不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Tweet della giornata

2011-10-04 19:07:15 | Tweet Log



Villa Torlonia

2011-10-04 19:04:00 | アート・文化

ローマのVia Nomentanaにある広大な敷地は
その昔1700年代にはPamphilj(パンフィーリ)家の所有で
農園として利用されていました。
その後1760年にColonna(コロンナ)家が買い取り
同じように農園利用をしていました。

フランスのオーヴェルニュ地方の貧しい農家出身の
Marin Tourloniasは
名前をMarino Torlonia(マリーノ・トルロニア)とイタリア人化して
Trinita' di Monti(トリニタ・ディ・モンティ)に生地屋さんを開店し、
一代で富を築き、1785年に裕福なままに人生を閉じました。
その息子であるGiovanni Torlonia(ジョヴァンニ・トルロニア)は
父親の残した生地屋の他に高利貸し業に着手し、
やがてコンドッティ通りにマリーノ・トルロニア銀行を創立し
貸し付けをメイン事業として更なる富を築き上げました。
1797年には多額の寄付金によってPio VI(ピオ6世)から
ローマ・ヴェッキアの侯爵タイトルを受けています。
勢いに乗ったGiovanniは1814年には
今度はCivitella Cesiの支配権を買収し、
新たな肩書きを手に入れます。
そして貧困に陥っている貴族たちの所有地を端から買い漁り
徐々に領土を拡大していきます。
この中に先のColonna家所有の
Via Nomentanaの領地も含まれていました。
1797年に購入したこの土地に、
1806年からGiuseppe Valadier
(ジュゼッペ・ヴァラディエール)に依頼して
ネオクラシックの別荘を建設。
Giovanniの息子であるAlessandro(アレッサンドロ)は
父が手にした肩書きを受け継ぎ
このNomentanaの別荘を完成させ、
更に改装&改築を続けました。
1840年Alessandroは
Teresa Colonna(テレザ・コロンナ)との婚姻を記念して
Giuseppe Jappelli(ジュゼッペ・イアッペッリ)に
Capanna Svizzera(現Casina di Civetta)と
アルハンブラ宮殿をイメージした
Serra Moresca(温室)の建設を依頼し
Quintiano Raimondi(クゥインティアーノ・ライモンディ)には
Teatro(劇場)の建設を依頼しました。

劇場内は
Costantino Brumidi(コスタンティーノ・ブルーミディ)による
フレスコ画で飾られています。
4000平方メートルを覆う絵画の主題は様々ですが、
中にはAlessandroがフリーメーソンのメンバーであったことを
ほのめかすものも含まれています。

ここには1925年から1943年まで
Mussolini(ムッソリーニ)が居住したことでもよく知られています。
当時、劇場ではディズニーやチャップリンの映画が
上映されていたと伝えられています。

1944年6月4日にムッソリーニは捕らえられ、
1978年になってようやくローマ市の所有となって現在に至ります。

Villa Torloniaは既に一部美術館化されて一般公開されていますが、
新たに修復の完了した2つの建物も
年内中に一般公開となる見通しです。
修復作業が完了したのはIl Teatro(劇場)と
Serra Moresca(ムーア人の温室)の二つ。
長い間放置されていたものがようやく修復されました。
劇場の修復には7年、800万ユーロを費やし
温室の修復には4年、500万ユーロが費やされています。

Musei di Villa Torlonia
Via Nomentana 70  Roma
開館時間: 9:00-19:00 *12月24・31日 9:00-14:00
休館日: 毎週月曜日、1月1日、5月1日、12月25日
詳細はこちら