決勝戦の立役者の一人であるマテラッツィ。
そしてジダンが退場したことで
試合の流れが変わったのは事実だろうけれど
それが直接のフランスの敗因ではないから。
飽くまでもPKでの決着だったわけで
それが勝負事の世界だろうし
大舞台の魔法なんだろう。

マテラッツィの一言を遡及するなら
私は準決勝戦でのドイツサポーターの行儀の悪さや
優勝者を祝福する雰囲気のない開催国自体に
文句がいいたいくらい。
優勝翌日のドイツの新聞では
第一面にイタリア優勝をたたえる言葉なんてなかったそう。
それってどうなの?大人気ないでしょ。

もちろん新聞の掲載云々については
イタリアサイドの報道を頼りにしているだけなので
実際は違うのかもしれないけれど
準決勝そして決勝と、画面を通じて伝わってくる
優勝できなかった開催国の冷たさを感じたのは
私だけじゃないと思うんだよね。

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