不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Miei pensieri confusi di questi giorni

2011-07-06 23:50:00 | 日記・エッセイ・コラム

イタリアなんてもともと小さな都市国家の集まりで
統一されてようやく150年。
だから各地方にそれぞれの特色もあり、政治色も様々。
それでも地方分権とか叫ばれているわけで、
これに慣れてきてしまった私には
日本の強力な中央集権政治が
最近とても違和感のあるものに見えたりすることがあります。

今回の松本氏の復興大臣辞任騒動では
確かに傲慢な態度と物言いは許しがたいけれど、
「知恵を出したもん勝ち」という論点自体は
あながち間違ってないのではないかと思ったりもします。

実際被災してそこで復興して
これからも暮らしていかなくてはならない人々が
自分たちがどのような街つくりをしたいのか
どういう援助を国に要望するのか
自治体主導であったほうが効率的だし
中央の生ぬるいところにいる政治家任せでやるより
よほど早く復興できるのではないかと思うのですが。

イタリアでは
地方分権をもっと確固たるものにしようという流れもあり、
時々鬱陶しいこともあるのですが
まぁ、自分たちのことは
自分たちでぐだぐだ言って決めるほうが
イタリア人の性に合っていて
結局それでとても納得する民族なんだろうと思います。
そう思うと日本民族ってどちらかというと
従順に上の決めたことに従いますというイメージ。

フィレンツェの国立美術館の売り上げは
国立ですから国管轄下にありということで
フィレンツェ人にいわせれば
ずっと搾取(笑)されていたのですが、
今の市長になって
ようやく一部を市の収入として認められるように。
これってフィレンツェにとって実はとても大事なこと。
これだって地方分権を確立するための
資金確保の手段の一つ。
これをやり遂げた若き市長は素晴らしかったなと
思ったりもするのです。
個人的にレンツィ市長贔屓なのでね。

そしてローマに続いて導入された滞在税というのも
喧々諤々、あちこちで反対されながら
市長は押し切って導入したわけですが、
そのときのフィレンツェ市長の言葉を
今回の松本氏の発言で思い出したりしました。

これまで市は観光客誘致のために
イベント企画もしたり
予算の件でも国に掛け合ったり
文化活動にも力を入れて
それなりの努力もしているけれど、
それでもすべての修復、整備を賄うのに
十分な資金があるとはいえない。
だからこそ今回の滞在税に踏み切ったのだ。
ただ反対するだけでは能がない。
他に良案があるなら提示して欲しい。

まさにその通りだなと思ったのだけど。

反対したり文句いうのは簡単だけど
実際自分がどうしたいという方向性を決めるのって
すごくエネルギーのいることだと思う。
でもそれをせずに、誰か任せにしていたら
自分の望む未来は手に入らないんだよね。

東北の復興と次元は違うんだろうけど
考え方の根本は同じような気もする。
誰か任せではなくて、
被災した方々の意見で復興が一日も早く実現しますように。